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共依存から抜けた話。改筆。

16/3 2024 自分を見つめる中で自己認識が深まったので、自分のパーソナリティー障害のことも加味した形で加筆、改善しました。
どなたかのお役に立てれば幸いです。
ネットの情報から自分はそうなのではないかと判断しただけで、専門家による判断は受けておりません。申し訳ありません。



今日の話はとても私的なことで、あまり面白味はないかもしれません。
情けない自分の半生の話です。
公にすべきか迷いましたが、もしかしたらこんなつまらない話でもどこかの共依存に苦しむ人たちの助けになるかもしれないと思い、書き綴ってみることにしました。
パートナーまたはご自身が自己愛性の強い方の助けにもなるかと思います。
冗長で退屈な話だということはお断りしておきますので、どうぞ興味のない方はブラウザバックしてください。

ただ、渦中にあるときにはなかなか自分が見えないものですから、読んでハッとされた方がいらっしゃったら幸いだと思います。
とても辛いものだというのは痛いほどに分かりますし、世間では自己愛性に対する偏見はとても強く、相談しづらいことも多々あると思います。
そんな方へのメッセージとなれば幸いです。


今日、離婚の取り決めがやっと決着点を見て、双方納得の上できちんと合意に至りました。
実際のところはここ2か月ほど何度も衝突しながらも話し合いをしてきたのですが、夫も私も問題を見つめるのが苦手でつい臭い物に蓋をする方式で逃げてしまう癖があり、今日までずっと核心に触れずに来てしまいました。
今日、ふとしたことで自分の一番深い闇に向き合う決心をつけ、きちんと心を開いて夫に向き合ったところ、今までの話し合いはなんだったんだろうというほどすんなりと決着を見ました。


ノルウェー人の夫と出会ったのは約17年前になります。二人ともとあるオンラインゲームが大好きでゲーマー仲間として仲良くなりました。
ネット上で出会った当時私は19歳、夫は15歳だったと思います。それから3年ほど一緒にゲームをして私が21歳、夫が17歳の時に恋人になったと記憶しています。

元々海外に強い憧れを抱いていた私は、ノルウェー人の恋人が出来たことがきっかけで留学先をノルウェーに定め、Folkehøyskoleに一年間の留学を決めました。
私の運命はそこで大きく変わります。留学期間中に望まない妊娠をしてしまったのです。
当時の私の精神年齢は実年齢よりもずっと幼く、自分の目の前で泣きそうな5歳年下の夫も頼れそうにはありませんでした。
私たちの共通言語はお互いに第二言語で、しかもとても拙い英語しかありませんでした。最初に現実で逢った日は何を喋ってもお互いに何を言っているのかさっぱりわからなかったので、筆談していたくらいです。
ただ、穏やかな雰囲気がお互いに似ていて、二人でニコニコ過ごしているだけで心地よかったのでそれでもよかったのです。

そんなわけで難しい話などとても出来る関係ではないし、精神年齢もお互いに情けないほど幼く未熟で、現実には全く追い付いていませんでした。
私たちはただ、絶望的な現実を目の前にして真っ白に思考停止しました。
全く現実に向き合えない二人を見て夫の母親である人が手を尽くして私たちを救ってくれました。私たちはプログラムされたロボットのようにその救いの手に対してYESと全てを受け入れて生き延びました。

そこから私たちはお互いに強烈に共依存するようになってしまいました。
元々、穏やかで似ていると思えていたのは二人とも幼少期にやや複雑な問題を抱えたアダルトチルドレンであり、自分軸が非常に揺らぎやすいタイプだったからでしょう。
相手に合わせて自分をカメレオンのようにとっかえひっかえして生きるのが自然だという性質を二人とも同じように持っていたのです。
そしてエニアグラムでいうとふたりともタイプ9で、問題に直面すると全面的に逃げて問題自体には蓋をして何もなかったことにするタイプだったところも酷似していました。

義母の手厚い愛の手のおかげで私たちの未来はなんとか開かれ、ただ目の前の毎日をこなすことだけ、生き抜くことだけに集中しました。

無垢な二つの魂を天が哀れんだのか、それからの人生は驚くほど順調に進みました。第一子はすくすくと育ってくれ、私はあいも変わらず赤ん坊を抱えたままの引きこもりでうつ病を患っているような外国人でしたが、夫が必死に働いてくれたので約3年後にはアパートを買うまでには安定した人生になりました。

ただ、恋愛感情自体はおそらくお互いに第一子が2歳になる前に消えていたと思います。元々若い二人が出会って始まった淡い恋心でしたので、何を責められましょうか。
ただ、深い深い依存関係だけが残りました。

結婚した後、お金がなかったのでネット環境もなく知人も全くいなく、夫も夜に疲れて帰ってきては朝早くに出ていくのでほぼ毎日誰とも口も利かずにいるような生活が4年ほど続きました。
私はベースに自己愛性パーソナリティー障害を患っていますので、そういう自己陶酔が全く得られないような生活ですと気分障害が起こって重度のうつ状態から抜けることが出来ません。

赤ん坊の世話を機械的に行う以外はただ一日中窓の外を座って眺めているような廃人か有機粗大ごみのような私を夫はひたすら養うことによって自分の存在価値を作っていました。
おそらく、夫の元々の気質的にパートナーに病的に依存しやすいというものがあったのでしょう。

廃人で無気力な私に対し特に社交的なことを勧めるでもなく、君は無理しなくていいし、そのままでいいから家にずっといたらいいと言っていました。
私はそんな夫をなんて優しいパートナーだろうと思って、ただ毎日無意味に酸素を消費する有機粗大ごみとして生きていました。
そこが共依存の怖いところで、依存している対象が自立して素晴らしいものになってしまうと自分の価値がなくなってしまうように感じて怖いのですね。
旅立っていっては欲しくないわけです。

このころから夫の勧めでお酒を飲むことが増え、一時的な快楽で色々なものを誤魔化すようになっていきました。精神的な負荷や痛み、苦痛などを誤魔化せそうなものならなんでも手を出しましたし、それで一時的にでも救われるならと夫に勧められるままに様々なものに中毒になりました。

その過程で、ますますもって私の人格は崩れていきます。
快楽に溺れる自分という仮面に向けられた自己陶酔を味わえるようになったので、気分障害がひどくなりました。快感と不安で毎日が感情のジェットコースターです。そんな風になっても夫は激しい共依存状態から抜けれませんので私を擁護して鳥かごの中で飼い続けました。

そんな状態で、17年間、お互いに共依存しあいました。
結婚生活の途中で義母の紹介で職を見つけ働き始めましたが、共依存を解くきっかけにはなりませんでした。

私はいつでも承認欲求を欲しがりましたし、夫は束縛したがりましたのでお互いの願望のベクトルが合致することはありませんでした。
いつも喧嘩になりましたが、結局は夫は私の愚行を擁護して咎めることはありませんでした。
むしろ自己陶酔さえ満たしてやれば妻はウツ状態ではなくなると学んでしまったので、様々な中毒物質や自立から遠ざかる援助を申し出るような形で依存の鎖はどんどん絡まり合って解きにくくなりました。
共依存関係の典型的な特徴だと思います。

それは自分を満たしたいだけの依存関係で、愛ではなかったと今冷静になると思えます。
お互いにとって、とても不健全な状態です。お互いがお互いの闇を深めていきますから。
私は自分で作った仮面に対する自己陶酔への欲求とそれに基づく気分障害を止められませんし、夫はただそれを耐え忍んで受け入れて、助長、保護してまうという地獄のような共依存の関係が長く続きました。

自己愛性パーソナリティー障害の人にとって本来の自分を見つめて受け入れていくことは気分障害を解決するうえで欠かせない課題ですが、夫は他者に深入りすることを極端に恐れる性格でしたし、私自身は陽キャでパリピな自分や賢くて出来る妻であり母である、といったような仮面を被ろうと努力するだけでキャパオーバーぎりぎり、時に制御が崩れてウツになるというような状態をくりかえしていましたので、何の解決も見ないまま家族を守るという共通信念のみに頼って何年もの間、共に生きてきました。

元々アダルトチルドレンの背景がありますので、役割を演じるのは得意でした。家庭内でのロールはきちんと務めようと頑張っていました。
自己愛性らしく役割にふさわしい仮面を作り出していましたので、妻の役割もやや機械的ではありましたがきちんとこなしていましたし、母親としても及第点くらいには機能していたと思います。
子供の頃から強いエンパスを持っていましたので、自己愛性の特徴はありますが、子育てや愛の形成について問題があると感じたことはありません。
自己愛性であっても全ての人が相手の感情よりも自分の都合ばかり気にして生きているわけではないのです、ということはお伝えできたらと思います。
確かに少し自閉スペクトラム症に似た暗黙のルールを読めない不器用さはありますが、愛を理解できないわけではありません。(私はASDを併発しているのかもしれませんが)

私の場合ですが、ネット上で書かれるようなひどいナルシストの傾向はなく、人生で他者に対して悪意を持って接することもありませんでした。
毒性ナルシストというよりもベースにあるエンパスの特質のため、ときどき精神のバランスを崩してダークエンパスになるという症状の方がよりフィットした説明だと自分では思います。

ただし、エンパスがとても強いのでダークエンパスが出ると相手の最大の弱点を鋭い槍のごとく突き刺すように攻撃する資質があるのは認めざるを得ません。
スイッチが入るようにダークエンパスに移行する瞬間がありますが、一定のエネルギーを使い果たすと普通のエンパスに戻ってきて、なんてことをしてしまったのだろうと罪悪感でひどいウツに陥ります。

ダークエンパスが引き起こされる主なトリガーは自分が現在被っている仮面に対する誹謗中傷、または無理やり仮面をはがして素の弱くて情けない、見せたくない自分を出そうと試みる人間に対して、恐怖と怒りを感じて攻撃の刃を発動することが多いです。
ダークエンパスにスイッチすることによっても感情のジェットコースターが引き起こされるので、攻撃を向けられたターゲットは自身の痛みと極度のウツ状態に陥った自己愛性のパートナーの世話という二重の苦しみに苛まれます。



そのうち仏教に傾倒して、禅やマインドフルネスについて深く学びましたので、精神は徐々に安定してきていました。
ただ、時々ひどい感情の波に襲われて禅を組むくらいでは対処しきれなくなったときは、精神崩壊を起こしていました。
しかし、自分では幸せな人生を送っているはずだと暗示をかけて思い込んでいましたし、まさか自分が自分の父親と同じパーソナリティー障害があるなんて思いもしていませんでしたので、なぜ自分が繰り返しメルトダウンしてしまうのかさっぱり理解できていませんでした。

そんな共依存のループ、また自分の障害ことやそれに基づく特性を知るきっかけになったのはMBTIテストでした。
正式には16 Personaritiesですね。
夫が職場で流行っていて面白いからと家庭に持ちこんだのです。
ただ12分間のテストに答えるだけで面白いように行動パターンを当ててくるこの心理学に私はのめりこみ、さらなる知識を求めてnoteのMBTIコミュニティーに迷い込みました。

問題だったのは、自己愛性の特徴で偽りの自分と本物の自分が常に二つあるということです。
私が作り上げる仮面というのはかなり精巧な一つの人格でありまして、それがどんなに本物の自分とかけ離れていようが役者のように演技してそれを自分だと認識していられるのです。
ですから、常に二つの行動パターンが頭の中をひしめいています。
つまり、どうテストに答えても自己認識がしっくりこないのですね。
自分の中にたくさんの仮面が存在すること、それは素の自分ではないことなど当時は全く知る由もありませんでした。
テストすればするほど分からなくなり、色々な記事を読み歩いてはコメントを残し、しまいには研究サークルにも誘っていただいて日々自己を見つめる旅を始めました。

天の采配なのかとても良い出会いに恵まれ、私はやっと依存と執着に関する学びを終え、また心理学や精神医学に関する知識が深まったため、自分の気分障害に関するメカニズムをやっと解き明かすことが出来ました。
自分らしく在るとは、と問い続けてくれた友人には感謝の言葉もありません。

今日、やっと夫との離婚に合意しました。
最後に夏季の休暇を子供たちと過ごした後、
離婚を前提とした1年間の別居期間を置くために私は日本に帰国します。

子供のいる身で、とお怒りになる方もたくさんいらっしゃるでしょう。
子供を愛していないのか、と問われると、いいえ愛していますとしかお答えしようがありません。
私たち夫婦が17年の牢獄から抜けて、自分を生きるという道を子供たちが受け入れてくれる可能性にかけるということ。
私の愛の形は、あの子たちはそれだけの強さを持っていると信頼する、というわがままな形でしか表現できないのかもしれません。

今まで努力をしてこなかったわけではないと思うのです。
むしろ家庭を守ろうと必死で努力してきたと自分では思います。
しかし、今改めて関係を見直した時、やはり夫と私は物理的に距離を置くのが一番お互いの心の健康にとって必要なのではないかと思うのです。
お互いに心を休める時間と自分と向き合って治療する時間が必要なのではないかと、そういう結論に至ったわけです。

出来ることならば、夫も自分を見つめる中で私が与えてしまった依存から抜け出し、新しいパートナーと新しい人生を歩んでくれたらどんなにいいだろうと、自分勝手ながら願うのです。

夫や、その周りの人々に与えてしまった傷のことは謝っても謝り切れません。一生自分に課せられた十字架として生きていくでしょう。
誰かを傷つけてしまうパーソナリティー障害を持ちながら、それを自覚すらせずにここまで生きてしまった自分のことを擁護するつもりは全くありません。
周りを振り回すだけ振り回し、依存させ、傷つけた事実はとても重く受け止めていますし、誰か専門家の力を借りて改善しなければならないと強く心に感じています。
毒性ナルシストを見ればとりあえず逃げろ、と書かれるような障害でありますが、もしひと言だけ発言していいのならば、私はまだ死にたくないのです。
出来ることならば私も残りの人生は誰の心も傷つけないでいられる、誰かの役に立てるような人間として生きていきたい、そのささやかな権利を下さいと世界に対してひれ伏す思いで願うのです。

もし、自己愛性に悩まれている方がいらっしゃったら。
どうぞ以下の動画をごらんになってみてください。
瞑想をすること、仮面の自分と素の自分をすりあわせることの大切さなどを学ぶことが出来ます。

他に参考になるリンクとしては無自覚型と過剰警戒型の違いについて述べたサイトも参考になります。

一般的にネットで解説されている横柄でマウントを取ってくる上司タイプは無自覚型と呼ばれていますが、それとは別に内向的で他者の評価を過剰なほど恐れ、最大限回避することで自己愛を守ろうとするタイプもあります。私は後者ですね。

駄文をお読みいただきまして誠にありがとうございました。
どうぞあなたに平穏がありますように。

自己愛性の強いパートナーに関する動画でとても参考になったものを下記にリンクしておきます。
もしもっと詳しく公認心理士の話を聞いてみたいなと思われた方がいらっしゃいましたらどうぞご視聴ください。


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