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会議に臨むマインドセット

私は、若い頃から会議に出席する際は必ず発言をする、自分の意見・視点を述べる事が当たり前の世界で生きてきた。
それをしなければ存在意義など無いというのが常識の世界だ。

どのような心構え、マインドセットで臨むべきなのか。

最終的な目的は、会議に貢献する事。プロジェクトに価値を付加する事だが、キャリア構築という視点では、自分の置かれた立場によって、適切なタイミングや発言の仕方、狙いによって様々な効果が見込めることがある。

実体験を通じて学んできた経験値を少しでも共有できたらと思います。

リモート会議も増え、変わってはきたが、基本的な概念は変わらないと信じているので、ここでは単に会議として記していきます。

周りの状況や参加者の関係値、会社のカルチャー等いろいろな条件に左右されることですが、少なくとも自分がマインドセットの真ん中に置いてきた事なので、n=1の成功体験を元にした参考として読んでみてください。

自分の立場が新人〜若手になったばかりの頃

この頃は会議に呼ばれる理由は、先輩の補佐、雑用、荷物持ち。
要はあなたは会議の発言における貢献は期待されていない事がほとんどです。
あなたに課せられた仕事は、会議の内容を理解すること。会議の後に何かの動きがあった際に、動き出しに向けて準備すること。もしくは場合によっては議事録のためのメモをとること。くらいでしょうか。
他にもあるかもしれませんが、おそらく会議の進行や議論に入り込む事は求められていません。

この状況では、キャリア構築視点でいうと、自分の存在意義を高める事に集中するべきです。「何も求められていない。」は「何もしてはならない。」では無いのです。また、「何も求められていない。」からこそ、失うものは何も無いと考えるべきです。

狙うのは、「みんなを振り向かせる一言。」につきます。
議題は何でも良い。会議内で盛り上がっている争点に対して若手なりの意見を言う。誰かの意見に賛同しながらも、自分なりの強化ポイントを述べる。
議題を提案するのではなく、自分でアイデアを出すのでもなく、会議中のどこかの一点で、「お?鋭いな。」と思わせる事ができれば成功です。

会議のたびに、毎回これを狙いに行きます。これまでのプロジェクトの流れを叩き込み、会議の議題を理解し、目的や論点を把握した上で、会議の流れを読み、渾身の一撃を叩き込みます。多少ずれても問題ありません。なぜならそもそもあなたは「何も求められていない。」のだから。

あなたの存在意義は確実に積み上がり、回を重ねるごとに増していきます。数年後には若手の有望株と見られるようになるでしょう。

一撃を叩き込んだ後に油断して集中を解くと、思わぬ展開でネガティブに働く事もあるのである程度集中力を保つ必要があります。
話の展開によってさらに意見を求められたり、話を振られたり。

会議の後半、議論が盛り上がって収束に向かうあたりが狙い目です。

「みんなを振り向かせる一言。」をマスターし、キャリア構築を進め、次の段階へとステップアップしていきましょう。

自分がプロジェクトを任されるようになった場合

チームを持っているわけでもないが、若手のリーダーとしてプロジェクトを任されている場合は、基本的には第一声を狙いに行きます。
会議の開始を宣言する役目とも言えます。
手法は至ってシンプルです。
冒頭に会議の目的と議題、進行の流れ、期待される成果物を宣言して参加者の注意を会議に向けるのです。

「プロジェクトを任されている。」あなたは、ステークホルダーに適切な情報を入れ、意見を吸い上げる役目もあるし、全ての情報を整理し、決裁者に適切な情報と全体像を見せ、適切な判断をしてもらう必要があります。
それら全てを適切にこなしながら、会議という戦場で狙うべきはやはり「プロジェクトを任されている。」という印象をしっかりと植え付けることです。

第一声をしっかりと毎回獲れるようになってきたら、次は会議の質を上げることも視野に入れるべきです。
以前紹介した、「雑談力」を身につけ、会議の空気作り、スムーズな入り、完璧なセットアップを持って会議をコントロールします。
プロジェクトメンバーやステークホルダーに対する印象を狙いに行きます。

会議を完璧にコントロールする事で、「プロジェクトを任されている。」あなたの評価は確固たるものになり、キャリア構築に非常に有利に働きます。

自分がチームを持つようになった場合

チームを持つようになった場合は、チームの状況に応じてチームを盛り立てる必要があります。
会議では、チームメンバーのサポートに徹し、補足が必要であれば補足し、最後の締めを担うべき時はしっかりと締める。
狙うべきは、チームの勝利です。

ある意味、今までの自分を押し殺して反対の役回りを担い、自分のチームのメンバーに主役の座を譲ります。
ここでも狙いがあります。狙うべきは「全てを掌握している。」感の醸成です。チームの評価はあなたの評価に直結します。
ただ「チームが凄い」ではなく「あなたが率いるチームが凄い」のである、という印象を作らなければなりません。
これにはチームメンバーとの密なコミュニケーションや意思の疎通、信頼関係が必須条件です。チームメンバーの良さを引き出し、彼らをスポットライトの下へ送り込み、輝かせる事で、彼らから自然に「あなたのチームで輝いている」という印象を植え付けるのです。

スタイルは千差万別、自分次第ですが、共通項として、やってはならない事があります。

自分が手柄を奪う事と、梯子を外す事です。

ものごとが上手く回っている時、チームメンバーの手柄を全て奪い、あたかも自分が全て進めてきたような振る舞いをする人が世の中にはいます。
チームからの信頼はそこで終了です。
チームからの信頼がなくなった時、そのチームの伸びは止まり一気に下降線が始まります。

全てのプロジェクトが上手くいくわけでもありません。
ピンチの時に自分だけが助かる道を選ぶ人は、キャリアが終了します。
周りもバカではありません。あなたは「チームを裏切る人」だという認識をされ誰からも相手されなくなるでしょう。

自分が最終決裁者になった場合

最終決済者になった場合にするべき事は、決める事です。
適切な議論を経て、全ての意見を聞いた上で、方向性を示す事。
優先されるべきは、プロジェクトにとって最適な選択かどうか、組織にとって最適かどうか、のみです。

自分の意思によって、最適と思える判断を下すのみです。
そして、間違った時に責任を取ります。
最終決裁者は責任と共にあるのです。
その覚悟を持った人のみが、ここから先のキャリアを進んでいくのです。

会議は単体で見るとプロジェクトを進めるためのプロセスですが、個人のキャリアを構築する上ではアプローチ次第で有効な武器になり得ます。
それを理解した上で、各フェーズでの適切な「狙い」を持って会議に臨み、キャリア構築を進めていきましょう。


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