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a noisy room diary❆*°(20)last

 『er』

 退院して3日目に友人と焼肉屋へ行くこととなる。
「退院お祝いだね。栄養をたっぷりつけなアカンからな。やっぱり肉、肉、肉よ!」と、若い頃、京都で暮らしていた姉さんに元気づけられた。「見た目はいまいちだけど、知人から頂いた美味しいリンゴもあるからな、持って行くからな食べてな〜太れな〜」とそれはそれは大変ありがたいことだ。「でも、もう太ってきてますが…」と私。
           ❁*°
 クリスマスはすでに過ぎてはいたが、私は京都の姉さんに東北地元のドリップコーヒーギフトとメイドインイギリスのクッキーをプレゼントとして準備をした。喜んでくれるかな?大好きな人へ贈物をするのはとても嬉しい気持ちになる。なんだか心がポカポカするぅ♪幸せとはこうゆうことかな。きっとこうゆうことだな。
           ✵*
            °*❆
           ✴*°
 焼肉屋へ行く当日、午前10:30。
かなり私は早く現地へ到着してしまい、焼肉屋の中へ入れてもらえず、焼肉屋の喫煙室へと特別に入れてもらう。そして退院してからの初の喫煙だ←あの精神科病棟でタバコを吸いたくて、何度、心の中で白壁へ自分の額を叩きつけたことか…。そしてついに吸うぞ、電子タバコだが…。←とりあえず体のことを思い…?
 
 私は電子タバコを思いっきり吸い込んだ。病棟では1本も吸ってはいなかった。というか病院敷地内全て禁煙となっていた。この際、このまま禁煙する予定ではあったがやはりタバコを吸う女、リリコ。
(ダメな女だよ。そこのコンビニで買ってしまいましたよ)。
           ✴*°
            °*✳ 
 
 しかし、とにかく寒すぎる喫煙室で私はブルブル震えながらタバコを吸っていた。寒い、寒すぎる。
そして寒さを紛らわせる為に私はもう1本吸った。
が…それが命とりとなったのか、私の全身の血液が全てサっーーー…と地下へと引いていった感覚に陥ったのだ。地下へと私の血液が吸われていくぞ。私がタバコを吸って、地下が私の血液を吸うんかい!?
吸血鬼地下かよ?ふざけるなっ、自分。本気で倒れそうだぞっ!貧血か?貧血か?血糖値が下がったのか?血圧が下がり過ぎたのか?
 
 もう少しで11:00だ。焼肉屋が開店するぞ!
もう少しだ頑張れ、オレ。頑張れ、オレ。倒れるな、オレ!
が…しかし、そのまま私はバタリと倒れてしまった。
…私はこのままタバコを吸ったまま死んでしまうのか?
…娘にこの年末年始会えるはずだったのに…。
ああ…意識が遠のいてゆくよ。タバコ、やはり止めておくべきだった…。
          ✴*°
         ✵*°
          ✳**°
 どれくらい時が過ぎたのだろう?パチクリと目覚めた私の視覚に、真っ白い天井がジワリジワリ…と染み込んできた。「ココハ  ドコデスカ  ? 天国デスカ? ソレトモ地獄ッスカ?」
           °*❁
 「あ、センセイ、患者さん覚醒しましたよ〜。
リリコさん、わかりますか〜?お母様も心配していらっしゃっていますよ〜」と白い天使か叫んでいた。
 「ヘッ? ココハドコデスカ?」。
 「ここは病院の救急ですよー。リリコさん、救急車でここへ運ばれたんですよ〜。タバコを久しぶりに吸って血圧下がって意識無くして倒れて、ついでに腕を骨折したんですよ〜」と白い天使の元気なナース。
 「マヂッスカ?」。「マジっすよーー」。
          ❁*°
          °*❅
          ❆*°

 リリコ、ダメダメなタイミング悪い女。
精神科南病棟からの次は、病院の救急から整形外科へと入院決定いたしました。
 皆様、良きお年をお迎えください。良き日々をお過ごしてください。とりあえず私は生きています。

追伸:erで覚醒して、担当ドクターと目と目が合い、
恋が芽生えることができたなら『ブリジットジョーンズの日記』になるのだが、それは…ない。(;_;)が…あったらラッキーだね♪


                おわり 

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