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気分の波は、“乗りこなす”ものじゃない 〜双極性障害の頭の中 50

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

先週まで続いていた軽躁状態が終わり、真ん中やや低めに戻ってまいりました。
良かったです。
双極性障害の1番の問題である“気分の波”について、今の私の考えを記します。




◾️長くは続かない軽躁状態


精神疾患のガイドライン『DSM-5』によれば、双極性II型障害の診断基準として、【軽躁エピソード】【抑うつエピソード】ともに

・少なくとも4日間
・ほぼ毎日
・1日の大半において持続する


との記載があります。
私の【軽躁エピソード】は過去の記録を振り返ってもあまり長くは続かず、だいたい2週間くらいで終わります。
さすがに1日で軽躁は終わらないので、色々“やらかし”たのち、2週間後あたりからジワジワと後悔し始めます。

私の軽躁状態は『イライラ』『攻撃的になる』ので、非常に厄介です。
1番周囲を傷付ける危険性があるので、軽躁はとても恐ろしく、もっとも避けたい“波”です。



◾️長い、長い、抑うつ状態

対して【抑うつエピソード】は1〜3ヶ月くらい続くのが常です。
もう、1年の半分以上は抑うつ状態です。3回くらいは“波”が来ます。

自分自身としては1番しんどいのは深い抑うつ状態ですが、周囲の人を傷つける危険性は少ないので、まぁ、良しとしています。
「最近、元気無いねぇ…」と心配されることはありますが、相手を攻撃するより数倍マシです。

それでも深い“谷”にいる時は、言葉に出来ないソワソワとした焦燥感と、漠然とした“消えてしまいたい”という気持ちに支配されてしまいます。


◾️“気分の波”を乗りこなそうとしていた

過去の私は、この不定期に理不尽にやってくる気分の波を『なんとか乗りこなす』ことに躍起になっていました。

毎晩のお酒が良い(悪い?)例です。
沈んだ気持ち、得体の知れない緊張感からどうにか解放されるには『お酒のチカラが必要。リラックスするにはお酒を飲むしか無い』と思い込んでいました。

しかし、『それではただの“その場しのぎ”の対症療法に過ぎない』ということに、8年かかってようやく辿り着きました。
その方法では、ただ抑うつになるたびに大量のお酒が増えていくだけです。
ダラダラと遅くまで飲み続けることになり、当然睡眠時間は削られ、睡眠の質も悪くなります。

もちろん当時もそんな事は良くないと、頭では分かっていたのですが、

『一瞬でも緊張感から解放されたい』

という強迫観念から、ずっとお酒を辞められずにいました。
そして、挙句に眠れないから睡眠導入剤を飲む。
『飲酒+睡眠導入剤』という絶対にやってはいけないことを、主治医の言葉も耳に届かず、ずっと続けてきました。

その考えに歯止めをかけてくれたのは、正式な『双極性障害』の診断と、障害者手帳の存在です。


◾️気分の波は乗りこなすものじゃない

ことの重大さに気付いてから、“気分の波”についての考えを改めました。

『気分の波は乗りこなすものじゃない。
いかに“波”が来る前に抑えられるか?が重要』

つまり、『予防』です。
来た“波”を乗りこなすのでは無く、波が来る前に備える方がはるかに大切だと8年かかって気付きました。
“波”が来てから対処するのでは遅いのです。

・とにかくしっかり睡眠をとる。
・指示通りに薬を飲む。
・睡眠の質を下げるお酒は飲まない。
・仕事の量に気をつけ、残業しない。

医者に見せたら「当たり前だろっ」と突っ込まれそうなほど当たり前なことですが、いわゆる『規則正しい生活』ってヤツが一番強い。コレしか勝たん(笑)


◾️それでも“波”はやってくる

どんなに『規則正しい生活』に気をつけていても、やっぱり“波”はやって来ます。
私の双極性障害は、まだ寛解していません。

それでも、noteに記録をつけ、生活を見直し、服薬も継続することで、

「以前よりもギュッと“波の幅”を抑え込めている」

と主治医は評価してくれています。
私もこの一年はだいぶ“波の大きさ”は小さく出来るようになった気はしています。
そして、主治医とは診察時に“今の波の状況”に加えて、“次の波の予報”について話せるようになりました。

今週の診察では、
「今は気分が上向いているので、空の光を見るのはやめましょう。それからしっかり睡眠をとるように。それほど長く軽躁は続かないと思いますけれど、そういう時こそ睡眠に気をつけて。」
と指導されました。

やっぱり、睡眠が大事よねー。





そして。
そろそろ終るかな?と予想された軽躁状態は案の定終わったようです。
昨日あたりから急激に落下し始めましたが、まぁ、予想していたことなので大丈夫。

ここからしばらくはダラダラと抑うつ状態かなぁ〜?

気分の波は乗りこなさず、上手いこと『双極性障害』と付き合っていきたいと思います。



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