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【NYY】Rule 5 プロテクト展望【2023年オフ】

「継続性」という単語からかけ離れている性分の自分にとって、唯一毎年投稿できているのがRule5プロテクトに関する記事。今年も雑多ではあるものの、展望をまとめたいと思います。昨年同様に、現地11月14日のロスターセット後の振り返りも追記していければと思います。例によって例の如く、マイナーフェーズには触れません。(Oliver Dunnが来季あたりにMLBデビューしそうやけど)

★今年Rule5対象の選手のおおざっぱな目安
・2019年ドラフトで契約した高卒選手
・2020年ドラフトで契約した大卒選手
・2019年国際FAで契約した選手
・上記以前に契約し,40人ロスター外の選手


①40人ロスターの整理

前回同様にまずは何人分の枠が空くのかを予想。これについては11/7に大量のDFA選手が発生したためにかなり精度の高いものになりそう。

★投手(21名)
Albert Abreu
Jhony Brito
Gerrit Cole
Nestor Cortes
Scott Effross
Luis Gil
Yoendrys Gómez
Ian Hamilton
Clay Holmes
Tommy Kahnle
Michael King
Matt Krook
Jonathan Loáisiga
Ron Marinaccio
Anthony Misiewicz
Nick Ramirez
Carlos Rodón
Clarke Schmidt
Lou Trivino
Randy Vásquez
Greg Weissert
Jimmy Cordero(→11/7DFA)
Matt Bowman(→11/7DFA)
Domingo Germán(→11/7DFA)
Ryan Weber(→11/7DFA)

★捕手(5名)

Kyle Higashioka
Carlos Narvaez(→11/7登録)
Ben Rortvedt
Jose Trevino
Austin Wells

★内野手(5名)
DJ LeMahieu
Oswald Peraza
Anthony Rizzo
Gleyber Torres
Anthony Volpe

★外野手(7名)
Jake Bauer
Oswaldo Cabrera
Jasson Domínguez
Estevan Florial
Aaron Judge
Everson Pereira
Giancarlo Stanton
Billy McKinney(→11/7DFA)
Franchy Cordero(→11/7DFA)


総計38名

まず、60ILなどの兼ね合いもあって、早期にロスター管理を要したことから、WeberやMcKinneyだけでなく、序盤にブルペンを支えたJimmy Corderoや完全試合男のDomingo Germánといった私生活でトラブルが生じた選手も早々にカット。合計で7名がDFAとなったわけですが、それを加味してもロスター枠は非常にシビア。Rule5プロテクトがマストなプロスペクトの人数や、Scott EffrossやLuis Gilらの戦線復帰を勘案するに、MisiewiczやAbreuといった中継ぎ投手のDFAはまだまだ有り得るかと思っています。外野手を見ても、アウトライト後に光る物を見せた大器Florialをロスターに残すのであれば対右プラトーンのBauersはDFAの可能性も。とするならば、今回のDFAで空いた2枠に加えて、+3枠程度を見積もることができます。

例年であればロスターセット直前にプロスペクトの40人枠登録を行っていましたが、少し驚きの発表もありましたよね。そうです、私が熱望していたCarlos Narvaezの40人ロスター入りです!!傘下屈指の捕手守備能力に加え、辛抱強いアプローチ、近年ではGame Powerも披露するなど3Aで躍動。この秋にチームがどのような判断を下すかが不安でありましたが、しっかりと確保したのは好印象です!

ただ、2年前にマイナーFAを迎える予定であった強打の捕手Donny Sandsを早々にロスターセットしつつ、Nick Nelsonと抱き合わせてトレード放出した動きもあったりしたので、ちょっと重なるところがあります。もしかするとNarvaez獲得を希望する球団が存在しているのかもしれません。ここはHigashioka放出の噂も絡んできそうですね。

②FA・トレードでの補強人数

ざっと今オフにNYYが講じるであろう補強を予想。

①先発1-2人(ローテ上位級1人?)
②中堅手1人(J-DOMが前半出場不可)

残念ながらRodonやMontas、Cortesまでもが空気と化した先発陣にはテコ入れが必要との声多数。SeverinoもFAとなることで現状Cole以外に計算できる先発投手がいないのが実情です。Michael Kingの先発転向はないと仮定して

1 .Gerrit Cole
2 .Carlos Rodon
3 .FA選手?
4 .Nestor Cortes
5 .Clarke Schmidt
6 .FA・トレード選手?
7 .Randy Vasquez
8 .Yoendrys Gomez

くらいの構想でしょうか。いうてもペイロールの劣勢は相変わらずですので、3番手級なんて取れるんですか?という質問はNG。

そして中堅手は我らの希望ことJasson DominguezがTJのために前半戦出場不可。FlorialやPereiraを枚数に計算しないのであれば、ここも補強必須でしょうか。Juan Sotoの獲得案はそもそもここのニーズを満たすことができませんし、Bellinger獲得はいくら必要なのよ…といった感じ。

Wandy PeraltaやKeenan Midletonといった中継ぎ投手がFAとなるものの、今の手数であればさほど補強は不要と考えます。

てなわけで、Rule5プロテクトにてロスター入りするプロスペクトは2-3名と予想します。

③プロテクト展望

今季オフ、本来であればイリジブルであったJasson DominguezやAustin Wellsが9月にMLBデビューを果たしたことでロスター入り。残る主要選手は限られており、正直かなり予想が立てやすいです。

1人目は投手のClayton Beeter。2020年に補償ラウンドでドジャースに指名された先発右腕であり、昨年夏にJoey Galloの1対1トレードでNYYへ加入。LAD時代に苦しんだ制球難を克服すると、一挙にプロスペクトとしての価値を上げました。今季は2Aで開幕を迎えるとBB%は高止まりを見せたものの打者を圧倒。7月には3A昇格を果たしました。

その後は平均球速の低下等もあって成績が低迷したものの、9月15日には5.0回13奪三振の好成績を披露するなど健在。個人的にはプラスピッチのスライダーとMAX98mphのヒーターのツーピッチに落ち着いた今、中継ぎ転向が既定路線なのかなと思ったり。先発起用を受けつつも、ブルペンでの起用を試していく形になるのかなと思います。

2人目は捕手のAgustin Ramirez。すでに22歳ながら、昨季まではRookie級しか経験していませんでしたが恵まれたボディフレームが完成した今季ようやくLow-Aにてデビュー。56試合で7HR 43BB/41Kの安定したアプローチを披露すると、High-A昇格後に21試合で9HR .384/.430/1.144といった驚愕のスラッシュラインを記録。シーズン終了までに2A昇格も果たす充実の1年を過ごしました。

Ramirezを形容するならば"Gary Sanchez 2世"が相応しいでしょうか。MAX114mphの打球初速によって豪打を連発しており、捕手というポジション抜きにしてもスペシャルな打撃センスを有しています。
ただ、Sanchezから引き継いだのは打撃だけでないのがネック。守備走塁を見るに今後捕手に残れるかは疑問符が付きまとうでしょうし、来季2Aで様々なことを証明する必要がありそう。

上記2名のようにロスター入り確定までとは行かないものの、次点でセレクトするならば貴重な左腕プロスペクトであるEdgar Barclayでしょうか。怪我で出遅れたものの、ロングリリーフにて2Aを34.0回 ERA1.32で卒業。3Aで先発復帰したのちは長所である制球含め納得のいく数字は残せませんでしたが、個人的には中継ぎの素質を見いだせただけでも御の字かと。ただ年齢的にも若くなく、同じ役割を担えるMatt Krookがロスターにいる以上は障壁も多いでしょうか。アームスロット的にもNestor Cortesのような変貌に賭けるのもあり?

また、昨季ロスター入りがなかったもののAndres Chaparroは未だに大穴的存在。助手クラスと銘打ったSTにて5本塁打を記録する鮮烈な走り出しもつかの間、3A開幕7試合無安打の大ブレーキ。その後はなんとか復調し7月までに19本塁打を記録するなど、一時はMLBデビューの予感すら匂わせましたよね。しかし8-9月は低調に終わり、今回のプロテクトも見送られることが濃厚でしょうか。既に守備機会の半分を3Bではなく1Bで過ごしていることも価値を減少させる一因に。

その他、3Aから2Aへの降格を食らったElijah Dunhamや、イリジブルとなるこの年に全休したCarson Coleman、階級的にプロテクト不要なJared Serna等々、いろいろ触れたいですがこの辺にしておきます。Coleman強奪されたら泣くかもしれんが。

④総括

Yankeesとして幸いだったのが、今季ブレイクした大卒投手らが軒並み来年以降のRule5対象であること。Will Warrenですらもう一年見極める時間があると思えば、今オフはロスター管理に迫られない冬といえるでしょう。
ロスター入りするであろうBeeterやRamirezが戦況を変えることはないでしょうが、NYYの二大ピッチングプロスペクトであるDrew ThorpeとChase HamptonのMLBデビューも見られるかもしれません。皮肉にも昨季同時期にはBeeterとWarrenがおなじくらいHypeされていた印象。ただスケールは明らかに今年の2人が上を行っているので、また来年の今頃が楽しみですね。

打者でいえばRamirezが影に隠れるほどBen Riceがインパクトを残した年に。各階級に守備難の捕手が多くいるのがデプス的にバランス悪い気がしますが、Narvaezが上手いこと立ち回ってほしいですよね。Wellsに望みを懸けたフロントによって、この3人が揃ってアセットになる可能性は全然ありますけど。

私としては来年もLow-A中心に楽しみが多いので、NYYは補強せずにALE下位をひた走っていても全然OKです。

⑤Rule5プロテクトの結果(11/14追記)

今朝の40人ロスター名簿提出に伴い、NYYが行った判断はClayton Beeter(RHP)及びAgustin Ramirez(C)のプロテクトという予想どおりの動きに留まりました。今のところはロスターセットに合せたトレード等も聞こえてきませんし、とりあえずは今回3名の新顔が加わったこととなります。

先週も書いたように、本来であればこの期限に取捨選択を迫られてもおかしくないCarlos NarvaezについてはマイナーリーグFAでの流失を防ぐために早くもロスター入り。既に3Aに到達し、最低限ブルペンで価値を見いだせるClayton Beeterも当然のことながらプロテクト。そして一気に躍進を果たし、来季後半には3Aを目論むAgustin Ramirezのロスター入りも妥当of妥当。よって今回のロスターセットにおける上層部の判断は満点かと。いうても当たり前の動きを選んだに過ぎず、2021年オフのMarinaccio&Searsダブル確保ほどの興奮もありません。

12月に行われるRule 5ドラフトにて誰が流失するかが次の争点ですが、それこそEdgar BarclayやMitch SpenceあたりはMLBフェーズでの指名があるかもしれませんね。

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