【エッセイ】いくつになっても、恋に悩む
今は今。
忘れたころに電話がかかってくる友人がいる。
私に用事があるわけでも、会いたいわけでも、ない。
用事があるのは私以外の人であり、会いたい相手も私以外の人だ。
とはいって用事などほとんどない。
用事がないから、困っているのだ。
学生時代、私と友人は、同じ男性に恋をした。
キャンパスでしばしば見かけていた先輩だ。いつもいつも私と友人は先輩を探し、遠くから見とれていた。
ロン毛から覗く鼻筋の通った顔。ベルボトムジーンズに、ヒールを履いた脚はスラリと長い。
「ジュリーよりカ