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あのたび -シンガポールの日本文化-

 Hawaii Hostelはシンガポールで最安だけのことはあった。2段ベッドのドミトリーで10S$(≒660円:当時1S$≒66円)。蚊か南京虫なのか、刺されてかゆくて眠ることができないほどである。相部屋なので仕方がないのだがオーストラリアンは夜中の1時までしゃべっててうるさいし。ただ立地が良いのだけは便利だった。

 睡眠不足でだらだらと遅く起きる。ミーゴレン+野菜3.5S$。お店は旧正月絡みで休みが多いようだ。それでも日本の吉野家が営業していた。ずーーっとアジアを旅していてやはり日本食は恋しくなる。昼は牛丼並盛味噌汁付きで6S$(≒400円)。クオリティはかなり高くほぼ日本の味と一緒。令和の現在では安く感じるが、当時の日本では並盛が280円だったことを考えるとやはり高い!日本が安すぎるのだ

 歩いて行ける範囲を散歩してシティモール1Fのカルフールというスーパーへ行く。こちらでは有名なデカくて安いチェーン店のようだ。冷えてないけど缶ジュースは1缶60¢とか50円以下である。朝食用に食パン1.15S$、フランスパン1.1S$、ジャム1.9S$、みかん5個2S$甘くて美味しい。まだしばらくシンガポールに滞在するつもりなので、両替100$=169S$。

 ただ日中は散歩するには暑くて路上でコーラ1S$。港近くで大道芸ぽいアトラクションしていた。鯉ガーデン、盆栽ガーデンという日本庭園を見学しマーライオンを見て宿に戻る。

 翌日、やはり昨夜もダニ攻撃をくらい背中がかゆい。朝から雨なので昨日買ったパンを食べて部屋で過ごす。同部屋の77歳のシンガポール人じいさんは片言の日本語を話すことができて面白い。昼もずっと雨なのでパンにジャム。

 夕方からでかいデパートへ行ききれいなトイレで大。こんなにきれいなトイレは日本以来でスッキリ。デパートにタワレコがある。SPEEDを視聴する。懐かしいし気分があがる。解散したはずだが再結成するのか? 当時まだAKBが結成される前だったので、女の子アイドルといったらSPEEDだったのだ。女子にも男子にも大人気だった。

 日本人旅行者が多くよく会う。シンガポールINバンコクOUTというチケットで来たとかいう女の子2人組。これからマレー鉄道で北上するとか。楽しそうなルートだね。旅慣れたような男子旅行者の情報によると、中国は昨年秋から観光目的なら15日までビザフリー、ベトナムは正月から15日フリーになったとか? 本当だろうか?

 夜インド人街あたりでマトンカレー2.5S$+コーラ90¢。

 翌日も雨。朝はまたパン。賑やかだというオーチャード・ロードへ行くが超高級ハイブランドストリートでバックパッカーお断りの銀座のような所だった。高島屋の中にある紀伊國屋書店はめちゃくちゃデカイ。ジャンプ、マガジン、サンデー、ビッグコミックオリジナル、なんでもあるじゃないかここは日本か。ジョジョの新章が始まっていた!

 歩いて帰るがチャイナタウンが見つけられなかった。

 シンガポールまで来て何をしているのだ?と思う。
 地球の歩き方東南アジア編にあるすべての国に入国し次の目的を見失ってしまったのだ。旅は疲れた。もう異文化のなにかに驚くという新鮮な感動はほぼない。一度行った国に戻るのはつまらない。だけど帰国もしたくない。などと考えながら安宿のかゆいベッドでだらだらと過ごしていた。

シンガポールルート

(つづく)


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