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あのたび -安い映画とルソン北部-

 フィリピン・ルソン島北部は見どころがあるらしい。バギオ(BAGUIO)を出て朝10時のエアコンバス198₱でビガン(VIGAN)へ。

 ビガンは16世紀のスペイン様式の建物がそのまま残されており、町並みがそのまま世界遺産になっている。ぐるぐると歩き回って宿を探すのだが、指定地区だからか観光価格なのか安い所が見当たらず、結局Grandpa's Inn400₱(≒880円)。これまでフィリピン旅では最安100₱、平均200~250₱で泊まっていたことを考えると、長くは居られない。

 夜、平たいステーキ肉と魚と米40₱。朝用にパン4個8₱。日が落ちたあとの町はシンと静かで明かりも少なく人もいない。少し寂しい観光町であった。

 翌朝早く散歩する。風情ある町並みではあるが9ヶ月前に立ち寄った、中国の麗江(れいこう・リージャン)の方が格上かな。博物館内にあったミニチュア世界建築物はなかなかよかった。

 50₱のローカルバスでラワグ(Laoag)に向かう。エッグパイ12₱+コーラ10₱。こちらも似たようなスペイン風建築の残る町。しかしヨーロッパ風の町並みはボクの心には響かない。ロンプラに載っていた宿Der Norteは満室。フィリピン各町では、よく満室で空いてないと言われる。特段旅行者が多いという風にも見えないのだろうがなぜだろうか。地元民の休みや旅行の季節とかぶったからだろうか。
 Starlightは330₱、Texicanoは170₱だったのでこちらに決定。この頃のボクは宿に癒やしや快適さは求めていない。ただ安くて眠れればそれでよかった。

 夜は卵とひき肉が入った揚げ物25₱+カレーごはん55₱。スーパーを探すが無し。晩酌にビールに焼き鳥という気分だったがそれも見つけられずスプライトに皮とレバー。10+15₱。レバーがおおぶりで旨かった。

 翌日晴れたのでもう一泊して洗濯する。水屋さんで1.5リットル8₱で補充。パン5個7₱。桃味とバナナ味のがいいね。

 12時5分から上映の『ターミネーター3』を見る。外国で映画を見るのは初めてだ。2階席40₱(≒88円)と安い。アクション映画なら英語がわからなくても見られるだろうとの選択であった。ターミネーターは1と2を日本で見てめちゃ好きだったのだが、3はイマイチだった。それは、映画館の画質と音質が悪かったのもあるかもしれない。庶民の娯楽として映画は人気みたいで若者が大勢集まっていた。安いし、ね。

 映画を見たらジャンクなものが食べたくなりGreenwich(グリニッチ)というピザ屋さんに行く。solo×2種72₱+オレンジスカッシュ14₱。ローカルフードよりちと高いがチーズがとろけてバカウマ。

 翌朝ペプシ+パン4個21₱でお腹満たし、GMWという会社のエアコンバス245.5₱でトゥゲガラオ(Tuguegarao)へ移動。6時間の山道で乗り物酔いにはきつい。バスが停まった近くのHotel Carmerita230₱に泊まったが、中心街から1キロ以上あり町外れで遠かった。

 散歩中の路上で見かけたうずらの卵のふんわり揚げが6個12₱でかなり美味い。大きい卵は1個5₱だとか。マンゴージュース5₱薄い。夜魚+肉ごはん40₱。

 翌朝もパン5個14₱にうずら卵揚げ3こ6₱。この日はカラオ洞窟(Callao Cave)を観光しにいくことにした。北側のドンドミンゴ通りからぎゅうぎゅうのジプニーに乗り14₱、途中川を渡り3₱、最後に船6₱で到着。入場料20₱。パンフレットをもらう。

 おおきく広くすずしくいくつかの大きい部屋が連なった洞窟。近くにご飯屋があり、昼えび+卵+ごはん25₱+コーラ12₱。正直言ってあえていくほどの洞窟でもない。ベトナムのハロン湾やインドネシアのグリーンキャニオンのほうが美しい。

 旅が長くなるとよくないのは、今ココにあるものを過去に見たものと比べてしまうことだ。どうしても旅の最初の方が気持ちが新鮮でよく映る。心に残る。だからあとから見たものはどれもしょぼく感じてしまうのだ。そして観光なんてしなくていいや、どうせ写真と同じものがあるだけでしょ、となってしまう。飽きてきてしまっているのかもしれない。そしてだいたい食べ物にしか興味がなくなる。

 他の旅人はどうやってモチベーションを保っているのだろうか。
 洞窟の帰りにまたお腹をくだす。なんとか宿のトイレまでは間に合った。うずら卵のたべすぎだったかもしれない。

フィリピンルート

(つづく)
 


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