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本「古事記転生」

昨年末からずーっと書きたいと思っていた本の感想文^^
ようやく落ち着いて取り組むことが出来ました。

先月は占いの鑑定だったり
子どもの学校のことだったり
はたまた家のことだったりで色々と忙しく、
パソコンを立ち上げることさえままならなかったのですが
それもこれもすべて1つ1つに、
心を込めて向き合えたと思うので、満足の日々でした。
ありがたいことです。

さて、書きたいと思っていた読書感想文は
「古事記転生」


「古事記転生」 TOLAND VLOG サム(アライコウヨウ)著 サンマーク出版


日本の古史古伝を調べて
深掘りや考察を話されている
人氣YouTuberのサムさんこと
アライコウヨウさんが初めて書かれた本です。

小説という形を取られており、
主人公は、現代日本に住むバーテンダーのサム。


ある日サムは、
酔ったお客さんに刺されてしまい
古事記の中の神様の一人に
転生してしまうというところから
物語は始まります。


わたしは古事記そのものを
最初から最後まで通しで読んだことはなく
一度挑戦したのですが
ものすごい数の神様が出てきて
その名前を覚えるところから四苦八苦し、
その神様たちが色々絡み合って物語が進む中
頭がこんがらがってついて行けず
途中で挫折していました。


それではせめてと
古事記の説明や解説をされている
YouTube動画を何本か観まして
多少の知識、
まぁ聞いたことあるよ〜くらいの浅めの知識で
この本を読み始めましたが、
それでもとても楽しめました。


多分、古事記をまったく知らなくても大丈夫だと思います。


サムは古事記の数ある神様のうち
大国主(オオクニヌシ)に転生し、
文字通り国づくり(国の主)とは何か
この世界の大原則とは何か
人それぞれの課題や使命とは何かについて
向き合いながら学んでいきます。

サムさんなりの
古事記の解釈本のようであり、
解説本のようであり、
それでいて楽しむことを中心に
エンタメとして振り切った
軽快な小説、という印象でした。

心に響く印象的な言葉がたくさんありました。

この世界の大原則を一つ教えとくわ。それは、”自分で気づく”ってことやねん。どっかのすごい人に答えっぽいことを教えてもらってわかった気になってもな、ホンマは全く意味がないねん。自分で体感して、心から気づく。これしか次のステップに進む方法はないねん。そんで、そこをクリアしないと人生の中で何回も似たようなピンチが起こるんやで。

「古事記転生」サンマーク出版 P43より


神様たちもあっちにぶつかり、
こっちにぶつかり、
人を愛したり憎んだりしながら、
自分の課題を発見し、
それと向き合い、
受け止め、
受け入れ、
赦したりしながら
生きている様が描かれている古事記。


約1300年前に書かれた古事記ですが
そこに描かれている神様の生き方は
現代のわたし達の生きる道と
それほど大きく違わないのですね。


であるならば
そもそも生きるということ自体が
自分なりのそういった
紆余曲折を経るということなのかもしれないですね。


最後に主人公サムは次のような任務を託されます。


「日本の隠された歴史を拾い集め、国づくりの続きをしてほしいのだ。」と。


そのためには
ほんの少しのきっかけを作ってくれるだけでいい。

現代のほとんどの人間は自分で考える力を失っている。

だから疑問を与えてほしい。

ただ疑問を与えられればいい。

そして歴史の真偽そのものより、
一人一人が「疑問を持って探求し続ける姿勢」を取り戻してほしい。

そうすれば土地や自然だけでなく、
自分の肉体さえも”天からの借り物”だったということを、
少しづつ思い出していくだろう、と。

これはまさに筆者サムさんが
ご自身のYouTubeでされていることでした。


こういった情報があるよ
こういった古史古伝があるよ
自分はこのように考察したよと
ただ情報をそこに置いておくだけ。


そこに押し付けがましさも
どこかに誘導しようというコントロールも感じない。


ただ、ここに自分が調べて集めたことを置いておくから
みんなはどう思う?
各自で興味があったら調べてね、と。


どこからが主人公サムで
どこからが筆者サムなのか
くっきりきっぱりと分けられない小説でした。


だけどおそらく小説を書くということは
そういうものなのかもしれないですね。
(わたしは小説を書いたことないから、全然的外れかもしれませんが。)


サムさんはTOLAND VLOGという
YouTubeチャンネルを運営されています。

リンクを貼っておきますね。


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