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PCR検査結果の誤入力により、陰性の患者にレムデシビルを投与!

コロナワクチンの誤接種が多数報告されていますが、今度はミスにより副作用が心配な点滴薬が投与されてしまったという記事がありました。このようなミスから自分の身を守るためには、どうしたらよいのでしょうか。

PCR検査結果の入力ミス

以下、読売新聞からの引用です。


コロナ陰性の男性を入院させ抗ウイルス薬投与…県立病院、PCR検査結果を誤入力
読売新聞 2023/01/26 15:42

鳥取県立厚生病院(倉吉市)は25日、新型コロナウイルスに感染していない70歳代の男性患者をコロナ病棟に入院させたうえ、抗ウイルス薬を投与するミスがあったと発表した。健康被害は今のところ確認されていないという。

県中部の男性が24日に救急搬送され、入院治療に向けてPCR検査を実施。実際は陰性だったが、中央検査室の職員が電算システムに陽性と誤入力した。この結果を電子カルテで見た医師がコロナ病棟へ入院させ、同日中に点滴薬の「レムデシビル」を投与した。

 別の医師が25日、体内のウイルス量を示すPCR検査上の数値を中央検査室に問い合わせたことから誤入力が判明。男性の陰性を確認したうえで一般病棟へ移し、謝罪した。レムデシビルは腎機能低下などの副作用が出るおそれがあり、継続的に健康観察する。

 同病院は「ウイルス量を示す数値もシステム入力する方法に変え、再発防止を徹底する」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230126-OYT1T50100/

この記事だけではわからない部分があったので、他の記事も探してみました。

以下は、山陰放送のサイトから引用です。


【新型コロナ】病院の入力ミスで陰性なのに陽性扱いに…システム入力は「+」「-」のみ
鳥取 2023年1月25日(水) 17:44

鳥取県倉吉市にある鳥取県立厚生病院が、新型コロナのPCR検査で陰性だった70代の男性を誤って陽性として扱い、コロナ専用病棟に入院させ、抗ウイルス薬を投与していたことが25日分かりました。

男性は24日、コロナ以外の症状で厚生病院で診察を受け入院加療が必要と診断され、入院前のPCR検査を受けていました。

そして、結果は陰性でしたが、病院の職員が検査システムに誤って陽性と入力したため陽性者として扱われ、コロナ専用病棟に入院し、抗ウイルス薬の投与を受けていました。

男性に健康被害などはないということで、病院は25日、男性に謝罪し一般病棟に移しました。

検査結果のシステムへの入力は「+」と「-」でのみ行っていますが、病院は別の数値も入力するようにして、再発防止を図ることにしています。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/bss/294431?display=1

この男性はコロナ以外の病気等で入院することになっており、おそらく入院前にPCR検査が課せられていたから検査を受けたら、陰性だったのに入力ミスで陽性扱いになった。カルテを見た医師がコロナ病棟に入院させて、レムデシビルを投与。検査結果は+か-だけで入力していたので、今後は数値も入力して再発防止に努める・・・ということのようです。

別の医師が翌日に、体内のウイルス量を示す数値を問い合わせたとのことなので、この男性にはコロナの症状はなかったのでしょう。そのような人にも、レムデシビルを投与しているのでしょうか。当初レムデシビルは、重症の患者を対象にしていたはずです。

以下、2020年5月7日の記事から引用です。


レムデシビル、異例の早期承認 副作用や耐性化に懸念も
朝日新聞アピタル 2020年5月7日 21時49分

抗ウイルス薬レムデシビルについて、厚生労働省は7日、新型コロナウイルスの治療薬としての製造販売を特例承認した。新型コロナの治療薬が国内で承認されるのは初めてとなる。対象は、原則として人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使うなどしている重症のコロナ患者とした。

レムデシビルはエボラ出血熱の治療をめざして開発された注射薬。新型コロナに感染した人への治療については、米食品医薬品局(FDA)が1日に重症の入院患者を対象に緊急時の使用を許可した。

 これを受け、日本政府は海外で販売されるなどした医薬品について、国内の薬事承認の審査を簡略化できる特例承認の対象とした。2009~10年に新型インフルエンザが流行した際は、英国とスイスの企業のワクチンがこの制度で承認されている。

 製造する米医薬大手ギリアド・サイエンシズの日本法人から厚労省に承認申請が出されたのは今月4日。申請から3日間という異例のスピードで承認されることとなった。

 投与期間は10日間まで。副作用としては急性腎障害、肝機能障害などをあげている。使う前には患者らの文書による同意を必要とし、可能な限り全症例について副作用などの報告をギリアド社に求めた。

https://www.asahi.com/articles/ASN57724WN57ULBJ00V.html

さらに調べてみると、2022年1月に軽症での投与が追記されたようです。申請から3日間で特例承認された薬を、軽症の人にまで処方するようになっていたとは知りませんでした。


高額でも患者負担なし


この薬はかなり高額ですが、保険適用になってからも患者負担は生じていないようです。

コロナ治療でレムデシビル保険適用へ、薬価収載、治療5日間で38万円
2021年8月5日 化学工業日報

中央社会保険医療協議会(中医協)は4日の総会で、新型コロナウイルス感染症治療薬「ベクルリー」(一般名・レムデシビル)の保険適用を了承した。これまでは国が買い上げて医療機関に無償提供してきた。コロナ治療薬には公費が使われるため、保険適用後も患者負担はない。薬価は治療1回(成人5日間)当たり約38万円。

 ベクルリーは昨年5月に特例承認されたが薬価収載はせず、厚生労働省が買い上げて各医療機関に配分してきた。安定供給の見通しが立ったため、製造販売元のギリアド・サイエンシズが保険適用を申請した。国の在庫が終わってから通常の医薬品と同様の流通体制に移行する。保険適用後も当面は患者負担は生じない。

 薬価は1瓶(100ミリグラム)約6万3000円。成人は基本5日間で6瓶使うため、約38万円の薬剤費になる。今年度の投与患者数は約4万3000人、販売額は181億円と予想されている。有用性加算などの補正加算は適用されなかった。
(以下略)

化学工業日報(2021年8月5日)より

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ベクルリー®点滴
静注用 100mg(一般名:レムデシビル)」薬価基準収載のお知らせ

製薬会社のリリースには、「63,342 円/瓶」とあります。投与については、「投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する」とありました。

先ほどの記事では、24日に搬送され、25日にはミスに気づいたようなので、おそらく初回投与で済んだと思われますが、63,342 円×2瓶=126,684円が公費で支払われるのでしょう。

レムデシビルの効果や安全性に疑問

今回のように軽々しくコロナ治療薬を処方している病院は、他にもたくさんあると思います。

患者側として、このようなミスに巻き込まれないためにはどうしたらよいのでしょうか。もし公費でなければ、このような高額な治療薬を勧められたら、本当に必要なのか考えると思います。けれども、コロナワクチン同様に、自己負担がないものほど慎重になるべきだと思います。

そもそも、レムデシビルは効果や安全性に疑問があります。

承認条件に係る評価報告書(2021年5月31日) より

評価報告書は、原薬など、重要なところが黒塗りです。

承認条件に係る評価報告書より

さらに、年月日がたくさん隠されています。臨床試験の人数も、とても少ないです。

承認条件に係る評価報告書より


承認条件に係る評価報告書より
承認条件に係る評価報告書より
承認条件に係る評価報告書より
承認条件に係る評価報告書より


承認条件に係る評価報告書より

この時点では、「ヒトへの安全性を担保することは困難と考える」と書かれています。

承認条件に係る評価報告書より

「結果が得られ次第、適正に評価を行い」と書かれているので、承認した時点ではまだ結果が出ていなかったということでしょう。結果も出ていないのに、承認された薬なのです。

2021年3月15日に開催された「 第3回医薬品等行政評価・監視委員会」の資料に、副作用の報告などがありました。

【資料3】レムデシビル(ベクルリー点滴静注液100mg、同点滴静注用100mg)の安全確保に関する施策の実施状況等(医薬・生活衛生局の説明資料) より

以下、一部引用です。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000757254.pdf

2020 年 5 月 11 日~2021 年 2 月 14 日に302 例 422 件の副作用報告があり、そのうち死亡は7件。肝機能異常や肝障害も多いです。

効果に関しては、世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する既存の抗ウイルス薬4剤の転用を検討する連帯治験(WHO Solidarity Trial)を2020年3月から実施し、その最終結果が下記の記事に書かれていました。

「全体および重症例ではレムデシビル投与による院内死亡率の有意な低下は認められなかった」「入院期間は、対照群と比べてレムデシビル群で約1日長かった」「換気療法施行済みのCOVID-19患者において、レムデシビルの有意な効果は認められなかった。それ以外の入院患者では死亡および換気療法移行を若干減少させた」などと書かれています。

元の論文は下記です。

そんな薬が、公費だからとどんどん処方されているのです。

以下、ミクスOnlineより一部引用。ベクルリー=レムデシビルです。

22年7~9月 新型コロナ治療薬の売上急伸 ベクルリーは一気に全体2位 ラゲブリオは2週間で61億円
ミクスOnline 公開日時 2022/11/24 04:52

IQVIAは11月22日、2022年第3四半期(7~9月)の国内医療用医薬品市場データ(薬価ベース)を発表し、新型コロナ治療薬の売上げが急伸したことがわかった。

21年10月から一般流通を開始した新型コロナ治療薬・ベクルリーは今回、製品売上ランキングで一気に2位にランクイン。売上は395億5000万円だった。22年9月16日から一般流通を開始したラゲブリオは約2週間で売上61億300万円を記録した。
(以下略)

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=73950


自分や家族の身を守るために、特にコロナ治療薬については、どのような薬か事前に調べておくことが大切だと思います。