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私たちにできることからはじめる_バングラデシュ渡航後に覚悟と挑戦

鳴りやまないクラクションの音。車線や信号がない中、ものすごいスピードで大量の車が走る車道。かつて世界最貧国といわれたバングラデシュは、急激な経済成長を遂げ発展する一方で、インフラはまだ整いきれておらず格差は広がっている。

ボーダレス・ジャパンが手がけるビジネスレザーファクトリー(通称、ビジレザ)は、バングラデシュの都市部の貧困を解決するレザー(革製品)ブランドだ。

今回は、「途上国の貧困問題を解決したい」という思いから、新卒でビジレザに入社した曽我さんと熊澤さんの現地訪問に迫る。

<話を聞いた人>
曽我さん
三重県生まれ。中学時代にユニセフのハンドインハンド募金に参加したことをきっかけに途上国の貧困問題に興味を持ちはじめる。大学時代では国際協力について学び、将来は途上国の人々の力になりたいと意思を固める。就職活動中、ビジネスとして途上国の貧困問題を解決するビジネスレザーファクトリーと出会う。大学在学中にアルバイト経験を積み、2023年新卒としてビジネスレザーファクトリーに入社。

熊澤さん
大阪府生まれ。大学在学中に国際協力や国際支援について学ぶ中でソーシャルビジネスに興味を持ち、途上国の貧困問題に対して長期的に貢献できる仕事に就きたいと考え始める。「雇用創出を通して貧困問題を解決する」というアプローチに共感し、2023年新卒としてビジネスレザーファクトリーに入社。


途上国の貧困問題を解決するために「ビジレザ」を選んだ2人

2人に共通するのは「貧困問題」に貢献したいという思い。どのようなきっかけで、社会人1年目のキャリアにビジレザを選んだのだろうか。

曽我:子どもの頃、ユニセフ募金に関わったことがきっかけで、漠然と途上国に関わることがしたいと思っていました。大学では国際協力を学んでいたのですが、父がセレクトショップを経営していた影響もあり、アパレル関係の企業を中心に就活を行っていました。

就活を進める中で、国際協力への思いとアパレル業界の実態にあるギャップに気づき、「やはり途上国の貧困問題に携わりたい」と心に決めました。そこで出会ったのが、革製品の販売を通して貧困問題を解決するビジネスレザーファクトリーでした。

熊澤:私も幼い頃から貧困問題に関心がありました。問題を根本から解決していくためには、一時的な支援ではなく、現地と共創していける方法が必要だと思い、模索する中で「ソーシャルビジネス」という言葉を知りました。そのとき、ボーダレスを見つけ、中でもビジレザの「雇用創出を通して貧困問題を解決する」というアプローチが自分の目標と一致したように感じたんです。特に販売という仕事なら、目の前のお客様を喜ばせることができるし、同時に貧困問題の解決にも取り組めると思い、入社を決めました。

入社してすぐ店舗における販売の仕事に従事した2人。ビジレザが大切にする「接客」の奥深さを知り、毎日が試行錯誤の連続だったという。

曽我:これまで接客の経験がなかったため、はじめの頃は仕事を覚えることで精一杯でした。しかし、立ち止まったら、貧困問題に何も貢献できないという気持ちで日々仕事に打ち込みました。

熊澤:接客では、お客様一人ひとりの思いを汲むことを大切にしています。何気ない会話の中から求めているものを想像しコミュニケーションをとっています。もちろん、ブランドの裏側にあるストーリーについてもお伝えします。どうすればより分かりやすくお伝えできるのか、試行錯誤を繰り返しています。

広がる格差、スラム街から見えたバングラデシュの現状

バングラデシュのスラム街

入社して半年。各店舗のメンバーと共にバングラデシュへ渡航することになる。最初に訪問したのはスラム街。バングラデシュの現状は、2人の目にどのように映ったのだろうか。

曽我:スラム街を訪問した際、子どもたちが笑顔で迎え入れてくれました。生活の苦しさを感じさせないほど素敵な笑顔が印象的でした。

政府がサポートを行っている一方で、行き届いていない場所も多くありました。スラム街の人々は、その日の食べ物を確保することが第一という暮らしで、教育や医療には全くアクセスできない世界にいます。彼らが貧困のループから抜け出すには、支援に頼らずとも自立することが重要であり、そのために雇用をつくる必要があります

私たちを笑顔で迎え入れてくれた子どもたちが、将来に希望を感じられる社会をつくらなくてはいけないと強く思いました。

スラム街で出会った少年

熊澤:バングラデシュは急激な経済成長を遂げていますが、それはあくまでも数字上の話に過ぎず、実際には苦しい環境下で自分の力ではどうにもできない状況にある人々がいることを体感しました。

スラム街の人々にコロナの影響がどうだったか尋ねると、「健康よりも、その日をどう生きるかの方が大事だから関係ない」という言葉が返ってきました。

世界中の人々が感じていた不安や恐怖を感じていなかった事実に、見えている世界がこんなにも違っていることに衝撃を受けました。

曽我:スラム街の人々がビジレザの工場に通うことは物理的に難しく、そもそも雇用情報にアクセスすることもできません。メンバー同士で話す中でも、彼らの生活圏に工場をつくる必要があるといった意見もあり、ビジレザとして何ができるのかを考えるきっかけにもなりました。

バングラデシュで働く人々の想い、雇用の先にある子ども達の未来

バングラデシュの工場の様子

ビジレザの存在意義を考えつつ訪れた生産現場。ビジレザの革製品をつくる工場では、他の工場では雇用されないシングルマザーや障がいをもつ人など500名を超える人々が働いている。ものづくりの現場で、2人の心を大きく動かしたのは工場で働くメンバーの日本に対する想いだったという。

曽我:一つの商品が想いを込めて人の手によって作られていると知り、今まで以上に商品を大切にしたいと思いました。同時に、販売する役割の重みも感じましたね。膨大な工程や細部へのこだわりといった商品の背景をもっとお客様にお伝えしなくてはと感じました。

熊澤:スタッフの一人と話をしていると「商品に問題があったとき、お客様への対応を行ってくれているのはみんなだよね。こちらの不備なのに、対応してくれてありがとう。私たちも工場で一生懸命頑張るから、日本でのお客様へのご提案をよろしくね」と声をかけてくれました。バングラデシュのみんなが、私たちやお客様へ想いを馳せてくれていることを感じ、とても嬉しかったです。

他にも「借金を返済できるようになった」「子どもに教育を受けさせられるようになった!」という声をたくさん聞きました。実際にホームビジットさせてもらったご家庭には、勉強机や本などがあり、夢に向かって勉強できるようになったと話してくれて、ソーシャルインパクトが生み出されていることを実感しました。彼らと同じように、働くことで未来を切り拓いていける人を増やしていきたいと心から思いました。

バングラデシュと日本をつなぐため、できることから始める

曽我さん、熊澤さんと工場で働く仲間

バングラデシュ渡航を経て、現地の現状そしてビジネスを通して雇用が生み出される現場を見た2人は、仕事に対する姿勢の変化や新たに挑戦したいことが芽生えたという。日本に帰って、具体的にどのように取り組んでいるのか話を聞いた。

熊澤:販売スタッフとして「どれだけ販売に繋げられるか」も大切ですが、私の接客が商品やブランド、そしてバングラデシュで働くみんなの評価につながると感じて「どうやったらお客様に心から喜んでもらえるか」という問いに真剣に向きあうようになりました。

バングラデシュを訪れた経験は尊いものになっています。出会った人たちのことを思い返すことで、いつでも自分が働く目的に立ち戻れるようになりました。「何のために」が「誰のために」へと変わったことで、自分一人ではなく、みんなで頑張っていくんだという認識が強くなりました。

曽我:今回の渡航を経て、Vlogを制作しました。私たちの仕事がバングラデシュにつながっていることを、まだ渡航したことがないメンバーにも知ってもらうきっかけをつくりたかったからです。(以下の動画が制作したVlog)

貧困という大きな問題を解決することは容易ではありませんが、まずは問題について知ることが大事だと思います。バングラデシュの現状とビジレザの取り組みを一人でも多くの方に知ってもらうために、これからも行動していきます。

例えば、店舗とバングラデシュの接点を増やしていくなど。日本にいるビジレザのメンバーやお客様に想いを馳せてくれているバングラデシュの仲間たちに、店舗で商品が販売されている様子やお客様の声などを共有することで仕事のモチベーションが上がると思いますし、将来的にはバングラデシュのメンバーと共に創りたい社会や未来について語り合える場をつくっていきたいです。

最後に

現在、日本全国に19の店舗を構えるビジネスレザーファクトリー。店舗という場所は、バングラデシュと日本のお客様をつなぐ最終地点でもある。

目の前のお客様を笑顔にすることを通して、貧困問題を解決し社会に希望を生み出していく。

ビジレザでは、現在全国の店舗で仲間を募集しています。販売や接客が大好きで、ホスピタリティを活かして社会に貢献していきたいという想いをもった仲間を待っています。

採用情報


現在、ボーダレスでは世界13カ国で51のソーシャルビジネスを展開しており、新規事業開発やマーケティング・クリエイティブなど複数ポジションで採用強化中です。

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高品質な革製品の生産でバングラデシュの貧困層に雇用を生むBLJ Banladesh、日本法人「Ethical Factory」を設立
Text: Kumi Sakata
Edit: Mikiko Mine


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