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境界が溶けるとき

テレワーク、ワーケーションが広まって欲しいと漠と思い始めて5年以上たったでしょうか。

先日訪れたSAND BOX TOTTRIでランチをして一息ついた時、このテレワークやワーケーションは、「境界を溶かす」と感じました。
予約していなかったのでワーキングスペースの見学はかないませんでしたが、いつか見てみたいと思います。

日曜日の昼下がり、カフェは適度に空いており、外のベランダでは西の言葉で楽しそうに議論をしている男性二人連れ、カウンター席で作業している男性、私の横の席では本とタブレットで資格試験の勉強をしているように見えた女性がいました。あとから他県ナンバーのカップル、おそらく地元の女性連れ二人なども。

エビとアボカドのライスボウル?だったような
鳥取の野菜は味が濃いです
砂丘周辺には手頃なカフェが少ない気がするので貴重な施設

5月の晴れの日、カフェは開口部を大きくとってあるために砂丘から心地よい風が吹き抜けます。作業していた男性がふとベランダに寝そべったりなどしている様子を横目で見ながら、私はマーケティング関係の本をパラパラと読んでいました。

その時ふと、ここではいろいろな境界が溶けている、と突然閃いたのです。仕事、ビジネスアイデア出し、勉強、おしゃべり、デート、おひとりさま旅(笑)。様々な人的活動が交差して溶けている、と感じたのです。


話が飛ぶのですが、まだ新入社員と呼ばれていた頃、年頃の娘さんがいる上司からどうやったらお父さんを疎まないようになるかなぁ、子供の頃は随分とあなたも反抗したのでは?と聞かれました。

しかし私は、父親を疎んだり、反抗したりする子どもではありませんでした。職場では積極的に発言するタイプなので意外だったのか、「え?嘘でしょ?なんで?」と聞かれて、初めてその理由を考えました。

実家は家業をしており、父母共に私のすぐそばで毎日働いていました。祖父母が働いていた姿も覚えています。
親が真摯に仕事をしている姿をそばで見て、今思えばその時から尊敬していたからだと思う、と答えました。
私の生家には、今思えばライフとワークの境界がなかった
です。


私が新入社員だった20年以上前は、会社員のお父さんの仕事はなかなかお子さんの目に触れることはなかったのではと思います。
学生にとってさえ、インターンなどもあまり整備されていなかったので「会社」「会社員」は未知の世界に感じられました。私は親が会社員ではなかったので余計そう感じたのかもしれません。
また、終身雇用が前提で、同じ会社員でも他社の空気を知る機会があまりなかったとも想像します。

テレワークやワーケーションは、この超えがたかった境界をじわじわと溶かしている、と思います。

私は子がいないのでわかりませんが、在宅勤務中の親御さんの姿を目に触れることができる環境では、例えばリモート会議の言葉遣いひとつとっても、いつもとは違う姿を見ることができたり、目に触れさせて良い資料などがあれば、親御さんがどのような商品やサービスを扱っているのか自然に知ることもできるでしょう。

「親子ワーケーション」はいつもと違う場所で楽しみながら、親の仕事も見られるとなると、親にとっても、子にとっても思い出深いかけがえのない経験になるのだろうな、と想像に難くありません。

自ら振り返ってもコワーキングスペースで他社の方の仕事ぶりを見るのはとても新鮮で、時々聞こえてくる打ち合わせの言い回しが参考になったり、「そんな商売があるんだ」と素直に驚いたりします。
もしかしたら自分もそう思われているかもしれませんが。。。

時々参加するワーケーションしながらのフィールドワークには大学生が来ていたりして、彼らも仕事をしている社会人に触れるのは興味深いのではと思います。

もっともっと境界が溶けると良いな、と感じる父の日でした。

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