見出し画像

映画「tar」

tarを観に行った。
大阪なんばパークスシネマに「エブエブ」を
観に行ったときに「tar」の予告編が
流れていました。
あの下からあおるアングルの指揮シーンには
圧倒されました。
指揮した曲はマーラーの交響曲第5番。
この曲は4楽章だったかアダージェットが、
あまりに有名でヴィスコンティ監督
「ベニスに死す」で使われていました。
美と退廃にぴったりという曲のようですが、
アルマ(マーラーの奥さん)に宛てた
ラブレターとも言われています。
指揮者のリディア・ターが
「ヴィスコンティを忘れて!」という
シーンで団員がクスッと笑いが起こります。
「ベニスに死す」はトーマス・マン原作で、
美に翻弄される初老の芸術家の転落。
これが「tar」のキーワードとなり後半
深く関わってきます。
あとリディアの師匠(自称)バーンスタインが出てきますが、どういう形で出てくるか
お楽しみに〜
リディアが原点に立ち返るときの要ですかね。
監督のトッド・フィールドはお婆さんが
日本人のせいか日本語が随所に出てきます。
Bunkamura、抹茶、大阪から届くスコア・・・
個人的に「燃ゆる女の肖像」に画家役で
出ておられたノエル・メルランが
リディアの付き人役となって出られたのが
良かったです。
もちろんリディア役のケイト・ブランシェットの演技の素晴らしさは言うまでもありません。本当にこんな人いるんじゃないかと錯覚してしまいます。
この映画は音のいい映画館で観て欲しいです。マーラー第5番の第一楽章冒頭のファンファーレの大音響との対比として室内の静寂なシーンに響く隣の音・・・
もう一回見れば、またいろんな発見がある
映画でした。

映画「tar」

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?