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大森一樹さん亡くなってた、、、

映画監督の大森一樹さんが先月亡くなられたことを昨日知った。

大森さんといえば平成ゴジラで有名だろうが、最重要作品は言うまでもなく『ヒポクラテスたち』である。

京都府立医科大学の学生たちの日常と成長を描いた作品だ。『サード』、『祭りの準備』、『遠雷』といった、1970年代に流行した青春こじらせ系映画の傑作である。アメリカン・ニューシネマ全盛のこの時代、日本でも似たようなものが流行っていたのである。

若き古尾谷雅人さんらがかっこよく瑞々しい。私は本作を大学生のころに観たが、大学を卒業した月に古尾谷さんは自決されている。けっこうなショックを受けたのを記憶している。

また鴨川がきれいだ。荒神橋にあるリバーバンクという喫茶店は私も学生のころはよく行っていた。いまも営業しているのだろうか。

また昔の京都の風景をフィルムに収めているのが素晴らしい。京阪が地上を走っていたのは私が小学生のころで、記憶も曖昧なのだが、本作を見れば思い出すことができる。

その次に重要なのは村上春樹原作の『風の歌を聴け』らしい。私は一度観ているはずなのだが、ほぼ印象に残っていない。

そうか村上春樹さんと大森さんは同郷なんだ。だから『風の歌を聴け』を撮ったんだな。


大森監督は私に多大なる影響を与えており、そういう人がまたひとり亡くなったというわけである。そうこうしているうちに自分の番がやってくるのだろうな。

例えばゴダールさんの映画はたくさん観たが、それらは教養とか文物として摂取したのであって、自分の外側にとどまり続ける。

ところが『ヒポクラテスたち』は初めて観たそのときから自分の内側にあって切り離すことができないものなのであった。

R.I.P.



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