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映画の予告編に憧れる

映画の上映前に予告編が流れます。数分の間にその映画のストーリー、見どころが印象的なカットを重ねて上映されます。
TV CMだけではなく最近はYouTubeにもアップされるので、誰でも自由に予告編を鑑賞することができるようになりました。
予告編を観て、面白そうだから本編を観てみようと思うことも多いです。

小説にも映画の予告編みたいなものがあれば良いなと思います。
新しい小説を紹介する方法として、あらすじや書評、書き出しの公開が一般的だと思います。
どれも悪くはないのですが、映画の予告編ほどインパクトに欠けます。あらすじや書評は、本編の肝心な部分を隠すので、内容の面白みが伝わらない気がします。
映画の予告編も本編の筋を隠していますが、ラストシーンでも効果的なカットを抜き出して予告編で流せます。それによりネタバレなしに映画を印象的に伝えることができるわけです。
小説だとそうはいきません。冒頭を読むのに時間はかかるし、印象的なシーンだけを抜き出して読んでもらうのも難しいでしょう。
わかりやすく印象的という意味では、映像でパッと見せられる映画の予告編に軍配が上がりそうです。

最近は小説の良さを素早く伝えるために、出版社もTikTokを使ったり、漫画やショート動画を制作したりと工夫しています。
小説は文字だけで登場人物の顔や風景を想像させるものですが、映像にしてしまうと読者のイメージを固定化させてしまう恐れがあり痛し痒しです。
漫画や動画制作は、本作りとは別にコストも掛かるので、すべての本で実施はできません。

どうしたら小説の面白さを印象的に伝えることができるか、これという回答はないですし、小説の内容によって異なるアプローチが必要なのかもしれません。
ひとつ作者ができると思えるのは、掌編を書いて公開することです。すでに行なっている作家さんもおられますが、本編に関連がある掌編を作成して、読んでもらうことによって、その作品の魅力を知ってもらう方法です。
ミステリー小説なら、本編に出てくるタイプのトリックを1つ披露するとか。
映画の予告編とは異なりますが、掌編を書くのが定番になってくると、掌編を集めるマニアな人が現れたりと、今までとは違うマーケットができる可能性もあるかと思います。


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