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これからの翻訳業界のポジティブな兆しとは?

特許翻訳歴17年のフリーランス翻訳者です。フリーランス2年目です。

フリーランスになる前は、特許事務所で翻訳をしていました。日本語の「特許明細書」という書類を英語に翻訳する仕事です。特許明細書とは、簡単にいうと発明の説明書のようなもの。技術文書と法律文書、この2つの効力をもつ書類、それが特許明細書です。

特許翻訳者には専門の技術分野があり、基本的にはその分野の翻訳をします。私は、電気・電子・機械・情報・通信分野が専門です。

近年、どの分野でも話題になるのがAIの進歩。AIの発達とともに、私が長年いる特許翻訳業界にも、機械翻訳の波が押し寄せてきました。これからも翻訳業界で働き続けようと思うなら、その波をただぼんやり見て、飲みこまれるわけにはいきません。

なにか手を打たなくては。

そう思い、新しい翻訳分野の勉強を始めました。


その翻訳分野とは「産業字幕翻訳」。世の中がウィルス騒ぎになり、この数年で急増した翻訳分野です。産業字幕翻訳はまだ黎明期にあるため、翻訳ルールもしっかりと定まっていません。それくらい新しい分野です。

今回は、産業字幕翻訳(英語→日本語)を学んだ特許翻訳者の視点から、産業字幕翻訳とは何なのか、産業字幕翻訳で必要なスキルは何なのか、についてお話したいと思います。

産業字幕翻訳ってなに?

「翻訳」なので、日本語から外国語、または、外国語から日本語というように、ある言語から別の言語への翻訳だろう、というのは想像がつきます。

でも「産業字幕翻訳」と聞いて、ピンとくる人はあまりいないでしょう。

この記事では、英語から日本語に翻訳する「産業字幕翻訳」について、特許翻訳歴17年の私が気づいたことをシェアします。

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