見出し画像

スマブラステージ【AD.1965.クレーン鉄球】

 クレーン鉄球による、ビル解体工事現場のスマブラステージです。

8人乱闘に対応!
鉄球がスイング!
鉄骨を吹き飛ばす!

 鉄球がスイングして、鉄骨を吹き飛ばすギミックを搭載。8人乱闘にも対応し、鉄球が大人数を吹き飛ばす乱戦を楽しめます。


・近代の建築

 18世紀の産業革命によって、建物の材料が、工場で量産できるようになり、建築は大きく変わりました。


  • 鋼鉄の大量生産で実現した、鉄骨の骨組み

  • 強度が高く、自由に形が作れる、ポルトランドセメント(コンクリート)の発明

  • コンクリートに鉄の芯を入れることで、強度と耐久性を高めた、鉄筋コンクリートの発明

  • 窓に用いるガラスの大量生産の実現

  • 蒸気力を使った、ショベルカー、クレーン車など、大型の建設機械の開発



 これらの建材と機械を使い、1920年頃から、過去からの建築様式を踏襲せず、機能性を優先し、不要な装飾を廃した近代建築が隆盛します。

 第一次世界大戦後、1913~1934年のドイツで、住宅不足を解消するために、鉄筋コンクリート製で、価格を抑えたシンプルな作りの集合住宅(ジードルング)が多数建設され、現在の集合住宅(日本でいうマンション)の原型となりました。

・世界人口の増大と近代建築

 人類が農業を始めて以降、農業の技術は改良を重ねて、時代が下るごとに収穫物は増え、それと連動して世界の人口は増加していきました。

出典:https://tokyo.unfpa.org/ja/publications

 20世紀後半、ハーバー・ボッシュ法が発明され、空気中の窒素から肥料が作れるようになって食料が増産し、加えて医療技術や公衆衛生が発展し、世界人口は爆発的に増加します。

 鉄筋コンクリート製の近代建築は、大型の集合住宅や高層ビルの量産を可能となり、人口爆発の時代に欠かせないものとなりました。


 日本では、第二次世界大戦中の物資の不足、空襲による街の破壊に加えて、戦後の外地民の引き上げ等で、1940~1950年代に深刻な住宅不足が起きていました。
 鉄筋コンクリート製の近代建築は、余計な装飾を省いて、少ない費用で素早く作れることから、戦後日本でコンクリートの四角い建物が次々と建設されることになります。

・戦後日本の解体工事

 1950年代の日本では、経済の復興とともに、都市は再開発され、不要な建物の解体工事も活発化しました。

 1940年代では、鉄骨、鉄筋コンクリート製の頑丈な建物であっても、ノミやハンマーを使った人力で解体していましたが、壊す時間を短縮するために、占領軍を経由して、ハンドブレーカーなどの手持ち式機械、ブルドーザーなどの大型建設車両などが導入されていきます。

 解体工事の効率化は進み、1960年代には、ダイナマイトを使った爆破解体や、クレーンに取り付けた鉄球(モンケン、スチールボールなどと呼ばれる)を振り子のように振動させて建物にぶつけて破壊する方法がとられます。クレーン鉄球による解体は、少ない予算で速やかな解体工事が可能でした。

 しかし、ダイナマイトやクレーン鉄球による派手な解体は、騒音・振動が大きく、多量の粉塵をまき散らし、安全面の問題もあって、1960~1970年代に成立した騒音規制法、振動規制法、労働安全衛生法などで規制されることになります。さらに、2002年の建設リサイクル法で、建設廃棄物の分別が義務付けられ、クレーン鉄球のような大雑把な解体工事は禁止されることとなりました。

 現在では破砕機(クラッシャー)を取り付けたショベルカーによる解体が主流となっています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?