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伊勢神宮一人旅。宿泊者私だけ。声が出せないオーナーの愛。


#泊まってよかった宿

いつもインド旅について話しているが、今日はまだインドに行く前の頃。仕事を辞め無職になり人生路頭に迷っている頃の話をしよう。(今もまだ若干路頭に迷っているw)

私は2年前に伊勢神宮へ一人旅に行った。
ずっと行きたかったけど、なにせ働いていると長期の休みなんて取れなかった。


伊勢神宮にいくまで

そんなある日、私はコロナにかかって、掛け持ちしていた一つのバイト先が首になった。もうそろそろ辞めどきかなと思っていたから、なんとなく神はからいな気がした。その頃私はインドに行きたい思いが強くなっていて、この機会にすべてのバイト先を辞めて無職になった。(実は、伊勢神宮に行ったあとに、インド行きの航空券を買ったが、インドでコロナが再発し土日の外出が禁止された為インド行きを止めた) そして、私は伊勢神宮に参拝しに行くことを決める。

仕事ばかりの毎日だったから、旅行が久々でドキドキしていた。

宿泊場所を決める

私は行きたいと決めたらすぐに行くタイプ。思ったが吉日タイプだ。まずは早く宿泊場所を予約しなくちゃとBooking.comで検索した。無職の私にとって宿泊費はなるべく安く済ませたいところ。そこでちょうど見つけたバックパッカーの宿。ここは1部屋に二段ベッドが2つか3つあるいわゆるドミトリーの部屋がある宿。写真を見たらなんとなくアメリカンで、一階はバーになっているようだった。お風呂もお部屋もキレイな写真と良い口コミ。お値段もお手頃価格。お部屋も空いているし、ちょっとドキドキしながら予約した。

宿泊施設に到着

ここの宿の外観は、まるで80年代のアメリカ
なんだがはっきり言って入りにくかった。本当にここかな〜と思って、なんどもGoogleマップで確認した。う〜ん、やっぱりここだ。そして、扉を開ける。

と、薄暗くとっても雰囲気のある廊下。80年代のアメリカにタイムスリップしたようだった。

誰もいない、シーンとしている。

そこで更に奥へ行くと、男性が一人いた。なんとなくワイルドな感じの人だ。私は場違いか?と思ったが、なんだかその男性はこの宿のオーナーらしい。手元にある小さなホワイトボードで文字を書いて私に見せた。

オーナーは、声が出ないらしい。

私は驚いた。

それでもちゃんと予約も確認してくれて親切さが伝わってくる。本当にこの宿が好きなんだろうなっていう思いまで伝わってくる。周りにはお客さんがいなかったから、ちゃんとオーナーのジェスチャーを加えながらの説明を聞いた。そして、部屋へ案内してもらった。

お部屋でドキドキしながら一息

お部屋にも誰もいない。
チェックインが早かったから、これからまだ宿泊者が来るのかなと思った。

とりあえず、夜行バスで来たからシャワーを浴びた。キレイにお掃除されている。一階は薄暗いライトの雰囲気あるアメリカのバーのようだが、2階は明るく清潔な過ごしやすい部屋だった。

そういえば、オーナーがウェルカムドリンクがあると言っていた。なんだか無料で一杯もらえるらしい。

でも、私はドキドキしていた。
誰も宿泊者はいないし、オーナーは筆談。
私はそんなにコミュニケーションがうまい方ではない。

う〜〜〜〜ん。
と考えている間に時間がすぎる。

よし!行こう!
ささっともらって飲んでまて部屋に戻ってゆっくりしよう。そして明日の観光場所を考えよう!

私は1階へ降りてウェルカムドリンクを頂きに行った。ドキドキ、、、。

オーナーと筆談

オーナーは、カウンター越しに立っていた。
なんだかかっこいい。イケオジってやつだ。

どれがいい?選んでってみせられたドリンクメニューにはなんとお酒まであった!え!お酒も無料なの!私は迷わずビールを注文した。小さいコップにビールかなと思いきや、ちゃんと大きなジョッキにドカンと渡された。おお!すごい!嬉しい!と同時に大丈夫かな?なんて不安がぽちり。でも、なんか私はワクワクしていた。

そこで私はオーナーに話しかけた。

「今日はお客さんはいないんですか?」
なんと、昨日は女の子ふたり組と他にもいて賑わっていたらしいが今日は私一人だという。

すごいなぁ。この宿とオーナーを私が独り占めじゃないか。

オーナーは筆談でよくお話してくれた。
オーナーは昔、バンドをしていたらしく歌手だった。伊勢のつんく♂だと笑わしてくれた。でも、いまでもバンドは続けていて、ギターを弾いていると話してくれた。とっても楽しいって言っていた。ここの宿も、いろんな苦労があったことや、続けてこれてよかった話、声はないけどいろんな話をしてくれた。

おつまみとお酒を無料で

オーナーは、お料理が上手なようだった。
〇〇は好き?と聞いてきた。
なにを聞かれたかはすっかり忘れてしまったし、今思えば写真を撮ればよかったと後悔した。オーナーは、カウンター内の広い鉄板で特別な美味しいの作ってあげると言って、野菜を焼いてくれた。このシンプルさがとても美味しいんだって、、私は半信半疑だったが、口にしたらマジでうまい!その後も、いろんなおつまみを出してくれた。お酒もあるよって言ってくれた。でも私は持ち金が少ない。渋っていたら、お金はいらないよって言ってくれた。それでもなんだか悪い気がしたけど、じゃあ、ちょっとだけ。少しお酒もいただいた。

この宿こそがパワースポット

オーナーとは話が進み、私の人生相談にまで軽くなっていた。私もバンドやってみたいなって言ったら、やりたいならやった方がいいって言ってくれた。そして、ここは伊勢神宮にも負けないパワースポットなんだって言っていた。前にここに泊まったお客さんが、来た時は酷い顔相だったけど、帰る頃にはとても良い顔になっていたと言っていた。私は本当にそうだと思った。なんだか私の苦手だったコミュニケーション力を産み出してくれた気がするし、気づけば自分が明るくなっていることに気がついた。なんとなく直感で、あぁ、これが私がやりたかったことだって思った。HSP気質でなかなか人とのコミュニケーションをうまくとれなかったが、新たな私を見つけてくれた。

オーナーと明日の約束

気づけばだいぶ時間が経って、すっかり寝る時間になっていた。オーナーは、明日の予定は?と聞いてきた。私はほとんど決めていなかった。だから、おすすめの場所はあるか聞いた。そうしたらいろいろオススメしてくれた。流石地元民!オーナーは、この伊勢で育った。どんなガイドブックやホテルのスタッフよりも穴場を知っているし、何しろ愛情を感じた。

そして、オーナーが驚くことを言ってくれた。
なんと、車で朝日が見えるところまで連れて行ってくれると。そして、行きたかった二見神社も一緒に行こうと言ってくれた。

そして、私はドキドキと嬉しさで明日の朝の時間を約束して2階に上がった。

オーナーと観光

朝の澄んだ空気を吸いながら、ドライブがスタートした。目的地まではだいぶ距離があった。でも、とても気持ちが良かった。二見神社は伊勢神宮を参拝する前に行って邪気払いをするといいとか、写真スポッとも教えてくれた。ふと空を見上げれば、今まで見たこともない美しい一本にまーっすぐ伸びた飛行機雲が見えた。こんなに長い飛行機雲は初めてみた!すごいすごい!その後に行った展望台は、朝だったから人気も少なくとても気持ちよかった。オーナーは、ここはいつも人が多い、こんなに少ないのは初めてだと言っていた。コロナ禍もあったから余計に人が少なかったのだろう。

オーナーが撮ってくれた
展望台にて
カメラに入りきらない
まだまだ伸びる飛行機雲
二見興玉神社
なんと鳥居の上に鳥が!
オーナーもビックリw

チェックアウトの日

私は、伊勢神宮の参拝もめちゃくちゃ感動して涙が出るほどだったが、ここの宿での経験がめちゃくちゃ最高だった。オーナーに本当に感謝している。私が夢を叶えたら、絶対にまたオーナーに会いに行こうと思う。

チェックアウトをして、さようならをした。
そして一人で観光した。

それから私は、まだ帰りのバスの出発まで時間があったらスーパーによってふらふらしていた。なんか、どうしてもオーナーにお礼がしたかった。そのころはクリスマス前の冬。私はふとスーパーでポインセチアが目に入った。そうだ!オーナーにプレゼントしよう!

でもさようならをした後で、なんか気まずくないかな?お花なんていらないかな?なんだか頭の中がぐるぐるしたが、でもここでお礼をしなかったら後悔する!そう思って一際美しいポインセチアの鉢を選んで買った。

私はまたドキドキしながらオーナーに会いに行った。オーナー、びっくりするかな?喜ぶかな?なんて思いながら、、、

そしてまたあの一見入りづらい扉を開けた。

ん?なんだか声がする?

なんと奥まで行くとお客さんがいっぱいいるではないか!

まるで昨日のバーではないみたいに賑わっていた。私は本当にラッキーだったんだ。一人じゃなかったら、あんなにオーナーと貴重なお話もできなかったし、一緒に観光もできなかった。今も思えば、私がチェックアウトしてから掃除やら次のお客さんの準備やら忙しかっただろうに、私をわざわざ車まで出して観光に連れて行ってくれた。本当に嬉しかった。オーナーはお料理を作るので忙しそうだったから、
「お礼がしたくて!飾って下さい!」
って言って、すぐにお暇した。

家に着いた翌日

オーナーからSMSでお礼の言葉が送られていた。嬉しかった。

自分のお店が伊勢神宮にも負けないパワースポットだって言うオーナーが素敵だった。

一人旅の醍醐味。
人との出会い。

決してたくさんのお金は持っていないけれど、どんな高級ホテルよりも貴重で最高な経験をしたと思っている。

言葉でこうやって綴ると、まだまだ伝わっていない感動や愛がある。だから、それを次はあなたが旅に出て味わって欲しい。

これからがまだまだ最高の人生の始まりだ!


伊勢神宮参拝は、2021.12
念願のインド旅は、2023.3 に出発する

インド旅の記事、何個かあげてます
濃すぎて上手く記事を書けていませんw↓


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