見出し画像

ベストセラー作家・水野敬也の編集テクを盗む!『四つ話のクローバー』/そのぬす頁2

今宵も、文響社書庫に怪しいかげがひとつ…。

編集者アソウが、文響社の本を“編集者目線”で掘り下げ、先輩の編集テクを盗む新コーナー「その本、盗ませていただきます」

第1回目に盗み出すお宝は『四つ話のクローバー』(2011年4月発売)!!

著者は、『夢をかなえるゾウ』(シリーズ累計400万部)を始め、大ヒットを連発されているヒットメーカーの水野敬也先生。実は、10年前の創業間もない文響社が、はじめて世に放った書籍なのです。これを読まずして、文響社の本は語れません!

この本のテーマは、

夢、幸せ、人間関係、命。

人生において、誰もが悩むことですよね。テーマは重厚ですが、さくっと読めて、じんわり心があたたまります。「最近、本読んでないなあ」「心がすさんでるなあ」という方にこそ読んでいただきたい一冊です。

答えのないテーマに対して、『四つ話のクローバー』は4篇の寓話でヒントをくれます。どれもぶっ飛んだ設定で、読みどころ満載。もっともらしく真面目に取り扱いたくなるシリアスなテーマを、あえてユーモアたっぷりに語るのが水野先生流です。

では、編集テクを盗んでやりますか・・・

4篇の中から、編集怪盗アソウが狙いをつけるのは、

「ハッピーコロシアム」!

=====ざっくりあらすじ=====
大晦日の日本。今宵開かれるのは、JHC−ジャパン・ハッピー・クラシック。
資本主義的な成功を手にした真田雄一郎と、質素な生活の中で幸せを噛みる天海悟。「幸せ指数」を計測できるようになった世界で、最も幸せなのはいったい誰?己のプライドと幸せをかけた戦いが今、幕を開ける!
=======================

アソウノート①「寸止め」

この本は、多くのページが、ちょうど次を読みたくなる文章で終わるようになっています。一周目は、あんまり気が付かず、テンポが良くて読みやすいな〜と、サクサク1時間くらいで読み終えてしまったアソウ。
しかし、よくよく見返すと、「いいところで焦らす!こんなんめくりたくなるじゃん!」っていう「寸止め」が詰まっているんです。気づいて、ちょっとゾッとしました。

でもこれ、読者以上に著者が大変です。だって、何百ページにもわたって、「最終行にはこれを入れよう!」と計算するのって、とんでもなく骨の折れることじゃないですか。水野先生の伝説として、「13回書き直した原稿がある」と聞いたことがあるのですが、それくらい自分の原稿に斧を入れられる方って本当に希少だと思います。感服です。

最近では、本の売れ行きもSNSの評判に左右されるところがあり、口コミでいい評価をいただくことがヒット本に欠かせない条件になってきています。
ただ、最後まで読み切った人ぐらいしか、「この本よかったよ」とは発信してくれないので、「すらすら読めた」「久しぶりに完読できた」という読後感をもたらすことは、めちゃくちゃ重要だと感じています。その点、「寸止め」テクには、つい読みたくなる魔力がありますよね。恐るべし・・・。

アソウノート②「挿し絵大喜利」

『四つ話のクローバー』は、挿絵がこれまた素晴らしいのです。大喜利のように、色々な工夫が詰まっています。

▼緊張の瞬間を複数のコマで描写

複数コマ


▼「ハッピーコロシアム」観客からの罵詈雑言を紙面いっぱいに表現

画像2

▼ページをまたぐイラスト、文字の大きさでインパクトを演出

文字でか

▼文字色・フォントの変更、あえての横書き

横文字

こんな感じで、パラパラめくっているだけでもおもしろい!

黒だけでなく、2色を使っているのも勉強になります。インクの色数が少なければコストは抑えられますが、「安く仕上げた」感が出てしまうこともしばしば。『四つ話のクローバー』は、2色のコントラストが際立っています。あえてこの2色なんだ!という気概を感じます。

創業の想いが詰まっています!

『四つ話のクローバー』は、文響社の1冊目の本のため、水野先生と弊社社長・山本が二人三脚で全国に販促へ出かけたという特別なエピソードもつまっています。

・アルバイトさんが作った地図を頼りに行ったら、書店が見つからなかった
・遠征中に、「帯を変えるぞ!!」といきなり山本が東京へトンボ返りをしたせいで、水野先生が一人で行脚を続けた

などなど、社員でも知らない思い出が満載です。

文響社の企業理念は、

「ORIGINATE  ORIGINAL  ORIGINALITY」

この言葉には、「他社では出せない唯一無二の個性に満ちた本を生み出し、すべての人の”現実”に、夢と希望を与えるエンターテインメントを届けたい」という想いが込められています。

『四つ話のクローバー』は、まさにその理念に真正面から立ち向かった作品。自己啓発・エンタメ小説として楽しめる一冊ですので、ぜひご一読ください!

今回はたくさんの編集テクを盗ませていただきました!日々進化するアソウにご期待ください!

▼過去記事