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Youは何しにB2へ?~西地区編~

 今オフにB2へ移籍した選手の中から数名を勝手にピックアップして紹介する「Youは何しにB2へ?」
 本当の意味で「B2に何をしにきたのか?」を探るわけではなく、他のB2クラブのブースターから「なんでB2に来たんだよ…」と恨まれそうな選手を紹介する企画です。

 前回の東地区編に続いて今回は西地区編。いったいどんなYouに出会えるのか?それでは参りましょう。東地区編を未読の方は以下からどうぞ。

注)似たような名前のTV番組とは何の関係もございません。

◉宇都直輝(奈良)

 最初のYouは言わずと知れたスターPG、宇都直輝選手。
 Bリーグの開幕年からずっと富山グラウジーズの顔としてプレーしてきたYouが、なんとバンビシャス奈良に移籍してきました。

 一番の特徴は191cmの長身を生かしたドライブ。ビッグマン相手にも簡単には当たり負けしない身体の強さを持っており、スピードに乗せてしまうともはやアンストッパブルです。
 また、長身からくる視野の広さとパスの通しやすさも大きな武器となっており、安易にヘルプやダブルチームが来たらフリーの選手にパスを出してアシストを量産。2016-17シーズンと2017-18シーズンには2年連続でB1のアシスト王に輝きました。

 富山では、ボールをもってナンボのジュリアン・マブンガ選手が加入して以降はメインのボールハンドラーとしてプレーできる時間が減ったこともあって個人成績を落としていましたが、ドライブのキレはまだまだ健在です。この移籍でプレータイムが増えれば、B2では圧倒的な活躍を見せてくれるかもしれません。
 今季からバンビシャス奈良の指揮を執る石橋晴行HCは、昨季までは富山でアシスタントコーチを務めていたのでお互いの特徴をよくわかっているはず。きっと、宇都選手の能力を存分に発揮できるチームを作ってくることでしょう。

 あとは不得意な3Pシュートをどの程度改善できるのか、もしくはチームでその弱点をカバーできるのか、が気になるところです。オフにはさっそく3Pシュートの練習にも取り組んでいたようですし、もし試合でも使えるようになれば鬼に金棒ですね。

 プレー以外の部分では、そのルックスも人気の要因のひとつ。B2屈指の人気マスコットであるシカッチェとの「カッコいい×あざといかわいい」の共演も楽しみです。

◉永吉佑也(福岡)

 続いてのYouは、京都ハンナリーズからライジングゼファー福岡に移籍した永吉佑也選手。

 現役の日本代表でもあるビッグマンで、外国籍選手ともインサイドで勝負できる高さと強さを持っています。
 強化合宿を除けば、今までにB2から日本代表に選出されたことがあるのは昨季のエヴァンス ルーク選手(FE名古屋)だけであり、帰化選手を除く日本人選手としては初めてのはず。福岡は外国籍選手にPGのマーベル・ハリス選手がいるので、日本人ながら外国籍選手と渡り合える永吉選手の存在は大きいと思います。
 また、3Pシュートを打てるシュートレンジの広さも武器のひとつ。ハリス選手がドライブでディフェンスを収縮させて永吉選手が外から射貫くような形が定着すれば、チームとしてもいいオフェンスができそうです。

 さらに福岡には、アジア枠でグレゴリー・ウィリアム・スローター選手という213cmのビッグマンが加入しているので、永吉選手とスローター選手でプレータイムを争うことになるのか、それとも同時に出場することもあるのか、というところにも注目ですね。

 今のBリーグは外国籍選手がインサイドの選手に偏りがちで、日本人ビッグマンが活躍の場を見つけにくくなっているのが現状です。日本代表のトム・ホーバスHCも、Bリーグにおける日本人ビッグマンの出場機会の少なさには思うところがあるようでした。
 そんな中、あえてB1からB2にカテゴリを落とした永吉選手の選択は、他の日本人ビッグマンからも注目されていることでしょう。
 実力はあるのに出場機会が少ない選手にとっては、活躍の場をB1からB2に移すのも有効な選択肢の一つであるということを、自身の活躍をもって証明してほしいと思います。

◉パブロ・アギラール(長崎)

 3人目のYouは、川崎ブレイブサンダースから長崎ヴェルカに移籍したパブロ・アギラール選手。

 秋田から青森に移籍したアレックス・デイビス選手と同じく、B1のスタッツリーダーがまさかのB2移籍です。しかし、他のB2のクラブからするとその恐ろしさはデイビス選手を凌ぐものがあります。
 スティール王だけあってディフェンスの読みは抜群で、甘いパスは簡単に奪われてしまいます。スティールするまでの演技も上手く、パスカットなど狙っていないような素振りで何気なくパスコースに近づき、パスが出た瞬間に飛びつくスキルは職人技。ただ必死にディフェンスをするだけではない、熟練の技を感じます。

 ディフェンスだけでなくオフェンスでも貢献できる選手で、特に3Pシュートも得意なところは長崎のチーム戦術にピッタリでしょう。激しいディフェンスと早く効率的なオフェンスを特徴とする長崎にとっては、これ以上ないと言えるほど理想的な選手だと思います。

 ただでさえ「Youは何しにB2へ?」と言われそうなチームである長崎にアギラール選手が加入するとあっては、他のB2クラブは心中穏やかではないでしょうが、はたして長崎&アギラール選手はB2の洗礼を浴びることになるのか、それともB2を素通りしてB1昇格を決めてしまうのか、注目です。

【番外】レイナルド・ガルシア(佐賀)

 「Youは何しにB2へ?」ではなく「YouはなぜまだB2に?」の代表格が、佐賀バルーナーズのレイナルド・ガルシア選手です。

 2020-21シーズンは平均18.7得点5.6リバウンド5.8アシスト2.7スティール、2021-22シーズンは平均22.8得点6.8リバウンド5.8アシスト2.8スティールと、2シーズン続けてMVPクラスの成績を残しており、B2ではもはや手の付けようがない状態となっています。
 インサイドの外国籍選手枠が一枠減ってしまうのがネックになるとはいえ、B1には日本人や帰化アジア枠にもレベルの高いビッグマンはいますし、欲しがるクラブがいてもおかしくなさそうですが…
 2022-23シーズンもガルシア選手がB2で猛威を振るうのでしょうか。

まとめ

 前回の東地区編に続いて、今回も素晴らしく実力のある選手たちを紹介してきました。
 しかし、実力のある選手であってもすぐに活躍できるとは限らないのがB2の面白さであり、バスケットボールの奥深さです。前回と今回で紹介してきた選手たちがその実力を遺憾なく発揮できるのか、それとも選手の能力とチームの戦術が合わず期待はずれに終わってしまうのか。
 今季もB2から目が離せませんね!

(終わり)

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