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栄養経営士について

皆さん、栄養経営士という資格をご存知でしょうか。
私が管理栄養士以外に、はじめて取得した資格です。
取得を目指そうと思ったのは、前職からの転職後、臨床的な知識に乏しく何か取得できる資格は無いかなと探しはじめたのがきっかけです。
コロナ禍真っ只中であり、当資格は在宅中でも講義や試験を受けることが可能であることも魅力の1つでした。
気軽に取得できますので、皆さんの取得候補にいかがでしょうか。


職場で貼っている宣伝ポスター






〜栄養経営士とは〜

どんな資格?

宮澤 靖 先生が代表理事をつとめておられ、一般社団法人 日本栄養経営実践協会が母体の認定資格です。他の役員・理事の方々も大変ご高名な方々ばかりです。
2023年11月現在、栄養経営士試験合格数は1045人とのことでした。

引用:日本栄養経営実践協会HPより

【現状分析・評価能力】
所属する施設において、栄養部門はどのような立ち位置にあり、何を求められているのか。場所によっては、給食作っていれば良いなど、なかなか求められるものが少ない所もあると思います(前職がそうでした)。ですが、それを変えたいと望むのなら、まず立ち位置を知らなければはじまりません。

【目標設定能力】
管理職の方には特に重要なスキルかと思います。確かに、診療報酬上目に見えて分かる収益の方が分かりやすく、栄養部門としてアピール材料になります。しかし、それだけじゃく抗菌薬の使用数の減少など、遠回しに病院の利益向上(ここら辺はまだまだ勉強不足です…)に繋がるんだよって視点も、試験勉強を通じて学ぶことができました。

【適材適所の人事能力】
【人事評価能力】
こちらも管理職に求められてくるところではないでしょうか。人財のマネジメント力を養いつつ、モチベーション維持に努めるのもこの資格保有者には求められてきます。

【アウトカムの評価・分析能力】
一般社会人(サラリーマン)とは、また違う畑にいる私にとっては学んでこなかったところです。想像としては、社会に出て自己啓発しつつも、先輩の背中をみながらながら学んでいくものなのかなと考えています。その環境でない人にとったら意味のあるものになります。内のみではなく、外への発信力(アピール力)も養われますね。

【病態把握能力・教育】
多くの管理栄養士は学生時代に疾患の特徴を教科書的に学んでいる事が多く、新卒時ではまだ、実臨床で経験する様々な要因を考慮して判断する能力に乏しい事が多いです(個人的見解です)。そのため、俯瞰的な視点でみることが重要です。ただ、これに関しては、他の様々な学会・研修会、書籍、論文・ガイドラインなどを読み込んで養われていくところかと思いますので、心構えの話ですね。

◇臨床栄養的な知識のみならず、より社会人的なといったら良いのでしょうか、マネジメント力だったり、コーチングスキル、プレゼンテーション力といったものの習得の一助となる資格であるとなと個人的には感じました。

支部会

日本栄養経営実践協会には、北海道、東北、関東、北陸、東海、関西、九州と7つの支部会があり、精力的に活動されています。


全国栄養経営士のつどい

学術大会のようなものですが、私はいまだ参加した事がなく、ホームページも確認しているのですがここ数年間は開催されていません。次回、開催時は参加したいです!


〜資格取得の流れ〜

取得条件

管理栄養士として2年以上勤務経験があり基礎講習を修了していれば、どなたでも受験できます。

引用:日本栄養経営実践協会HPより

受験

試験日当日、スマフォで解答が可能なため、スマフォの前に鎮座し黙々と解答していたのを覚えています。すごい時代になったなと感じました。
→試験官がいないので、なんとも言えませんがカンニングはダメですよ🙅!


試験内容

ホームページより引用(2023年現在)
試験日
毎日受験可能
試験時間
80分間
目的
栄養経営に関する基礎知識、倫理/モラルにつき、「栄養経営士」像に鑑み、
その習得・到達度を測ることを目的とする。
出題科目
病棟業務管理
・コスト管理
・組織マネジメント
・人材教育マネジメント
・多職種協働コミュニケーション
・病態栄養
○ 試験概要
[試験方式] IBT(Internet Based Testing)方式
[出題形式] 五肢択一方式
[出題問数] 50問
合格基準
「栄養経営士」資格認定試験の合格基準は、総得点の6割程度とする。
○ 受験料・受験申込期間
[受験料] 9500円(消費税込・システム利用料込)
[受験エントリー期間] 通年
[受験料支払締切] 「基礎講習」終了後3年以内に受験可能
合格発表
試験終了後、その場で合否を判定いたします。
合格された方には合格証を受験日の翌月末までに郵送します。

変更される可能性があるので、確実にホームページは確認してくださいね。



〜勉強方法〜

❶公式テキストブックの利用

まずは、王道のテキストブックの利用です。
計6冊が販売されており、1冊2750円(2023年11月現在)と、決して安くない値段ですが、合格目的とは別にとても勉強になります。私は、6冊すべて購入しました。
ご覧の通り、なかなかのボリュームなのでノートなどに書き写して勉強するのは断念し、通勤の時や隙間時間に読むことにしました。意外と、試験問題としては社会人であれば常識的な内容が多い印象でしたので、そにあたりはテキストが無くても大丈夫かなと思います。ただし、臨床栄養の知識も求められ、病態的な理解と、禁食である理由←→禁食でなくてもよい理由とあわせて学ぶところもあるので、一般的な栄養のテキストには載っていないような内容もあります。

❷ホームページの熟読

冒頭でお示しした、栄養経営士とはなんぞや?といった部分を中心に読み込んでいた方が吉です。特に、テキストを購入された方は要注意で、テキストばかりの勉強だとホームページはあまり見なくなるかと思います。たくさん読んでおいてくださいね。1番下にURLのせておきます。

❸資格認定基礎講習の受講

こちらは、受講し修了することが受験資格となっています。
講習料:8500円(税込) 1人/1回(2023年現在)

会場受講と、DVD受講を選ぶ事ができ私はコロナ禍であったことから、DVD
受講を選択しました。会場受講とは違い、何回でも観直すことができるので個人的にはオススメです。しかし、会場受講と違ってDVD受講は修了レポートの提出が必要となります。
※2023年現在、会場とwebのハイブリッド形式もあるようです。


〜試験合格後〜

❶会員証が届く
上記にお示ししたとおり、事務的な手続きを終えたあと会員証が送られてきます。

❷更新に向けて準備
認定期間は3年と他の資格と比較すると短めなため、合格後すぐにレポート作成を行いました。学んだ直後の頭で作成するのがオススメです。ただし、テキストの購入が求められますね。(1)〜(4)まではまだハードルが高く取り組めていません。いつか、できたらいいな。

引用:日本栄養経営実践協会HPより


〜資格取得のメリット・デメリット〜

【メリット】


❶月に1回のオンラインサロン
協会の理事の方々を中心にZOOMを用いた、オンラインサロンが実施されます。見逃し配信もしてくれるので助かっています。私もほぼ毎月申し込んで拝聴しています。申し込み時に、理事の方々に聞きたいことを募集しており、当日話していく流れです。前述した通り、かなりご高名な先生たちばかりで豪華です。個人的には、質問者が未参加でオンデマンドで確認する。といった方もたまにいらっしゃるのですが、それには少しモヤモヤします…

❷栄養士ダイアリーが貰える  定価1650円
デジタル手帳の方にとっては不要かもしれませんが、アナログな私にとってはありがたいです。それに、中身は一般的な手帳の機能に加え学会の予定や、食や栄養などに関する有益な情報も記載しています。また、来年から薄くなり持ち運びやすくなりました。※ペンを付けるものは別売りです。

❸協会発行『栄養経営士ニュース』の購読
以前までは紙媒体で郵送で送られてきましたが、今はpdfで(恐らく誰でも?)見ることができ、診療報酬に関する情報や、支部会の情報など知ることができます。

❹本協会主催セミナー・支部研究会の参加費用割引
 協会推薦図書の割引提供
こちらは説明不要かと思いますが、お得に参加・購入できます。

❺資格取得者と仲良くなりやすい
失礼ながら、まだマイナーな資格だと思いますので、名刺交換(下記参照)などで栄養経営士をお持ちだと「っお!」っとなることが多いです。また、「どんな資格なの?」と興味を持ってくれる方も一定数おられます。

【名刺等の記載】
Q:「栄養経営士」資格認定試験に合格したら「栄養経営士」と、名刺に記載してもよいのでしょうか?
A:本協会に登録(入会)した個人正会員(法人正会員)が認定登録された「栄養経営士」となります。「栄養経営士」は会員登録された方のみ記載できます。
名刺等への記載は、
「栄養経営士」(認定登録番号0000000000000) と表記してください。

http://www.nutrition-management.jp/Janmp_Info/faq.html

【デメリット】

❶更新期間が短い
前述しましたが、一般的な資格の更新は5年周期が多いと思っているのですが、当資格は3年での更新となっています。
(陰ながら、5年になることを望んでいます笑)


❷しっかり準備して臨むとお金がかかる
講習料:8500円
テキスト6冊全巻:16500円
受験料:9500円
資格登録料:5000円
年会費:10000円
→高いか安いかは人それぞれかと思いますが、更新単位を必要としないので取得してしまえば、研修費が無い分楽かもしれません。

いかがでしたででょうか。
以上で簡単ですが、栄養経営士についてご説明を終えようと思います。
気になる方は、ホームページなどチェックしてみてください。









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