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マティスと色

わたし🌛
井の頭公園の近くに住む、おいしいもの好きな主婦です。二十歳から2年半住んだフランスのこと、絵や翻訳、デザインの仕事のこと、子どものことなどを書いています。


「お母さーん、絵の具したーい!」

登園目前のみぃちゃんが言いました。


「お、いいね。やろうか」

お水と、絵の具を数種類、筆2本。

だいたい10分も描いたら満足するので快く準備をします。





色の重なりに集中している娘のそばで、彼女の絵を見返していたら、「色っていいなぁ…」と思いました。



色と言えば、よく思いだすのはマティスのこと。



色の魔術師は、こんな言葉をのこしています。


En laissant la couleur nous remuer, et toucher la profondeur de notre âme, elle nous émeut, elle nous met en mouvement, et nous fait ainsi entrer dans la joie la plus pure. Laissez la couleur venir en nous, c'est se laisser emplir par la vie. Vous avez découvert le chemin le plus direct pour retrouver la joie d'être.

色が私たちを振動させ、魂の奥に触れるがままにさせておくと、私たちは色によって感動したり、行動できたり、最もピュアな喜びに浸ったりできるようになる。色が私たちの方へ来たいがままにさせようじゃないか。それはつまり、自分の人生が満たされていくじゃまをしないということ。これが、ここに在ることの喜びを思いだす、一番の近道なんだよ。

そよそよ意訳


「色」の部分を「光」にして読むこともできるなぁ…✨と思ったりして。

色には、エネルギーがある。
光みたいに、人の心の中へ染み込んでいくことができる。



とくに何かモノを描くのでもない、娘の絵



1歳くらいから、とりあえず筆を持って



床にはみ出したりしながら



筆を走らせる
(この時期はひたすら黒を描いていました)



時に何分も集中して



色を選んで、重ねていきました



何かいいエネルギーに満ちている気がして
この絵は夫の整体院に飾ってあります





マティスの言葉からもうひとつ思いだしたのは、さかなクンのお話。

さかなクンが小さい頃、イライラしてくるとすかさずお母さんが絵の具セットを出してくれていたというエピソードです。色を塗っている内に気持ちが落ち着いてくるんだそう。さかなクンは絵が好きだからとお母さんが日頃からよく観察して、そうしていたようです。


筆に色を浸し、まっさらな紙に広がっていく気持ちよさ。


その色が自分の中に浸透し、整っていくような感覚。



マティスの「自分の人生が満たされていくじゃまをしない」という言葉が鳴り響いている今日です。



みぃちゃん最新作「トンネル」
トンネルを抜けたら、お山とうつくしい空

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