文鳥堂

文鳥って最高ですよね

文鳥まつり(2/5)

それから一週間が過ぎるのは、なんとゆっくりだったことでしょう。文太が「もう夜が明けているかしら」と思って目を開けると、まだ月明かりがさしているという事がしばしばありました。  その間にも、おじさんは相変わらずたくさん餌を食べていました。

 けれど、とうとうその日がやってきたのです。
 正太は文鳥たちのために、がんばって朝の四時に起きました。そして眠い目をこすりながら、鳥かごの中の餌と水を替えまし

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文鳥まつり(1/5)

文鳥まつりの話をおじさんに聞いてからずっと、文太は自分も行きたいと思っていました。

 小さな鳥かごの中で、文太とおじさんは仲良く暮らしていました。

 文太がまだ灰色の雛だった頃は、もう一羽一緒に暮らしていたそうです。けれど文太は小さすぎて、今ではもうその面影を覚えていませんでした。

「ねえおじさん、今年の文鳥まつりには連れてってよ。去年はあんなちっぽけな雛だったけど、ぼくはもう頭も黒いんだか

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大奥−十姉妹の女(をんな)たち

「きいっ、あの忌々しい小娘がっ!」

 ぎゅうぎゅうに詰まったつぼ巣の中で、梅は地団駄を踏んだ。

「お梅様、ここは抑えて……」

「そうですわ、ただでさえ狭いつぼ巣ですのに」

 お玉とお亀は梅をなだめた。

 広い禽舎の中には大きな三つのつぼ巣と、それを見下ろすように小ぶりのつぼ巣が一つあった。

 大きなつぼ巣—通称大部屋で暮らす十姉妹の女たちにとって、最上部のつぼ巣は大きな意味を持っていた

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文鳥姫

その小鳥はかつて、とあるアジアの小さな国のお姫様でした。しかしその国は戦に負けたために滅んでしまい、お姫様は敵の悪い魔女に鳥にされてしまったのです。
 鳥になったお姫様はあてどなく彷徨いました。そして大きな鳥に襲われ、怪我をしているところを美しい青年に拾われました。青年は名をシンと言いました。

 シンがお姫様を助けて一週間。お姫様の傷はすっかり癒えていました。
「さ、きみの怪我はもう治ったんだか

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