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カイロ・カフェびたり紀行1

エジプトの首都カイロは、世界で最もゆるいカフェが多い街かもしれない。「ゆるい」「ゆるくない」の判断は、とりあえず置いておいても、その密集度は相当なものだ。イスラム地区のハーン・ハリーリ市場周辺など繁華街には、カフェがずらっと並ぶ通りもあるが、変哲もない住宅街でも、数十メートルに1つはカフェがある、というのが正直な感覚だ。ふだん使いのカフェが多いので、客同士も顔見知りが多く、自然とゆるい雰囲気になるんじゃないのか、と思っている。

看板やメニューもなく、路上に椅子と小テーブルを出して営業しているようなところも多い。

水タバコを吸いに来るおじさん。休憩に紅茶を飲みに来るサラリーマンなど、朝から夜までけっこうにぎわっている。ただし、大部分の客は男性。外で女性が、夫や親族以外の男性と同じ場所にいるのはよしとされない伝統が根強くあるのも事実。

出てくる飲み物は、紅茶、コーヒーだけというわけでもなく、結構多彩。

エジプトのフルーツジュースは、カフェの名物になっているところもある。乾燥地で収穫されたスイカ、マンゴーなどは甘味が強く、とても美味だ。

カルカデと呼ばれる、ハイビスカスのがくを乾燥させたものを煮出した飲み物は、まさにエジプトのカフェならでは、である。

まだまだ男性が多数派とはいえ、カイロのカフェでは、いわゆる「アラブの春」の呼ばれた2011年の政変以降、女性客の姿が目立ってきた印象がある。

以前ではあまり見られなかった、若者男女が一緒になって、会話や歌や音楽を楽しむ様子も2011年以降、よくみかけた。

カイロが世界で有数のカフェ天国であることは変わらないが、そのあり方は、時代の移ろいとともに、少しづつ変化しているようだ。


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