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運動と栄養(水)

 栄養というと語弊がある(カロリー0なので)かもしれませんが、『水ほど大切なものはない』と思っています。


 他の栄養素なら2〜3日抜いても生死に関わる事はありませんが、水だけはそうはいきませんよね。

 人の身体の約60〜70%は水分です。筋肉もタンパク質でできているイメージですが最大75%は水分です。『人は水でできている』といったら少し大袈裟かもしれませんが、とても重要なのは疑いようがありませんね。

【水の役割】
①栄養素の運搬
②関節の潤滑
③体温調節


①栄養素の運搬
 水は栄養素を必要箇所に運び入れ、不用なものを運び出す役割があります。酸素同様『水がなければ何も始まらない』のです。

②関節の潤滑
 皮膚や靭帯、筋肉などが柔軟である事が関節が円滑に働く条件となります。それらの組織が水分を失いカサカサでは関節の働きが悪くなり、故障の原因となる事は明白ですね。

③体温調節
 これは実体験としてイメージしやすいと思います。トイレでオシッコをした後、ブルブルっとなるアレです。

 温かいオシッコが体内から排泄された際に熱が奪われるので、ブルブルして熱を上げようとするのです。

 上記のことからも『水の重要性』は改めていうまでもなく、みなさんも理解されていると思います。

では、
実際に意識して水を飲んでいますか?
必要量はどのくらいですか?
というと良く分からない方も多いと思います。

 人は何もしなくても1日で2.5リットルほどの水分を失います。トレーニングなど意識的に汗を流さなくてもこれだけの量を失うのです。

 食事や飲み物で水分を確保して最適2.5リットル程度は補給しなくてはいけませんが、1度に吸収される量は少ない(200〜250ml)ので、とにかくこまめに摂取し続ける必要があります。

 水は飲むだけで体調を整えて、代謝を上げて、食欲を抑えてくれる『魔法の飲み物』です。トレーニングの有無に関わらず『とにかく水を飲みましょう!』となります。

 夏場や運動時など多量に水分が失われる場面では『のどの渇きを感じた時では遅すぎる』といわれていますね。

 多くの研究で『のどの渇きに従って水分補給をしても不十分である』という考えが支持されています。 

 また、パフォーマンスを低下させる脱水症状に関する研究では、脱水でパフォーマンスが低下し、体重の2%以上の量の汗をかくと動きが鈍くなるという結論が出ています。

 しかし、のどの乾きに応じて水分摂取したグループの体調が、のどの乾きを感じる前に十分に水分摂取したグループよりも悪かったことを示すことはないようです。

 つまり、のどの乾きや身体の動きを鈍くするのは脱水症状のダメージを予測して前もって、自らを守る防衛手段という考えもあるんですね。

 この理論は身体が危険にさらされる前に脳が身体から出される危険信号を感知して運動強度を下げるというものです。

『のどが渇いたから運動強度を下げよう』という感じですね。

 最近ではこの理論を支持して、
『のどが渇いたら水分を補給し、それ以外は気にしなくて良い』という考え方もあります。

【水分の過剰摂取】
 2007年に28歳の女性が「途中でトイレに行かずにどれだけ多く水を飲めるか?」という「オシッコ我慢大会」に参加後、『低ナトリウム血症』により、亡くなるという事例がありました。

 大量に水分をとった為、血液内のナトリウム濃度が下がり過ぎてしまったようです。

 また、マラソンやウルトラマラソン、トレイルランニングの大会でも水分の過剰摂取による『低ナトリウム血症による死亡事故』がは発生しており、大会主催者も注意喚起をしています。

 私も以前はエイド毎にしっかりと水分補給し、トレイルランニングなどでも積極的に水分を補給していました。

 その頃は毎回、胃の調子が悪くなり吐気や嘔吐に悩まされていましたが、『のどが渇いてからちょっと飲む』を意識するようになってからは練習やフルマラソンでは吐き気を催すことがなくなりました。

 スポーツドリンクにはナトリウムが含まれていますが、それにより『低ナトリウム血症』を予防できるという根拠はまだありません。

 最大の対策は水分摂取量をコントロールすることです。専門家によるとスポーツ中の水分量の目安は

『20分毎に240ml程度』とされています。

これでもかなりの量ですね。

『のどの乾きを感じたときだけ』に留めるべきという専門家もいて、私はコチラを支持しております。

 水分摂取の適量は個人差があるといわれているので基本を押さえて自分の適量を知る必要があります。

ポイントは
・1日に失われる水分量は2.5L程度
・1度に吸収できる水分量は200〜250ml程度
・食事に含まれる水分量は(1〜1.5L)
・不足も過剰摂取も危険

という事です。

 常に水分を携帯し、のどの乾きを少しでも感じたら100〜200ml程度の水分を補給しましょう。その上で便の状態を観察し、常に柔らかく下痢気味であれば過剰摂取を疑いましょう。

【運動に必要な水分、栄養素は?】
①炭水化物を含む水分を摂取するとパフォーマンスが向上する。
→スポーツドリンクにはブドウ糖など吸収されやすい炭水化物が含まれており、運動のエネルギー源となり、タンパク質の分解を抑制するします。

 ※
理想的な濃度は水分量の6%(胃が処理できるギリギリの量)です。

②塩分を含む水分を摂取すると痙攣を予防し、運動後の回復を促す。
→塩分が問題になるのは『かなり激しい運動をする人』です。1時間未満の運動であれば水で十分です。

 各メーカー色々な謳い文句でスポーツドリンクを売り出していますが、水分摂取は水、糖、塩分だけ気に留めていれば大丈夫です。

【経口補水液の作り方】
OS1に代表される経口補水液の作り方は

水:1L 砂糖:40g 塩:3g

の比率でしっかり混ぜれば出来上がりです。
簡単なので脱水症状など感じたら試してみてください。

 夏場のウルトラマラソンやトレイルランニングの大会では大量の汗をかくので、水分以外に塩熱サプリなどの塩分タブレットも携帯したいところです。

 私は今年4月に久しぶりにトレイルランニングの大会に参加したのですが、30㎞と短かったので油断して『ポカリだけで何とかなる』と思ったら、20㎞地点で脚が動かない程、痙攣を起こしました。

 何とかゴールできましたが塩分タブレットを用意しなかったことを激しく後悔しました。山などでは助けが来るのが遅れますので自分を守る為にも準備をすることがとても大切ですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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