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『フードテック革命』 〜肉じゃないものが肉を超えていく未来〜

『フードテック革命』を読了。

「食」に関わる仕事をしている人は、私の感想なんか読んでる場合ではなく、もう、すぐ手にとって読み始めてほしい。

という私も「食」に関わる仕事をしているひとりであり、本書の存在を知ってから早く読みたくてしょうがなかったのだが、その期待を裏切らず、ここ最近読んだ中でダントツに興奮する内容だった。

「フードテック」として比較的話題になった、植物肉バーガー。
代替肉と聞いて私たち日本人がまず思い浮かべるのは、豆腐ハンバーグではないだろうか。ほとんどの人が一度は食べたことがあると思うし、豆腐に慣れ親しんでいる我々にとっては、味もそんなに悪くない。というか味わいが淡白であるがゆえに、勝手に「ヘルシー」とか思いながら食べたりする。
だが、今、世界は「お肉の代わりにお豆腐使うとヘルシーよね♩」みたいなレベルをはるかに超えていた。

代替肉のトップランナー、Beyond Meat(肉を超えてってネーミング、最高)やImpossible Foodsが作り出したのは、植物由来でありながら完全に肉の味がする人工肉だ。
両社がターゲットにするのは、味のない食べ物でもヘルシーなら我慢するような人々ではない。
彼らがターゲットにするのは、「肉が食べたい!肉が好きなんだ!」という人々である。

でも、お肉があるんだから、代替肉なんかじゃなくて、お肉を食べればいいじゃない。と、思ったあなた、そう、普通はそう考える。私も最初はなんで代替肉がこんな話題にされるのか、不思議だった。だけれど、本書を読んで超納得。この先の未来、代替肉は肉好きを救う。

この代替肉という食材に始まり、さらにキッチンOSによりシームレス化していく私たちの食生活、遺伝子によるパーソナライズ化、外食ビジネスのアップデート、とにかく知らないことだらけで、読んでる間中興奮しっぱなしだった。

今年に入って今まで普通だったことが普通じゃなくなって、その中で改めて「食」について考えさせられた人は多いだろう。
そんなタイミングだからこそ、自分にとっての、産業として、そしてこれからの世界にとっての「食」を改めて見直す時なのかもしれない。
これからの「食」の可能性を知ることで、ワクワクした未来を想像させてくれる、最高に面白い一冊。


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