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社会復帰して1ヶ月

とにかく厳しい、本当に厳しい。でも完遂した。時短勤務(毎日4時間)を1か月続けた。正直なことを言うと3日休んだ。年末の帰省で心身ともにズタボロになり、まともに生活が送れるようになるまで2週間を要した。その間どうしても動けない日があって休んだ。


何が厳しいって、やはり朝が厳しい。どんなに睡眠をとっても厳しいものは厳しい。鉛のように身体が重い。目覚ましを反射神経だけで止めたあとは、かろうじて眼球の動きだけで時計を見つめ続けて、もう間に合わないという時間ぎりぎりまで横たわっている。その間スマホをいじることすらできない。

朝シャン派なので、前日夜にシャワーの時間を加味して目覚ましを設定するが、その時間に起き上がることができず、いよいよぎりぎりになって最低限の身支度だけ整えて出社することもあった。シャワーくらい浴びてくれ自分。
稀に元気に目覚める日もある。しかしそのあと元気に身支度を整えても、靴下をはくときに「ああ、行きたくない」と思って手が止まってしまう。常に胸の奥に重たいものが引っかかっている感じがする。ほんのり吐き気がする。吐くほどではないけど。

電車も厳しい。時短勤務で10時出社なので多少ラッシュから外れてはいるが満員電車である。厳しい。感情と感覚を全て消してやりすごす。そうしていると眠りながら立っている感じになる。明晰夢のようなものを見ている。運よく座れたりするとそのまま眠りこける。奇跡的に会社最寄り駅を乗り過ごしたことはないが、起きても足が動かず、ドアが閉まるギリギリに抜け出すこともあった。

改札へ向かうエスカレーターでも眠ってしまう。降りるときにエスカレーターの足元に吸い込まれそうになる。まっすぐ歩けず、柱や人や改札マシンにあちこちに身体をぶつけてしまう。都度「ハッ」となるのだが、また夢うつつのような状態に戻ってしまう。

基本的に離人している。外界と自分を隔てる膜のようなものがあり、それに包まれていて、すべてがぼんやりとしている。なので、何か作業をしていても他人事のようですぐに眠くなってしまう。何を聞いていても何を読んでいても刺激が足りない。ノーズミントを買ったので、ものすごい頻度で吸っている。これは効果てきめんだ。30秒くらいは現実に引き戻される。


4時間しか働かなくていいので、昼休み1時間を挟んで15時には帰ることになっている。これはほんのり気分が良い。何せ世界が明るい。まだまだこれから遊べちゃうんだぞと誤認してしまう。

そう、あくまで誤認なのだ。家に帰ろうとする電車の中で既に意識を失いかけている。何故かこんな時間でも混んでいて座れないので、吊革につかまって目を閉じる。何も聞きたくないのでなるべくぼんやりするようにする。そうしているとまた明晰夢のような感覚になる。うっかり座れてしまった場合は頭がガックリ後ろに折れてしまうくらい気絶してしまう。

早く帰ることができるので、自炊くらいはしたいなと思ってスーパーに寄る。ちょっとした甘いものと、最近ハマっている湯豆腐の材料を買う。


帰宅したらメイクを落とし服を着替えて、ちょっとした甘いものを食べながら本を読んだりYouTube以外の映像を見たりする。YouTubeは虚無になりやすいので元気なときに必要な動画しか見ない。
そうこうしているうちに気絶してしまう。いつ気絶したかもわからないが、毎回ちゃんと甘いものは食べ終わってゴミ捨てまでされている。


22時とかに目が覚める。そこから自炊をしたりしなかったり、でも何もできなかったアフターファイブ(死語ですか?)を取り戻すために映画を観たり本を読んだり編み物をしたりする。シャワーを浴びる元気はない。洗濯ができたら御の字。

そうして、また日付が変わる頃にたんまりクスリを飲んで(処方箋通り)、寝る。明日が来てほしくないと心の底から祈りながら寝る。
希死念慮を抱かないように、起きている空き時間は不快にならないコンテンツに自分を晒し続ける必要がある。希死念慮を抱かせる暇を与えない。しかしそれを音楽には求めない。音楽はそんなチンケな目的のために存在してはいけないから。

今日から時短勤務が6時間に延びた。2時間の差は大きい。帰る頃に外が暗いのも良くない。かなり気が滅入る。行きも帰りも電車が混んでいる。感覚を限界まで薄っぺらくしてやり過ごすが、これではいつか目的の駅を乗り過ごしてしまうだろう。


あ、誤解をしてほしくはないが、会社自体はものすごく配慮してくれている。保健師さんとも仲良しだし、上司が決める業務の振り分けにも配慮を感じる。でも、フルフレックス制なのに、旧定時の8:30出社を否が応でも目指そうとしてくるのは解せない。もちろん8:30開始の打ち合わせが入ればわたしだって頑張るが、そうじゃない日まで毎日毎日8:30というのはただただ体力とメンタルをすり減らすことにしかならない。そもそも休職前だって8:30に会社にいなくてはならないような日は2年間で2,3日しかなかった。

朝が平気な人にとって「出社時間を遅らせたい」は「甘え」だと思われるのだろうか。つらさを信じてもらえないのだろうか。それとも、あの鉛のように動かない手足も、スマホすらいじれない無気力も、離人も気絶も、すべてわたしだけが感じている幻なのだろうか。そんなものはなくて、甘えの気持ちがそうさせているのだろうか。

これで社会復帰できたと言えるのだろうか。みんな楽しく元気に働いているわけではないと思っているが、これは正常の範囲内なのだろうか。


もはやわからない。毎日ノーズミントを死ぬほど吸って、何とか意識を保ち仕事のようなことをしている。ひさしぶりにExcelに触れ、VLOOKUPではなくXLOOKUPを使ってみたりもした。便利だった。

何も会社で起こること全てが嫌なわけではない。というか嫌なことは無い。いや、強いて挙げるとしたら隣の部署の課長の声がデカくてわたしの席まで会話内容が全部聞こえてうるさいくらいだ。
みんな別に腫れ物扱いしてこないし、仲の良い同僚に会えるのはうれしい。休職したことで「こいつには仕事つらいって言ってもイケる!」と思われているのか、気分転換がてら話しかけてくれる人も多い。基本的に良い人しかいないので、嫌な気持ちになることはない。

それでもやはり毎朝靴下をはくときに「行きたくないなあ」と思って、電車の時間ギリギリまで玄関に座り込んでしまうのだ。愚かだ。わたしは周囲からの善意も受け取れない馬鹿者だ。勝手につらくなって勝手に疲れて勝手に気絶してる精神病患者だ。

そう、精神病患者なのだ。治っていない。治っていないのに社会復帰をしようとするとこうなります!!!!!!!
えーっと、本当にお金がないとかのっぴきならない事情があるわたしのような豚はさておき、傷病手当や身内からの支援で生活ができ休息が許されている人は、治るまで社会に出てはいけません!!!!!!!何とか生き延びていたとしても上記のようなゾンビ状態になるだけです!!!!!!!!


ちなみにわたしは「夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱夏ボーナスまでの辛抱」と唱えながらギリギリやっています。

命の恩人ノーズミント、改めて掲載。


アディオス!!!!!また生きて会おうな

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