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「Healthy Ageing 50」、日本から黒岩祐治神奈川県知事を選出

2022年度Healthy Ageing 50、発表!

国連健康な高齢化の10年(UN Decade of Healthy Ageing)が、公共部門、市民社会、学界などからグローバルリーダー50名を「Healthy Ageing 50:世界をより良い高齢化社会へと導くリーダー」として選出しました。高齢者とそのコミュニティの生活向上のための取り組みに光を当てるこのイニシアティブは、世界から500名を超える推薦を集め、国際機関の専門家から構成された審査委員会による選考を経て、2021年から2030年を「健康な高齢化の10年」と宣言した国連総会のハイレベル会合(2022年9月22日開催)にて発表されました。

エイジズム(年齢差別)の撲滅、高齢者に優しい環境づくり、包括型ケアの実施、長期介護へのアクセスの確保など、第一線で活躍するグローバルリーダー50人のリストはこちらからご覧ください。

日本からは黒岩祐治・神奈川県知事が選出

日本からは黒岩祐治・神奈川県知事が選出されました。人口920万人を抱える神奈川県は、2050年に高齢者比率が35%を超えると予測されています。2011年の就任以来、黒岩知事はヘルスケア・ニューフロンティア政策のもとで「最先端医療・最新技術の追求」と「未病(ME-BYO)の改善」という2つのアプローチで超高齢社会を見据えた活動を推進してきました。

UN Decade of Healthy Ageingのホームページより

「未病(ME-BYO)」とは、心身の状態を従来の健康か病気かという二分法ではなく、健康か病気の間の連続的な変化として捉えたコンセプトです。ME-BYOはWHOの高齢者のための包括的ケア(Integrated Care for Older People、ICOPE)の枠組み開発にも貢献したほか、政府の医療政策にも取り込まれ、生命機能や認知機能を数値で可視化する「ME-BYO指標」が開発されています。

そのほか、神奈川県では世界保健機関(WHO)の「エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しいまちづくり)」のガイドラインに沿って、神奈川県内の22の自治体および神奈川県立福祉大学と連携し、多世代が集い、協働できる地域コミュニティづくり、高齢者のいる集合住宅への若者の入居支援や社会活動の促進を行なっています。

黒岩祐治・神奈川県知事からの受賞コメント
このたび、国連機関等が連携して、2021 年から2030 年の高齢化社会をより良いものにするための世界のリーダー50 人を選定する「The Healthy Ageing 50」に選ばれました。この受賞は、世界保健機関(WHO)が推進するエイジフレンドリーシティや未病改善の取組みなど、高齢者に優しい地域づくりに向けて、県民の皆さまを始め、市町村やアカデミア、企業の方々とともにオール神奈川で推進してきたことが評価されたものと認識しています。これまでの取組みに御協力いただいた皆様に、心から感謝申し上げます。

「すべての世代のための社会づくり」へ

Healthy Ageing 50は、国連健康な高齢化の10年(UN Decade of Healthy Ageing) が主催し、国際労働機関(ILO)、国際電気通信連合(ITU)、人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連経済社会局(UN DESA)、世界保健機関(WHO)、世界経済フォーラムが支援しています。また高齢化に関するマドリッド国際行動計画(Madrid International Plan of Action on Ageing、MIPAA)の20年目のマイルストーンとしても位置付けられています。


世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターは、Healthy Ageing 50の取り組みに賛同しています。生活の質の向上に向けたデータガバナンスのための枠組みづくりを推進し、多国間ネットワークを通じて提唱しているAPPA(Authorized Public Purpose Access): 社会的合意に基づく公益⽬的のデータアクセスなど、プラバシーと公益を両⽴させるデータ運⽤ルールに⽀えられたヘルスケア社会の実現に向けた活動を行なっています。

世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
藤田卓仙(ヘルスケア・データ政策プロジェクト長)
川端康治(ヘルスケア・データ政策プロジェクト・フェロー)
ティルグナー順子(広報)



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