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小説と草花と静かな暮らし 過去日記 2016


某日

久しぶりにパンケーキを焼いた
苺とバナナとココナッツを散らし
メープルシロップをかけて食す


かわいそうだねを読み終えた
今年になってから読んだ本を
記録してみたら40冊くらいは
読んでいた
3か月で40冊は少ないような
いいペースのような
ついつい寿命を考えると少ない気がしてしまう


彼は純ちゃん大好きと
暗示をかけるように言っている
言葉にすることで
具象化するのに似ている


夜は純が先に眠くなり
彼はVを読み終えたらしい
どうだった?と訊くと
やはりよく分からなかったようだ
猫道楽も面白かった
長野まゆみは他にも、
もっと読みたい


某日


ダイニングテーブルで食事するようにしたいと思い
パソコンデスクを配置替えした
幾つか家具を動かし ては
また移動を繰り返す
思ったより狭さは感じないレイアウトに出来た


夜ごはんはかじきの煮付けと
明太コロッケ
ブロッコリーとポテトのスープ


かわいそうだねに収められている
亜美ちゃんは美人を読み終えた
二編とも面白く読めた
綿矢りさなんて
かなり久しぶりに読んだ


彼は相変わらず日記を捏造しているので
もはや日記というよりネタ帳だ
ソファではなくパソコンデスクで
本を読んだり書きものをしていた
その様子は本当に歳より若くて
少年のよう



シュガーパインに小さな虫がいたのでテラスに移動した
これからは暖かくなる変わりに
虫が出てくる
そのうちテラスにもガーデンテーブルを置いて
天気のいい日に
お茶したり本を読んだりしたい

いつもありがとう



某日


悲しみよこんにちはを読み終えた
彼は覚えてないだろうけど
(人の話を聞いてないので)
エリュアールの詩集が読みたいと
言っていたら
悲しみよこんにちはの冒頭に
エリュアールの詩が載っていて
びっくり


悲しみよこんにちは、は
そもそもエリュアールの詩の
引用らしい
純にはこういうシンクロニシティが
本当に多い
これは幸福であり誇れることかも
知れない


それにしてもサガンは凄いな
今度は図書館で借りて読もう


夜中に彼がくうくう
寝ていたので
鼻をくにゅくにゅしてやった
彼の鼻はすっーと
していて高いので
こんにゃろめと思って


触ると骨がしっかり伸びていて
当たり前だが
自然の造形だと分かる
こういう持って生まれてくる
容姿について、
神は残酷なほどに不公平である


彼は昼間ドーナツを
食べたらしく
いいなーと思った
純はバナナと紅茶とレーズンの
パウンドケーキを焼いた


世の中の主婦より
かなりストイックな生活だとは
思うけど
それはしあわせなことでもある


今年はまだ桜を見ていない



某日



弥生の月も今日まで
ベッドのカバーリングを春夏仕様に変えた
羽毛が飛来して部屋の中に
舞い上がる


ホコリがイヤで服をすべてナイロンにする俳優がいた
潔癖な人には掃除することで
己の邪悪なものを排除したいという心理があるとか


今のおうちは特別にキレイでもないけど
そんなに酷く散らかしてもいないと思う


やはり、ある程度の部屋の広さは
人間性とかタチとかを凌駕して
いくものなのだな
基本、純は整理整頓ができない
子供の頃から



昨日、中川ちえさんの
暮らしのものさしを読み終え


今は中尾真麻の
私は古書店勤めの退屈な女を
読んでいる
この人はタイトルのつけ方が
上手い



昼間に横揺れの地震があった
朝は天秤座が今日の運勢の最下位だったが
本を借りてきてくれた彼に冷たく当たってしまった
純はせっかちなのだな

彼はもう分厚いレギンスから薄手のももしきになった


某日


花曇りなのか寒かった
黄昏ビールを読み終えた
ドイツの人はとても公平らしい
フランス人はあからさまに
差別するそうだけれど
同じヨーロッパでも
お国柄なのかな


夜はフィギュアを見る
ロシアの選手が素晴らしかった
絵画から抜け出したような感じ
真央ちゃんは復活できるのかな
本番に弱い


彼が生シューを買ってきてくれた
苺のとシャンティのを半分こして
食べた
夜ごはんはトマトミートボールと
ジャガイモを揚げた


某日

昼頃起きる
彼は早く起きて和室で
本を読んでいた


パンケーキを焼きバスの時間を
調べる
最初は無線山に行こうかと思ったけど
上尾まで出て吹上まで足を伸ばし
元荒川の桜を見に行った

思ったより駅から近かった
川沿いを歩くと晴れ間も出て
のどかで良いところだった


菜の花と桜のコントラストが
綺麗
川辺には白い水鳥がいた


水車のある公園で久しぶりに
バドミントン
もうバドミントンが出来なくなるんじゃないかと思っていたけど
出来た


青い空に羽が浮かんだところに
腕を伸ばすと
世界を捉えたような気持ちになる

彼もニコニコして
楽しそうにしてくれて嬉しかった
帰りは上尾のベローチェで
サンドイッチを食べる
帰ってきて塩ラーメンをつくり
フィギュアを見た


穏やかな休日をありがとう


某日


ジャガイモにタマネギに茄子に

今日は八百屋さん巡りをする
昨日撮ったビデオに写っていた
青い光は
悪いものではなく
精霊のようなものじゃないだろうか
春の精みたいな



ヤモリ、カエル、シジミチョウは
まだ半分くらいだけど
物語として
完成されてる美しさがあるような気がする

江國香織の小説は脳で味わう
食事のよう
とても美味
多分バランスが良いのだと思う



夜ごはんはラタトゥイユと
カレーコロッケ
ルッコラと苺



彼は赤ちゃんみたいな
匂いがする
ほっぺはぷにゅぷにゅしていて
柔らかく
牛乳石鹸みたい


某日


彼にベーコンを
買ってきてと頼むと
探さないうちから
無いよと言っていた
だから、もしかしたら青のりや
桜エビもコンビニにあるかも
知れない
いい加減だ


江國香織と山崎ナオコーラを
読み終えた
ナオコーラのガーデンエッセイは
所々、共感する
ナオコーラは人と関わらずに
生きて行こうと決めたとか言っていたが
純は決めた訳ではないが
人と殆ど関わっていない


この所、彼以外の人とは口も聞いていない
そして、それを淋しいとも思わず
しみじみ、
純は淋しいとか誰かに
かまって欲しいという願望が
あまり無いようだ


ナオコーラと同じで家の中では
静かに暮らし
本と草花があればいいとか
思っている


それにしても、前に読んだエッセイでは
結構、強気な人だったのに
えらく弱気になっていてビックリした
色々、ブスだどバッシングされたり大変だったらしい


作家なのに見ためで
売れ行きが左右されるというのも
確かに変だ
でも、悲しいかな
それがこの世の現実である
それを踏まえても
純のふてぶてしさは驚愕的なのだろうな


彼は、都立家政の頃から帰宅すると
必ず抱きしめてくれる
なんかの本の指南なのか分からないが
変わらずにそうしてくれるのは
凄いと思う

相変わらず、純ちゃん大好きとか
言っているが
洗脳みたいなものだろう
彼の腰に手を回すと
これも相変わらずほっそい
食べてない訳じゃないから
体質だろう



ナオコーラがムダなものにお金を
使うのが人間だろうと言っていて
納得
それが無かったら生きていけない
訳ではない、
というものにお金をかけてしまう
のだ
そういう意味では
狭い部屋で食べ物にお金をかけるより
広い部屋で花を見ながら暮らす
生き方をやはり選ぶ



今日は曇りだったので
気分が落ちこみがちだった
若い頃は曇りだろうが晴れていようが
ここまで天気に気分は左右され
なかった
それだけ年老いたという紛れもない事実が
天気という土壌に絡まって
気分が落ち込むのだというロジック
そのロジックに落ち込むのだ



夜ごはんはキムチ肉じゃがと
ブロッコリー
茄子のお味噌汁


某日



昨日よりは暖かい
彼にスプレー薔薇を
買ってきてと頼もうかなと思っていたら
テレパシーが通じたのか
ほんとに買ってきてくれた
オレンジ色が可愛い


シュークリームと苺のショートケーキも買ってきてくれた
夜ごはんはアスパラガスとハンバーグと野菜のスープ
なんだろう
歳のせいかハンバーグより
アスパラガスの方が美味しい
オリーブオイルと塩だけなのに
ご馳走だ



Instagramを見ていると
もはや、プロのような人が沢山
料理でもインテリアでも
そんじょそこらのセンスは珍しくなく
やもすると、圧倒されてくらくらしてくる

お金をかけずに頑張ってる人も
勿論いるのだろうが
なんか
こういう所にも一種のヒエラルキーが存在しているようで
なるべく少し離れた場所から
適度なインスパイアだけを
得られればいいと感じる



冬の間、ベッドカバーにしていた白い布にカーテンフックをつけて
洗濯機の前のカーテンレールに
つけてみた
長さもあってぴったり


春ドラマが始まり
トト姉ちゃんを見ている
すると、植物男子ベランダーの
シーズン3が始まっていた
彼がパソコンを繋げてくれたら見たい


今日でたかみなが卒業らしく
スペシャル番組を見た
その間彼の頭を撫でまくったら手のひらがテカテカに
なった



一週間お疲れ様
なるべくベッドは半分こしてね




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