なぜ日本人は寒い家に住み続けるのか

住宅の環境性能に関する仕事を始めて30年くらい経ちますが、未だにどうしてもわからないことがあります。
それは「なぜ日本人は寒い家に住み続けるのか」ということです。
基本的に他の先進国では新築住宅が寒いということはないようです。
日本は未だに新築でも寒い家が多く建てられており、こたつや開放型ストーブ、電気ヒーターなど補助的な暖房を必要とする家も珍しくありません。

これはなぜなのでしょうか。
暖房を無駄と感じる国民性なのでしょうか。
たしかに室温を上げるためには暖房エネルギーが必要です。
ただ、暖房エネルギーは断熱性能を高めることで少なくできます。

断熱性能を高めるのにお金がかかるためでしょうか。
住宅価格にもよりますが、通常断熱にかかる費用は住宅費用全体の数パーセントと言われています。
関東以南であれば断熱性能を高めても、コストアップは数十万円くらいではないでしょうか。
断熱性能を高めると暖冷房費が少なくなるため、数十年でコストは回収できそうです。

もし断熱性能によって住宅価格が大きく変わるのであれば、北海道の住宅が一番高くて沖縄の住宅が一番安くなりますが、そんなことはないはずです。
北海道は全室暖房も珍しくありませんが、北海道の外気温でもそれが可能なのは断熱性能が非常に高いためです。
それでも住宅価格が他地域に比べて特別高いということはありません。
北海道で全室暖房するレベルでもそうなのですから、それ以外の地域であれば断熱性能を高めるのに過大なコストはかからないはずです。

このようなことから寒い住宅に住み続けるのは、性能に対する知識不足や誤解、古くからの考え方の影響があるのではないかと考えています。

最近の研究では住宅内が寒いと、ヒートショックや高血圧など健康に影響があることもわかってきています。
もったいないから我慢するのではなく、快適で省エネな住宅を考えましょう。

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武田暢高

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