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自分が自分でなくなるのが怖かった

新卒のときにお世話になった事務のお姉さんと4年ぶりに会った。
連絡はずっと取り合っていたが、コロナもあり、なかなか会う機会に恵まれず、気づけば4年も経っていた。
久々なのでドキドキ緊張したが、11時半のランチから18時半まで3つ店を変えながら、ずっと喋り倒していた。
その方は今もその会社に在籍して働いている。
今の会社がどんな感じか面白おかしく話してくれて、ふたりで大笑い。
久々にあんなに声を出した笑った。
お前らどんだけ喋んねんってぐらい次から次へと本音が出る。

お姉さんは私より約20歳ぐらい年上の人生のベテラン。
在職中は部署が違うのであまり交流する機会がなかったが、私が会社を辞めるときになぜか急激に仲良くなった。
なぜ辞めるときに??という感じだが、お姉さんも会社に対する不満があって、そこで盛り上がった感じ。
お姉さんは新卒で入社してめちゃくちゃ緊張していた私に「大丈夫だよ」とよく気遣ってくれていた。
仕事もバリバリできる人で電話対応は完璧だし、ひとつひとつの仕事が丁寧。
気遣いもできて、現場からも頼りにされている、私にとっては憧れのお姉さん。
在職中にもっと仲良くしてれば良かったと思うが、逆に私が辞めたからこそ仲良くなれた気もする。

お姉さんから会社の話を聞いているときに「貴方が辞めたとき会社のみんなには衝撃を受けてた。いまだになぜ辞めたのか謎になっている。」と言われた。
辞めた理由は社内がギスギスしていて疲れてしまった、会社の将来性が見えなかった、上司の後継者としてのプレッシャーが重すぎた、WEB関連の仕事に興味があったからその方向に行きたかった、まぁ色々理由はある。
今回お姉さんから今の会社の不満とか色々聞いていたら「自分が自分でなくなってしまうことが怖かった」が一番の理由な気がした。

お互いに足の引っ張り合い、人の噂話で盛り上がる、人の悪口愚痴が多い、お互いがお互いを見張っている感じ、良い子を演じないと生き残れない感じ、重箱の隅をつつくような欠点探し、自分さえ良ければ良いと思う人が多く、変なルールが次々と作られる、評価基準が仕事の成果というより、どれだけ経営陣に間違った自己アピールをするか、考えれば次々と嫌なところは出てくる。
当時は新卒でこの会社しか知らなかったので、こんなもんやでと言われるとこんなもんなのか…という感覚もあった。
今思うと、外の世界を知らないって怖いなぁと思う。

最後はストレスで痩せて、イライラして感情のコントロールができなくなっていた。
当時は自覚がなかったが、今振り返ってみると、自分が攻撃的な性格になって意地悪な顔になっていたし、家計簿を見た感じお金の使い方も荒くなっていた。
とにかく会社の雰囲気に流されて、自分が自分でなくなってしまうことが怖かった。

たまにあのとき辞めずに続けていたら、今とは違う人生を過ごせたいたのかなぁという未練もひょこっと顔を出す。
だが辞めたからこそ、たくさんの酸いも甘いも経験できて、その時々に出会えた人もいる。
新卒で自分が甘やかされていたということも理解できた。
過去の選択を正解にするには今の自分の行動が全てだと思うので、胸を張って「辞めて良かった!!」と言える人生にはしたい。

そんな私の気づきの話をお姉さんは真剣に聞いてくれた。
今もあの会社で頑張っている人に言う話ではなかったと思う。
お姉さんは私の在職時から変わらず自分を貫き通して、全く会社の雰囲気に流されていなかった。
私はそれができずに去ることしかできなかったので、少しうらやましかった。
お姉さんが最後に「会社、続けたほうがいいかな…」と不安を口にした。
私が20代だったら世間を知らなかったので「辞めた方がいいですよ!!」と無責任に言えたかもしれないが、今は言えない。
だが、自分の体調やメンタルに異常が出始めたら、そこまでして続けることはない気はする。
頑張っても、あの会社ではその頑張りは正しく認められることはないと思うから。

お姉さんの言葉にたくさん勇気づけられたし、自分の今の考えを言葉にできて、久しぶりの再会は楽しい時間だった。
辞めた会社の人たちとは疎遠になっていくなか「元気ー?」と定期的に連絡くれる存在はありがたい。
いつも連絡を待つだけだったけど、今度から会いたい人には自分から積極的に連絡しようと思う。

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