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中東のカフェを独断で分類してみた=②

前回の①では、アラブ圏に、イラン、トルコあたりも加えたいわゆる「中東地域」のカフェの分類の大枠を示した。

1 庶民的/2 開放的/3 お座敷/4 フレンチ/5 歴史の香り

の5分類だ。ただ、今思うと、これは「分類」というよりも、中東地域にあるカフェの「特徴」といったほうがいいかも知れない。上の5つの属性のうち、複数を兼ね合わせるカフェもある。「庶民的で開放的」とか、「開放的なお座敷」とか。

前回は「1庶民的」という視点から、具体的にいくつかのカフェを紹介した。今回は「2開放的」というキーワードで、中東のカフェを紹介していく。あくまで「厳密な分類ではない」、という点は理解してほしい。

「開放的」という言葉から、まず思い浮かべるのは、レバノン・ベイルートのカフェ「ファラマンキー」。

敷地内には木々が生い茂っていて、ベイルートの都心にいることを感じさせない。水タバコ、飲み物に加え、レバノン料理のメニューもあり、至れり尽くせり。

朝はアラブ式の朝食メニューもある。

緑がきれいなのはベイルートのキリスト教地区アシュラフィーエの「ソデコ」にあるほうの店だが、フアラマンキーは、地中海の景勝地「鳩の岩」を見下ろす場所にも別な店がある。

こちらはまだ行ったことがなく、一度行ってみたいものだ。

さて、レバノンの隣のシリア。首都ダマスカスには、私がこれまで訪れた中で、一番広いのではないか、と思ったカフェがあった。勝手に名付けで「千人カフェ」

ご存知のようにシリアは2011年以来、アサド政権と反体制派、ISなどの諸勢力による内戦が続いている。2015年秋の夜にこのカフェょ訪れた時にも、時々、迫撃砲が着弾する音が聞こえてきた。それでも、人々は、友人との語らいや、バックギャモン、トランプなど数少ない娯楽を求めて、カフェに集っていた。

ひろびろ、という点では、トルコの東南部の古都、ディヤルバクルの郊外にあったカフェもすばらしかった。写真でひろびろ感を表現できなくてすみません。イラクのペルシャ湾に注ぐ大河、チグリス川が近くを流れている。

正直、空気はあまりよくはないのだが、エジプト・カイロもオープンカフェがたくさんある。というか、カイロでは真夏の時期をのぞけば、カフェの室内部分より、路上に設置されたイスに座るほうが断然楽しい。

ナイル川沿いにも、川を眺めながら談笑できるカフェがある。夏でも、夕方には、涼しい風が吹く(時もある)。

トルコ・イスタンブールの旧市街にも、あちこちにオープンカフェがある。

壁にじゅうたんを貼ってオリエンタルな雰囲気が醸し出されているカフェもある。ここは、私の行きつけのカフェ。

場所にもよるけれど、乾いたさわやかな心地よい風を感じられる中東のカフェは、ゆったりとした時間を楽しむのにはもってこい。観光地を回る時間を少し割いて、カフェを訪れてみるのはどうか、とご提案します。(②おわり)


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