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母子登校を(ほぼ)卒業するまでの経緯【後編】/おやこで通う小学校㉗

珍獣に限らず、「子ども1人ひとりの学びに寄り添う」を
建前でなく、本気で実践している特別支援学級の先生たち。
その先生たちのもとで、珍獣は
学校…というより、支援級に対する安心感を、着実に育んでいき
今月初旬の遠足は、ついにわたしの付き添いなしで、バスに乗り込んだ。

本人から、特に報告はなかったけれど
帰宅した時の表情が、遠足が充実していたことを物語っていた。

遠足でのあれこれは、後でお礼の電話をした際に、先生が教えてくれた。
これまで頑として被らなかった赤白帽を、「迷子にならないように」と説明すると、スッと被ったこと…から始まり
途中で、グループからはぐれかけて…
こんなことが…あ、あの話も!という具合に、先生は次々と言葉を継いでいった。
最後は、いつも苦手で避けていた、学年全体が集合している中に、自分から入っていったという。

わたしは途中、話をあんまり聞いていなかった。
珍獣の遠足での様子がどうでもよくなるほど、ありがたさで気持ちがいっぱいになり、涙が止まらなかった。

子どもたちが育っていく過程を、家庭と学校とで役割分担しながらサポートできるような関係が築けたら、理想的だけれど
実際には難しいだろうな…と、珍獣が入学するまで思っていた。
でも、思いがけず母子登校の日々が始まって
現場での先生たちの奮闘ぶりを目の当たりにしつつ、生身でコミュニケーションが取れたことで
だんだん信頼関係を築くことができた、と(一方的に)思っている。

先生たちとも話し合った末、珍獣は今、週2ペースで登校しており
わたしが教室まで送った後は、ほぼ付き添いなしで学校生活を送っている。
珍獣なりのペースを理解してくれる先生たちのもとで、過ごせるのだから
こちらとしては、週2と言わずせめて3は登校してくれよ(自分の時間がほしい…)と願っているのだけど
本人曰く、学校で週2がんばるために、今はおうちでの3日間が必要らしい。
「登校調整」として学校をお休みする日は、家事の一部を担い
わたしの用事や仕事にも付き合ってもらいつつ、概ね自由に過ごす日々だ。

先生方も理解というか、そんな珍獣のスタイルを、応援してくれている。
それは、学校にくること自体をゴールとするのではなく


その子にとっての成長は何か
そのために、学校が出来ることは何か

という視点に立ち、私たち親子と向き合ってくれているからだと思う。

。・。・。・。

…とか言いながら、これを書いている今日は
訳あって、久しぶりの母子登校デーだった。( ゚д゚)
久々の給食はビビンバ丼。美味しかった。

というかこんな風に、保護者の誰かがたまに、学校に気軽にやってきて
ちょっと先生のお手伝いをしたり
休み時間に、軽く子どもたちと遊んだり
みんなと給食をいただいたり

…することができたら、いいんじゃない?
学校と家庭で役割分担して、子どもたちの育ちを見守っていくには
家庭も、学校の現状を知る必要があるし
何より、お互いに直接的なコミュニケーションを取り合うことが欠かせないと思うから。

というわけで
【ゆる母(父)子登校】
おすすめです。

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