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機械翻訳やポストエディットについて思うこと

特許翻訳歴17年のフリーランス特許翻訳者です。

私が翻訳者になってから17年間、翻訳業界ではさまざまなニュースが飛び交いました。特にこの数年でのホットな話題は、なんといっても「機械翻訳(Machine Translation = MT)」です。

10月にオンライン開催された日本翻訳連盟(JTF)主催の「第31回JTF翻訳祭2022」でも、ほぼすべてのセッションで「MT」の話題になりました。

翻訳会社や現役翻訳者、また、これから翻訳者になりたいと考えている人にとって「MT」は避けて通れません。私自身、業務委託契約を交わしている数社のうち、数社からは人手翻訳(最初から人が訳す)案件ですが、1社からは「MT」案件を請け負っています。

「MT」案件は、翻訳業界で「ポストエディット」とも呼ばれています。「MT」の訳文を修正して完成させる翻訳業務のことで、ポストエディットをする人のことを「ポストエディター」といいます。

この1年ほど、私は人手翻訳とポストエディットの両方をしてきました。

「MT」の流れは翻訳業界だけでなく、若い世代を育てる教育現場にも大きな影響を及ぼすだろうと、この1年を通じて感じました。

今回は、それについてお話したいと思います。

機械翻訳(MT)は増えつづける

翻訳現場で実感するのが、「MT」案件はどんどん増えているということ。私が「MT」案件を手がけてからこの1年、機械翻訳の精度は驚くほど向上しています。

昨年までAI翻訳や「MT」は字幕翻訳とは相性がよくないので、字幕翻訳では当分「MT」の影響はないだろうと思われていましたが、そうでもなさそうだよ、というニュースが飛び込んできました。

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