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わが家の猫生活 【番外編*その8/クロちゃん再び】

ちょっと前の話ですが、第6波前の年末、検査して帰省しました。地域猫のクロちゃんにも、無事に会うことができました。


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大晦日の朝、墓参りに母と姉と3人で出かけた。この日はとても寒く、山あいのわが家の墓の辺りは強風に雪がチラついていた。こんな寒い日はクロちゃんには会えないと、姉。案の定、雲隠れである。クロちゃんの寝床はお堂の一角。お寺さんが毛布を敷いてこしらえている。でも出入り自由なように開けているから、当然寒い。どこか行きつけの家に寄って、暖を取っているのかもしれない。元気ならいいのだが。

墓参りを終えて、母と姉は近くの知人のところへ。私は車中でしばらく待っていた。この辺りは、普段車も人もほとんど通ることがない。そこへ、もう一台車が入ってきた。珍しい。あまりじろじろ見てはいけないと思いしばらくうつむいていたが、どこに向かうのか気になり顔を上げると、うちのお墓へと向かうではないか。ん?

それは叔母と従兄だった。叔母とは父の3回忌以来会っておらず、また従兄とは30年近く会っていなかった。車に戻ってくるタイミングで声をかけたら、「やっぱり! ぶんぶんどーちゃんじゃないか。花も線香も新しかったから」と従兄に言われ、へへへと照れ笑い。互いに歳を取って久々に会うと、変な感じになる。めったに会う機会がないので母と姉が戻るまで待ち、挨拶をして別れた。その間、クロちゃんが帰ってくることはなかった。

無事にお正月を迎えたのかな。

そこで予定にはなかったが、正月が明けてからもう一度出かけた。相変わらず、クロちゃん目当ての墓参りである。加えて、管理しているお稲荷さんに毎年あげる鏡餅が今年はどうなっているか確認するという仕事もあった。

「どうなっているか」というのは、このnoteを読んでいただければと思う。

簡単に言うと、誰かが毎年正月前に鏡餅をかっさらっていってしまい、困るという話。犯人は野生動物なのかもしれないし、人間かもしれないし、わからない。

お堂とわが家の墓の近くの駐車スペースに車を停めて、クロちゃんを呼ぶ。
「クロちゃーーん!」
「ミャーン!!」

やったー。いたーー。
草むらからノソノソと登場し、目の前でゴロンゴロン。いつものゴロンゴロンだ。この日は快晴で風もなかったので、ひなたぼっこしていたらしい。

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「わーーーーん、クロちゃん、元気やった?」と呼びかけると、「お前誰や?」という顔でちらりと私を見ると、スススと姉の足もとへ。姉に甘えまくっている。そして母の足元へ。私、完全孤立(笑)。えーー、一ヵ月前にも会ったじゃないか。冬毛でいっそうモフモフ。程よい距離まで詰めてシャッターを切るが、すぐにムスッとした顔になる。そんな顔しないで遊んでよ、私とも。

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少し遊んで墓参りを済ませ、例のお稲荷さんへ確認に。

やられた。

毎年やられるので、今年のお供えは既製品。パッケージに入っていたものの中身だけ取り出され、空のパッケージが元の位置に置かれていた。これは野生動物の仕業とは思えない。

クロちゃん、犯人を見かけなかった?
あなたが番をしてくれたらいいのだけど。

クロちゃんは、径で私たちを待ってくれていた。じっと座って、こちらを見つめる。もう一度シャッターを切ろうと近づいたら、ちょっとビビッて後ずさり。次はいつ帰省できるか分からないけれど、願わくは、春また元気に会おう。そのツヤツヤの毛並みも、ふくよかな体も変わらずに。そう祈りながら、車に乗り込んだ。クロちゃんはまだ径でちょこんと座って、こちらをじっと見つめていた。


前回の番外編はこちら。


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