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【ドイツ人の労働の質の高さの理由は?】

ドイツの視察先で得た情報に基づき、ドイツの働き方についての重要なポイントを整理してみました。(2023年11月現在)

①休暇と生産性の関係


ドイツの労働者は毎年約150日もの休暇を取るが、これにもかかわらず、一人当たりの労働生産性は日本よりも大幅に高い。

それを可能としているのが、「労働時間貯蓄口座制度」で、ドイツでは約60%の労働者が労働時間貯蓄口座を利用し、残業時間を銀行口座のように貯めて、有給休暇などに振り替えることができる。

この制度を通じて、好きな時間に出勤したり、早退ができるとのことで、労働者自身の柔軟で主体的な働き方が促進され、超過労働時間が抑制されている。


②残業代の支払いと罰則


​ドイツでは残業代が毎月支払われずに、年に一度まとめて支払われる。

さらに、組織的に1日10時間を超える働き方には、事業所監督局から最高1万5千ユーロ(240万円)の罰金が科せられる。そして支払いは、何と会社ではなく管理職個人が負担するのだという。このため、ドイツの管理職は部下の時間外労働については、常に意識を振り向けている。



③管理職と労働組合の影響


​前述したように、管理職は部下の過労に責任を負い、罰金を支払う仕組みがあり、部下の年休消化率が低いと労働組合からもさらに問題視される。
ドイツでは長時間働くことが逆に無能と評価され、これが日本との文化的な違いとして浮き彫りになった。


さらに、ドイツの労働組合組織率は20%前後であり、日本との差はあまりないが、労働組合の権限は非常に強い。

具体的には、企業における監査役会に労働組合の代表を参加させることが法律で定められており、労組が企業統治に大きな影響力を持っている。


以上がドイツの文化や個人主義の歴史が反映されたドイツ流の働き方である。


今回の現地視察でこれらの洞察を踏まえ、日本における働き方改革において、今後どうして行くべきなのか、管理職研修の専門家としていろいろと考えさせられました。

総じて、管理職が部下やメンバーの労働生産性を高めながら、そのウェルビーイングをどのように高めてゆくのか? 
労働者自身が自らの働き方を主体的にデザインするためには、どのような方策が有益なのか?等を、さらに深く検討していく余地がありるように思いました。


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