見出し画像

雑誌をこうやって作っています(続)。

前回、創刊準備は3カ月と書きましたが、そのうち最も時間をかけたのが紙選びでした。創刊号の企画と合わせて最初の1カ月を使い決めました。
大まかな紙面イメージをつかみたいので、イラストをワードで描き表紙を作ってみました。

質感・印刷時の鮮やかさ<コスト

本来なら雑誌のテーマがSDGsなので、FSC認証紙といったエコ用紙を使いたいのはやまやまでしたが、コスト面を最重視しました。作り手としてはいきなり凹みました。

どこで印刷するのか?

・内製(リースのカラーコピー使用)
・印刷所
・格安のコピーサービス

一番の悩みは雑誌をどこで印刷するかだと思います。
同一用紙・同一枚数すべてカラーという条件で見積りを取って比較すると、
印刷所<コピーサービス<内製
内製は用紙代はそうでもないのですが、1枚当たりのコピー代がかかり、最も価格がはりました。コピーサービスは納期が前日、前々日となると、料金がかさむことがネックでした。

結局、これまでお世話になっている印刷所に再びお願いすることになりました。これが意外に安かったのです。コスト面だけでなく、やはり発行前のサンプル(見本誌)などきめ細かいニーズに対応してもらえるという点が大きかったです。

雑誌をバラしてみよう

机上の計算の前に一つやっておかないといけないのが、市販の雑誌がどのような作りになっているのか?つかむことです。雑誌を何冊か解体してみることをお勧めします。雑誌をバラしてみると、しっかりしたつくりになっていることが分かるとともに、紙質や厚さを感じることができます。
内製も自社コピーを使い行ってみましたが、とても印刷所の仕上げに及びません。

紙選び

雑誌のつくりが決まったら、次は中味。
全頁カラーにすることが決まり、色の乗りなどを紙ごとに検証しました。コート紙とマット紙(上質紙)を比べると、
価格は意外にコート紙<マット紙なのです。
表紙と裏表紙だけ光沢のあるコート紙を使い、本誌をマット紙という選択もありましたが、すべて光沢紙にしたのは例えばカラー写真の鮮明さをみたときに変わらないように見えました。もちろん、上質紙の方が落ち着いた印象を受け高級感もありました。全頁同じ紙を使うという統一感も決め手でした。

PDF入稿のオンデマンド印刷。A4でコート紙の40頁。中綴じとなっており菊四サイズで出力後、2つ折りにし断裁加工を施しています。
200部で7万円ほどになっています。
納期は発行の前々日入稿で、ギリギリまで原稿確認に当てられ、ひとり編集部にはぴったりです。

問題・注意点

コート紙はマット紙にくらべ厚みがあるので、印刷所では最後に押し加工が必要とのことです。現状の40頁が限度で、ギリギリ膨らまないページ数だと思います。

印刷のプロには、どんどん相談に乗ってもらいましょう。その際には、やはりサンプルづくりがキモとなります。簡単な表紙・裏表紙、本誌などをつけて試し刷りをしてもらい、それをもとに話を進めることが大切です。机上のイメージではなく、具体的なイメージをもって細部を詰めていくのがいいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?