なす

主に雑記

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記事一覧

おいさんのはなし

かと言って、3年も帰ってこない奴がおるか?と私は思った。 否、おいさん相手に「おまえ」「奴」なんてことはもちろん口が裂けても親を殺されても言えないだろうが、確かに…

なす
12日前

おでかけ

おいさんと出掛けた。 おいさんは、いつも忙しい。前はよく遊んでくれたけれどとんと顔を見せなくなって数年経った。近くまで来るから寄る、とのこと。 家の外でおいさんの…

なす
2週間前

黒く塗りつぶしたあと

寝室に飾りたい絵を描いた。 前に描いた時は眠りに落ちるクマの絵だった。 今回は、朝日が刺した時に見える絵だといいなと思った。 1年と2ヶ月くらいぶりに描いた同じコン…

なす
3週間前
1

うつについてのめも

夫がうつになった時、私の手に負える話では無いなと思い受診を勧めてから半月ほど様子を見て病院へ行った。夫は元々うつ気質なところがあって、いつもの五月病の亜種、とか…

なす
4週間前
2

無題

公園のベンチでボーッと連絡を待ってたら、散歩中のおばちゃんに声をかけられた。少し世間話をして、連絡が来たか確認してる間に居なくなってて、え、そんな一瞬で居なくな…

なす
1か月前
1

切なさの行方

人生って切ないなー、どうしてだろうってずっと思ってた。苦しかった。 だけど、愛してたから全て切なかった。失ったもののことも、愛してたから切なくなってしまった。 切…

なす
1か月前
1

風の中に

私は空っぽだと言ったあと、彼女は自身に火を付け、燃えてしまった。 からっぽだからよく燃えるの、と寂しそうに笑って、そのまま消えた。 黒焦げの灰になった彼女は 湿気…

なす
1か月前
3

絵について

鉢だから違和感があるのかなと言われて、瓶の表現では無いなと思い加筆。 友人から、なすちゃんはいつも孤独な感じがする絵を描くけど、それは一旦やめて、こうなるといい…

なす
2か月前
3

安いワンルームのアパートの一室に暮らしていた。 タバコで黄ばんだ壁って、隅は白いんだよね。だからその角と比べて黄色いかどうかを確認するって退去の時に教わった。コ…

なす
2か月前
3

かんじゃ

毎朝のごとく体がだるくて重いというか、朝だけでなく昼も夜もだるい。体のパーツごとに見た時頭だけで20キロあるって聞いた。重い。頭を支えていられない。縦になってるの…

なす
3か月前
2

怪奇文書#017

17~18歳の誕生日から誕生日までの1年間の話。 17歳の誕生日の朝、目が覚めたのは朝9時ちょい過ぎ。土曜日で、枕元のケータイには沢山のバースデーメールが来ていた。寝て…

なす
3か月前
3

やや怖い話まとめ

空き部屋になっているはずの下の階から毎晩激しい物音(走り回る、激しくドアを閉める、壁を殴る?など)が聞こえるので、お化けが住んでんだろうなと思う。あの部屋はたまに…

なす
3か月前
2

彼女

画家の友人が、人物画を始めたぞ!見せてもらった! んですがね。 これはもう本当に素敵なんですけど、まあ、絵ももちろんとても上手な方ですし、いつも「いい雰囲気の絵…

なす
3か月前
2

これが37歳だからタチが悪いなと思った

厳密にはまだ36だった。 ・ 外に出すようにカスタムしたパーソナリティを自分だと思い込んでしまっていると、夜になってから思った。 これが小中学生なら、大したもんだよ…

なす
3か月前
3

おいさんのはなし

かと言って、3年も帰ってこない奴がおるか?と私は思った。
否、おいさん相手に「おまえ」「奴」なんてことはもちろん口が裂けても親を殺されても言えないだろうが、確かに思った。
1年ポテトを揚げ、1年は厨房を任されたらしい。そういう昔の映画みたいな修行をやり遂げた。本当に必要な修行だったのだろうか?もちろんそういう理屈では無いことも分かってはいるが。

そしてこの1年でお店を立ち上げ、瞬く間に流行ったそ

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おでかけ

おいさんと出掛けた。
おいさんは、いつも忙しい。前はよく遊んでくれたけれどとんと顔を見せなくなって数年経った。近くまで来るから寄る、とのこと。
家の外でおいさんの車を待つ。雨が降る夜だった。車のライトが走る狭い路地を減速しながら近寄ってくるのがおいさんの車である。
車に乗り込む。一番近い高速道路のインター目指して走り始める。
会社をドジョウに乗っ取られた、と私は言っているが、ドジョウの先見性と若さ

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黒く塗りつぶしたあと

寝室に飾りたい絵を描いた。
前に描いた時は眠りに落ちるクマの絵だった。
今回は、朝日が刺した時に見える絵だといいなと思った。
1年と2ヶ月くらいぶりに描いた同じコンセプトの絵が、眠りに落ちる時と目覚めた時という違いを生んでいた。
なんかそういうのっていいよなぁって思った。

うつについてのめも

夫がうつになった時、私の手に負える話では無いなと思い受診を勧めてから半月ほど様子を見て病院へ行った。夫は元々うつ気質なところがあって、いつもの五月病の亜種、とか甘くみていたが、一向に悪いのを自覚し、受診、投薬と円滑に進んだ。
一方で私は元々精神疾患があり、基本的にはいつも変、変で当たり前だったので気付くのが遅くなった。変になり始めてからうつ病の投薬にシフトするまで2ヶ月半かかった。家庭崩壊の危機ま

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無題

公園のベンチでボーッと連絡を待ってたら、散歩中のおばちゃんに声をかけられた。少し世間話をして、連絡が来たか確認してる間に居なくなってて、え、そんな一瞬で居なくなる?とちょっと不思議だった。また会えるといいな。

友人の命日が近い。毎年のことで、毎年鬱屈としていたので、今年も癖のように鬱屈としているが、遠くから見守られていると感じる。
誰も守ってくれないと思い続けて25年も経ってしまったが、ここ数年

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切なさの行方

人生って切ないなー、どうしてだろうってずっと思ってた。苦しかった。
だけど、愛してたから全て切なかった。失ったもののことも、愛してたから切なくなってしまった。
切なさは愛している証だった。愛している気持ちの裏側には常に切なさがあった。

アートやってる人ってたまに、ラブアンドピースに行き着くところがあるよな、ビートルズとか、草間彌生も。坂本龍一もそうだ。
私は愛に行き着いて、次は平和に行くのかな、

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風の中に

私は空っぽだと言ったあと、彼女は自身に火を付け、燃えてしまった。
からっぽだからよく燃えるの、と寂しそうに笑って、そのまま消えた。

黒焦げの灰になった彼女は
湿気を纏う風の中に消えていった。
立ち上る煙で次の日は雨が降った。
雨上がりの朝、外は一面の花畑になっていて
私は、空っぽじゃなかったんだよ、と独りごちた。

絵について

鉢だから違和感があるのかなと言われて、瓶の表現では無いなと思い加筆。

友人から、なすちゃんはいつも孤独な感じがする絵を描くけど、それは一旦やめて、こうなるといいなーみたいな明るい絵を描いたらどうかなと言われて描いてみた。

デテールの噛み砕かれない、遠くから見た絵画みたいな絵を描きたかった。上手くいったと思う。

家族に、絵が上手くなったと言われた。子どもの頃から絵をやってたのでそんな下手だった

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壁

安いワンルームのアパートの一室に暮らしていた。
タバコで黄ばんだ壁って、隅は白いんだよね。だからその角と比べて黄色いかどうかを確認するって退去の時に教わった。コーヒーをカーペットの床にこぼした。掃除機で吸うと良いと教わったけど、うちには掃除機なんてなかった。これはフローリングにした方がいいって言われた、それは費用は要らないって言って。

あの頃は本当に酷かった。悪い大人に追い込まれたけれど、たくさ

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かんじゃ

毎朝のごとく体がだるくて重いというか、朝だけでなく昼も夜もだるい。体のパーツごとに見た時頭だけで20キロあるって聞いた。重い。頭を支えていられない。縦になってるのが難しい。
元気が出なくて、カフェに行ってマスターとお話してやっとやる気になるのが昼過ぎ。洗濯機回すのも掃除機もそれ以降。スイッチ入れても干せない日も多い。
うつ病の家族に、うつでは?と言われる。うつになり始めた頃、仕事へは行けるけど何と

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怪奇文書#017

17~18歳の誕生日から誕生日までの1年間の話。

17歳の誕生日の朝、目が覚めたのは朝9時ちょい過ぎ。土曜日で、枕元のケータイには沢山のバースデーメールが来ていた。寝ている間にメールが沢山来ることを見越していたのでサイレントモードにして寝ていたのだ。23通のメールを一つ一つ確認し、返事を書いて送る。その中に、奇妙なメッセージがあった。登録のないメールアドレス。「17歳の誕生日おめでとう。あなたに

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やや怖い話まとめ

空き部屋になっているはずの下の階から毎晩激しい物音(走り回る、激しくドアを閉める、壁を殴る?など)が聞こえるので、お化けが住んでんだろうなと思う。あの部屋はたまに人が住むけど比較的早くに出ていってしまう。

私の家も以前はたまに生霊が訪ねてきたりしていた(中までは入れないようだった)し、夜な夜な廊下の軋む音などしてたけど、神社に挟まれてるので神様の通り道なんだろうと、特に嫌な感じでは無いので気にし

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彼女

画家の友人が、人物画を始めたぞ!見せてもらった!

んですがね。

これはもう本当に素敵なんですけど、まあ、絵ももちろんとても上手な方ですし、いつも「いい雰囲気の絵」で、見てる人を和ませる優しいふわふわの絵を描く方なんですけど

これはもうね、ラブレターを書きたいほどに。

初めての人物画、いわゆる美人画なんだけども本当になんかこれから先、彼の絵の女性に恋をしてしまうかもな、と思ったんだけどもう落

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これが37歳だからタチが悪いなと思った

厳密にはまだ36だった。



外に出すようにカスタムしたパーソナリティを自分だと思い込んでしまっていると、夜になってから思った。
これが小中学生なら、大したもんだよと思う反面で嫌なガキだなーと思うんだけれども、ざんねんながらもう中年。そろそろ初老。惑惑に惑のまま不惑になるんだろうか?私ってどこへ行けるんだろうと思う。どこへも行かれないのでは。

まだまだ可用性たくさん。
まだまだ小童であると信

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