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英語話者ばかりのところにどう突入していくか

下記は現在私が通っている大学院(NUCB)の教授が、「ケース・ディスカッション」について、Harvard Business School Pressから出版されている"How to Discuss a Case"(どのようにしてケース・ディスカッションを行うか?)を要約してくれている内容です。

どうケース・ディスカッションに臨むのがよいかを教えてくれている内容なんですが、下記の一節を読んでいたら、自分がUSの大学院で勉強していたときのことを思い出して思わず涙。。

“・教室で使われれている言語が母国語ではなかった場合、ネイティブスピーカーに比べ、議論の流れにうまく乗れないと感じてしまう。間違った言葉を使い、発音も正しくできないまま発言をして、クラスメートにその内容が理解されないのでは、と怖れ、自分は笑われ者になってしまうので無いかとすら思ってしまう。”

私は10年前くらいから英語の勉強をはじめて、サンフランシスコのGolden Gate UniversityでIntegrated Marketing Communicationsを勉強してマーケティングのマスターを取得したんですが、正にこの引用部分の気持ちを体験しました。

クラスには私の他にも英語のネイティブ・スピーカーではない生徒が数人いましたが、常にクラスで一番英語が出来ないのは私。最初の2ヶ月くらいは常に泣きたい気持ちでいっぱいで、積極的にクラスディスカッションにも入れませんでした(こういうとこが私も日本人。。)。

さて私がこれをどうやって克服したかですが、ある日、Management in Organizationsの授業でネイティブ・スピーカーしかいないチームに振り分けられてしまいました。全員がすごくいいやつだけど、今よりもさらに英語出来ない時代の私にはメンタルやられる経験でした。グループでミーティングするときも彼らのカジュアルな英語の言い回しがわからないし、話すスピードがすごく早くてホントしんどかった。

まあでもなんやかんやでそのチームでの課題は乗り切りましたが、チームが解散になる前に全員が輪になって、各人にチーム内でのそれぞれの行動や成果についてフィードバックをすることになりました(Managementのクラスなので、これも課題の一つ。その結果をメモして教授に提出する)。このフィードバックの仕方も習うんですが、「二つ褒める、一つダメなところを言う、そのダメなところについてどうやったら行動を変えられるかのアドバイスをする」が1パックです。

みんなそこそこ仲良くなっているので軽いことを言っていくんですが、私のダメなところで、チーム中二人が同じ内容のフィードバックをしてきました。私は自分の英語力について言われると予想していましたが、二人は「YUMIは遠慮しすぎだ、なんでもっと積極的にどーんと会話に参加してこないんだ」とまったく予想外のことを言ってきました。私は「そこかよ!!!」という気持ちになり、ショックすぎて、正直彼らにどんな返答やお礼を言ったのかも忘れましたが、私の中でこれは十字架となっていて、ことあるごとに思い返しています。

最初はホント「そこかよ!!!」の気持ちでしたが、よくよく考えてみるとそこはアメリカ、彼らは当然職場や友人関係でも外国人慣れしていて、英語がイマイチなやつ、発音悪いやつなんていくらでもいるんですよね。また彼らは私の英語力よりも、モジモジしていたことのほうが気になってフィードバックしたい内容だったということが私を勇気づけました。

この事件から私は「授業で英語が出来ないことで大恥かいてもいい。そんなやついくらでもいるし、誰も気にしない。むしろ自分のオピニオンをわーっと言えないことが私の評価を下げる。下手な英語でも頑張れば、どうにかなる。」と思える(開き直れる)ずうずうしさを身につけました。もうやけっぱちです(笑)

あと開き直りの気持ちになれたのは、自分が日本人の代表みたいに思えていたからだと思います。海外生活経験のある人にはわかってもらえると思うのですが、自国じゃないところで生活するのは、毎日自分がどのナショナリティなのかを突きつけられるところがあるんですよね(人はまず私をYUMIという私自身ではなくて、日本人として認識するところからスタート)。特に私は当時マーケティングの学科に日本人が私一人だったので、私がモジモジしていたら、日本人ってみんなそうだと思われちゃう!って気持ちがはたらきました。

実際そこからどうなったかですが、やってみたら全然平気でした。教授には「YUMIはポジティブに会話に参加出来るようになったね」と褒められたくらい(笑)またクラスのみんながもっと私と話したいと思っていたことがわかり、今でも仲が良い友達も何人か出来ました。

なので同じようなことで悩んでいる人がいたら、このエントリーが少しでもその人を勇気づけられるといいなと思います。ポイントはやけっぱちになって、ガンガンにぶつかっていくことです!たぶん母国語ではない国で暮らした経験のある人は大なり小なり同じような経験をしているのではないかと思います。

では。


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