食事に潜む危険
食事による体調不良、食中毒は数多く発生しています。
9/15には京都府内の90代の女性が、病原性大腸菌O157に感染し、亡くなっています。ユッケを食べたことが原因として考えられています。
また10/3には沖縄県の飲食店において、40~50代の女性が下痢や発熱の症状を訴える事象がありました。
原因はささみや白レバーの生焼けと考えられています。
今回は、食中毒にはどのような種類があるのかを簡単に紹介していきます。
食中毒には○○性という名前がつくことが多くあります。
[細菌性食中毒]
●病原性大腸菌O-157
菌が作り出すベロ毒素というものによって、腸管出血性大腸菌感染症を引き起こします。腹痛や頭痛、発熱などの症状があらわれ、最悪の場合死に至ります。
→対策=十分な加熱。75℃で1分の加熱でよいとされています。
●腸炎ビブリオ
魚類の生食、加工品、漬物などが原因。上腹部の痛みや下痢を引き起こします。
→対策=魚介類は真水でよく洗う(食塩に繁殖しやすい)。また、10℃以下の保存が有効。酸に弱い性質がある。
●サルモネラ菌
サルモネラの付着した肉や卵、そのほか加工の段階で付着した食品を口にすることで感染します。
腹痛、発熱、下痢、嘔吐などの症状が発生します。
→対策=十分な加熱によって菌を死滅できます。
●黄色ブドウ球菌
この菌が作り出すエンテロトキシンという毒素によって、腹痛、下痢、嘔吐などが起こります。
この菌は他と違い、熱に強いという特徴があります。エンテロトキシンは一度作られると加熱では無毒化できないため、注意が必要です。毒素は、100℃20分の加熱でも無毒化できないとされています。
→対策=まずは菌を増殖させないために冷蔵保管することが重要です。また、調理時には手指の消毒を行う。特に、手指に切り傷や化膿巣(かのうそう)があるひとは注意。
<その他>
ウイルス性食中毒・・・ノロウイルス
寄生虫性食中毒・・・肉、魚のアニサキス、サナダムシなど
化学性食中毒・・・食器や調理器具から溶け出した重金属、食材に残っている農薬
自然毒中毒・・・もともと食材に含まれる、フグや毒キノコ
アレルギー様食中毒・・・マグロやさばのヒスタミン
などの食中毒があります。
近年はカンピロバクター、ノロウイルス、サルモネラ菌、ウエルシュ菌などによる食中毒が多く発生しています。
食中毒や栄養について詳しく知りたい方は、ぜひ調べてみてください。
<参考>
好きになる栄養学 第3版 (麻見直美・塚原典子著 講談社)
ヤフーニュース 生焼けのささみや白レバーが原因か 沖縄市の飲食店で2人が食中毒 5日間の営業停止
ヤフーニュース
“生食用牛肉”で「O157」に感染して90代女性死亡…
改めて知りたい「O157」の症状と治療方法、内科医に聞く
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