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犯人は必ず現場に…

犯人は必ず現場に戻る。

これは猫の帰巣本能と似たようなものかも知れない。

引っ越しをした際、猫は以前住んでいた家に戻る習性がある。

中には県を跨いで戻った例もある。

そして、以前飼っていた猫も『里帰り』をしていた形跡があった。(たまたま近くだったため、無事に戻って来た。)

………

なぜその話に従い、1人で行ってしまったのか?

なぜ1人で解決しようとしてしまったのか?

なぜ家族はもっと気にかけなかったのか?

なぜ同じような嘘を、懲りもせず簡単に、何度も信じてしまうのか?

なぜもっと早く、取返しがつかなくなる前に、誰かに事態を打ち明けないのか?

なぜ…なぜ…

………

『なぜ』とさまざまな場面で何度も思い、ハラハラしながら、複雑な人間心理に引き込まれた劇場型犯罪劇の長編小説『模倣犯』。

嘘はどんなに遠くまで捨てにいっても、必ずちゃんと帰り道を見つけて帰ってくる(中略)

長編小説『模倣犯』より

人の心は思い通りに操れない。

事件は解決しても、被害者は戻らない。

そして、犯人は常に現場を気にしている。

映画・ドラマ化もされている最後まで一気に駆け抜けた作品。


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