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#16 株式会社アダストリアの多角化戦略

こんにちは、こんちやまんです。


花より団子より花粉症のキツさに耐えられない人が多い季節です。
こんちやまんは修学旅行で北海道に行った時、バスガイドさんに「北海道に来るとスギ花粉症の症状は治まるんですよ♪」と言われ、全く信じていませんでしたが次の年から本当に症状が軽くなりました。本当になぜ(笑)
花粉症がキツイ人はぜひ一度北海道旅行に行ってみてはどうでしょうか(笑)


当ページを閲覧いただき誠にありがとうございます。簿記や会計について興味のある方や、この記事を読んで興味を持ってくださった方は、ぜひ#1から読むことを私は強くオススメしております。


それでは、本編に入りましょう。


今回は企業と経営戦略を絡めた解説記事になります。特に今回は頑張ったと思うので最後まで読んでくださいね^^


株式会社アダストリア

衣料品に関係する多くのブランドを抱える「株式会社アダストリア」。会社名は知らなくても個々のブランドを知っている人は多いのではないでしょうか。

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「GLOBAL WORK」や「niko and ...」、「LOWRYS FARM」をはじめとした52ブランドを展開しています。(2022年3月30日現在)


そんなアダストリアは、「多角化戦略」を取った経営をしています。


多角化戦略とは

【多角化戦略:diversification strategy】
企業の成長戦略の一つで,新しい事業分野へ進出すること。既存事業の関連性を基に技術関連多角化,市場関連多角化,非関連多角化に区別される。一般的には,既存経営資源を有効に利用できる分野への多角化が高い成果をもたらすことが多い。事業の多角化によって企業内部の未利用の余剰資源が利用でき,また範囲の経済の利用と,リスク分散を図れるという長所がある。
出典:コトバンク

えー、いつもどおり簡単な言葉で説明しましょう(笑)


多角化戦略とは、会社がいろいろな商品やサービスを取り揃えることです。
例えを今回のアダストリアで挙げれば、「GLOBAL WORK」以外にも「LOWRYS FARM」や「LAKOLE」など、様々なブランドを展開しています。


ひとつの会社でいろいろやること


そんな認識を軽く持っていただければいいかなと。


多角化することのメリット

企業がいろいろな事に手を出すには、それなりの理由があるはずです。

1.経営の安定化
複数の事業を行うことによって、どれかが失敗しても生き残れる可能性が上がります。仮に、子供服だけを売っていたとして、少子化がどんどんと進み、児童人口が減ってしまえば物理的に売れる相手が減ってしまうため売上は下がってしまいますよね。しかし、老若男女それぞれに合わせた服を販売していれば、子供の人口が減っても大人服は変わらず売れるので経営が大きく傾くことはありません。
(あくまで極端な話であり、長期的に見たら日本人口が減ってマズイじゃんと思った勘の鋭い方は黙っていてください)
よって、多角化をすることによって経営が安定しやすくなります。

2.リスク分散
会社が永く続いていくためには、顧客・利用者のニーズを掴み続けなければなりません。さらに、新型コロナウイルスのように、予測不能な事態によって、短期間で需要は大きく変わる可能性があります。
実際に、コロナによって外出自粛を余儀なくされたときには、衣服やコスメなどの製品の売上が一時的に極端に下がりました。


多角化することのデメリット

多角化はメリットだけでなくデメリットも存在します。

1.コストの肥大化
いろいろな事業をやっている分、それぞれの事業や商品に対してコストがかかります
Tシャツを作るだけのコストと、ジーパンも作るとなったときのコスト。どちらが多くかかるかと言ったらジーパンも作るときですよね。

2.経営の不明瞭化
いろいろやっているのは素晴らしいことです。とても簡単なことではありません。ただ、いろいろやりすぎて世間から「結局この会社ってなんだっけ」となってしまったらもったいないですよね。極端な話になりますが、仮にファッションに関する製造をするアダストリアが車を作り始めたら「アダストリアって何の会社だったっけ?」となってしまいます。幅を広げるにしても関連して相乗効果を生み出せるような広げ方が重要です。


アダストリアの多角化目的

アダストリアは「52個」という非常に多くの分類にしてブランドを区別しています。その理由は以下のことからです。

年齢層に合わせたブランド展開

「LOWRYS FARM」のメインターゲットは20〜30歳の女性です。

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「RAGE BLUE」のメインターゲットは18〜25歳の男女です。

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「repipi armario」のメインターゲットは女子中学生です。

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「pair pair」のメインターゲットは20代のカップルです。

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といったように、ブランドごとに年齢や性別の限定、また価格帯の分類も行っています。消費者のニーズに合わせたお店を取り揃えて幅広い顧客を会社全体で獲得しています。一般的に消費者はお店の名前を見るだけで、それが「何て名前の会社が経営しているのか」まで確認なんてしません。(しないよね?)タグなんて金額にしか目が行きません(¥_¥)


もし、1つのお店の中に様々なターゲットに向けた服装があると「私は大人っぽい服を探しているのに子供服があるこのお店にあるこの服は子供っぽいファッションなのかな?」と言ったイメージを持たれて「大人っぽいお店がいいのに」と考えられ、その時点でお店を出てしまい商品を買ってもらえないかもしれません。


来客層をお店のブランドごとに分散させるけど、会社全体ではいろんなお客さんに来てもらう。といった狙いがあるのです。



アダストリアの注目ポイント

ここからは、私がアダストリアの有価証券報告書を読んでいて気になった点を一点だけ取り上げさせていただきます。

飲食事業を営む「株式会社ゼットン」の子会社化

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アダストリアが飲食事業に本格的に乗り出そうとしている、という点です。既に「株式会社 ADASTRIA eat Creations」という会社を2017年に分社化していました。

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健康志向ブームを意識したような飲食事業を展開しているようですが、より大きな主力事業として成長させようという方針なのでしょうか。今後の動向に注目です。


まとめ

多角化という経営戦略を、アダストリアという実例に基づいて少しでも理解いただけたでしょうか?有価証券報告書には、財務諸表などの過去の情報だけでなく、今回のように未来を見据えた意思表示も書かれていることが多々あります。思い切った投資をしようと考えている人や、就活の企業研究をする際には隅々まで読んでみてください。


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それでは、また。

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