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どこまで知ってる?今さら聞けないコーヒー豆の話 【基本編】

普段僕たちは、液体となったコーヒーを見ることが多い。

赤や黒の液面に光を反射させながら、香ばしい香りを漂わせている。

いったい僕たちは何を飲んでいるのだろう。

コーヒーのことを知らないままに、いつの間にかその魅力に取り憑かれていた。

知っているようで知らない、そんなコーヒーの話。

あなたはどこまで知っていますか?

どこまで知ってる?今さら聞けないコーヒー豆の話【基本編】

1.コーヒーという生き物

(1)コーヒーも立派な植物なんです!

あなたはどの状態でコーヒーを見ていますか?

今から飲もうとする液体の状態?
挽いてもらった粉?
焙煎されたコーヒー豆?
それとも焙煎される前の状態の生豆?

出会う形は様々ですが、たどれば同じコーヒーであることに変わりありません。

では、コーヒーとは何でしょう?

コーヒーは「アカネ科コフィア属」に属する熱帯植物です。

ホームセンターや園芸店、インターネットでも「コーヒーノキ」として販売されていることもあります。

そのコーヒーノキが成長すると、白っぽい花が咲きます。
ジャスミンのような香りがするそうです。

実は初めは緑で、だんだん赤色に色づいていきます。

そして実の中の種こそ、我らが愛するコーヒー豆です。

実の中のコーヒー豆  
【画像引用】 「海ノ向こうコーヒー」よりhttps://uminomukou.com/products/cascara/


ちなみに一応、実も食べられるそうです。
しかし、果肉は少なく、ほぼ種であまり美味しくないと聞きました。

この実を味わう方法として、「カスカラ」という飲み方もあります。

杏のような甘酸っぱさがあり、炭酸で割ると美味しいですよ。

気になる方はぜひ!

(2)地球をぐるっと「コーヒベルト」

では、コーヒーの木はどこで生えているのでしょうか?

この木は日本には自生していません。
おまけに、気候も適したものではないのです。
(沖縄県で育てられている場所はあります)

では、どこで育っているのでしょうか?

原産国は、エチオピア🇪🇹といわれています。

エチオピアでは今も、自分の家の庭にコーヒーの木が生えているところが多いそうです。

そのエチオピアで栽培されていたコーヒーの木が、植民地時代の流れの中で、
様々な国に植えられたことが、今のコーヒー文化へとつながっています。

そのコーヒーが植えられた国々は、「コーヒーベルト」と呼ばれる気候帯の中にあります。

そこは、赤道を中心とした南北緯度25度の国々です。

コーヒーベルト

コーヒーの弱点は寒さです。これら熱帯の国々の気候が栽培には適しているのです。

2.コーヒー豆って何ですか?

(1)「僕たち実は、双子なんです」

では、コーヒー豆のことを詳しく見ていきましょう。

コーヒー豆は、コーヒーの実の中にある種のことでした。

実の中には、通常二つの実が入っています。

実の中で向かい合うコーヒー豆

コーヒー豆の形状は、ラグビーボールのような形。

片方は膨らんでいて、片方は平らになっています。

この平らな面を向かい合わせて、コーヒーの実の中に入っているのです。

お互いのことを考えた形になっていて、どこかかわいく思えてしまいます。

普通のコーヒー豆(生豆)
線が入っているところが平らな面

しかし、中には「ピーベリー」と呼ばれるものがあります。

これはいわば一人っ子です。
通常なら二つある実が、何かの原因で一つしかない状態のものをいいます。

なので、形は全体的に丸く、平らな面はありません。

気を使う相手がいないと、のびのび育つんですね。

ピーベリー(生豆)
線が入っているところも丸い

味は、通常の豆と大差ありません。
しかし、珍しいことが理由で、ピーベリーだけ集め、少し値段を高めにして販売されているものもあります。

(2)いろんな仲間(品種)がいるんです

コーヒーといってもいろいろな種類があります。

商業用で生産されているコーヒーも、まず、大きく2種類に分類できます。

「アラビカ種」「カネフォラ種」です。

この2つは大きく違います。

栽培に適した環境から、その葉の形、味まで。

アラビカ種とカネフォラ(ロブスタ)種 豆の形の違いについて


①アラビカ種

アラビカ種は僕たちが普段飲んでいるコーヒーです。

世界のコーヒー生産量の約60%を占めています。

喫茶店やお店で売られていて、僕たちが口にするコーヒーのほとんどがこのアラビカ種です。

アラビカ種にはさらにたくさんの種類があります。

その国の環境に適応させたり、病害虫に対抗したりするために、たくさん品種改良されてきました。

だから、栽培される国によって、風味が変わってくるのです。
それがシングルオリジンの魅力につながってきます。

詳しくはこちら。


②カネフォラ(ロブスタ)種

では、カネフォラ種は何なのか。

カネフォラ種はロブスタとも呼ばれます。
こちらの言い方のほうが有名です。

このロブスタは、そのまま飲むと麦茶のような風味があります。

コーヒーとは少し違う雰囲気です。

そんなコーヒー飲んだことない!と思うかもしれません。

しかし、実は知らず知らずのうちに飲んでいるのです。

カネフォラ(ロブスタ)種の豆の特徴

ロブスタは、ブレンドコーヒーで他の種類の豆とともに、混ぜられていることが多いです。

ロブスタを混ぜることで、香ばしさが増し、よりコーヒー感を感じられます。

また、このロブスタは、ベトナムやインドネシアで栽培されていることが多いです。

ベトナムコーヒーで使われているのもそうですね。
あんなに練乳を入れても美味しいのは、ロブスタの風味が強いからです。

実際にベトナムに行って本場のコーヒーを飲んでみたいものです。

コーヒーの商品ラベルに「ベトナム」「インドネシア」とあったら、ロブスタが混ぜられていることが多いです。

このように、単体ではなく、縁の下の力持ち的な存在として使われることが多いです。

身近なコーヒーの中のカネフォラ種(ロブスタ種)を探してみるのも楽しいですよ。


3.まとめ

このように、コーヒー豆は植物の種子であり、品種によっても形が変わってきます。

その風味の違いも感じることができた時、ただの飲み物としてのコーヒーではなく、生き物(農作物)としてコーヒーをみることができます。

その国や風土にも目を向けることで、まるで世界を旅した気持ちにもなれます。

遠い遠い国から、あなたのもとにはるばるやってきた、そんなコーヒー豆をかわいがってあげてください。

【次回・・・】

どこまで知ってる?今さら聞けないコーヒー豆の話 【パッケージ編】

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