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四條畷市が凄すぎて悔しいけどカルチャーって大事だよね

本日で32歳になりました。蒲原です。誕生日だというのに朝5時からPCを開いて記事を書いていますが、面白い書き出しが全く思いつきません。不穏な32歳の滑り出し。

地方公務員カタリスト事業の近況報告

まずは地方公務員カタリスト事業の近況報告からさせてください。地方公務員カタリスト事業は、自治体職員が「カタリスト」として週1日~・リモートで他自治体でも仕事ができるようにするマッチング事業です。

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カタリストは「触媒」を意味しています。支援先の自治体に化学変化を起こす存在ということでこのネーミングにしました。

この事業を行う目的は2つあります。1つは「複線型キャリアを通じて、職員の成長を加速する」です。自治体ではゼネラリスト育成を前提として数年おきにジョブローテーションをしていますが、カタリスト事業を通じて週1日は特定分野のプロフェッショナルとしての日々を歩むことができます。これにより、本業では自治体の事業・部門を横断した幅広い視野を獲得しながら、自分が突き詰めたい分野での研鑽も継続的に詰めるというものです。

2つ目は、これがより重要なのですが、「職員のキャリアに対する満足度を上げる」ということです。役所目線で言い換えると、「職員の組織に対するエンゲージメントを高める」ことと言えます。

エンゲージメントは平たく言えば「その組織で働きたいと感じる度合い」です。近年は20代で自治体を辞める若手職員が増加傾向にありますが、これはエンゲージメントが民間企業と比べて相対的に低いことも一因です。そしてその理由は、人事に対する納得感が不足しているからだと見ています。

基本的に、自治体では密室人事が行われています。人事課の職員にヒアリングをすると「全員の異動希望に目を通して、極力実現できるように配置している」と言いますが、一方的に結論だけを言い渡される職員側からすれば納得しようがありません。

他方、民間は人事に関する情報をオープンにすることで社員の納得感を得ている(と思われる)例があります。小説「破天荒フェニックス」で知られるメガネチェーンの株式会社オンデーズはエリアマネジャーを選挙で決めたり、役員報酬・社員給与を社内で全公開しているそうです。また、実際に私が働いているサイボウズ株式会社でも、プライバシー情報とインサイダー情報を除き、すべての情報が社内公開されています。人事に関しても決定者と対話ができるので、納得感を持ってその仕事に取り組めているメンバーが多いと感じます。

つまり、納得は情報公開と対話から生まれるということですね。カタリスト事業は、カタリストとしてエントリーした職員の合否の理由や、活動後の支援先自治体からの評価まで、あらゆる情報をオープンに運営していきます。これにより、週に1日から主体的にプロフェッショナルとしてのキャリアデザインが可能な環境を提供します。自分の仕事に関する情報がオープンになるということは厳しい環境でもありますが、公務員としての人生を自分でデザインしたい人にとって面白がれる場を作っていきます。

前置きが長くなりました。そんな地方公務員カタリスト事業は、現在一般社団法人化に向けて粛々と準備を進めています。実証実験としてこの事業に取り組むことを検討してくださっている自治体もあるので、来年には初プロジェクトを公開していきたいです。メンバーも増えてきたので、後日改めて紹介しますね。

四條畷市の採用競争力

ようやく本日の本題です。先日、こんなツイートをさせていただきました。

これは四条畷市長 東修平さんの公式サイトに掲載されている市政報告資料からの引用です。先ほど述べたように全体としては自治体職員の離職が増えている中、4年で62倍という圧倒的な採用競争力の向上を見せています。

資料にはオンライン面接を実施するなど日本一受験しやすい環境を目指した結果であるとの記載もありますが、実態としては東市長・林副市長が先頭に立って職員と作り上げてきた「日本一前向きな市役所」を目指すというカルチャーに惹かれた人が多いはず。

HOLGさんで林副市長へのインタビュー記事が公開されていますが、こういった記事を読んでいても「このチームで働いてみたい」という気に駆られます。ぜひ読んでみてください。

市民に対する成果としても、11年ぶりの人口の社会増や3年で1.1億円の税収増を達成。マイナンバーカードを用いた住民票のオンライン申請の取組も四条畷市が全国初でしたが、これも職員の発案から生まれたものだそうです。

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役所に挑戦するカルチャーを作り、それが前向きに働きたい職員を引き寄せ、市民の幸福度が上がる。素晴らしいサイクル。自分が実現したい未来そのものすぎて悔しさすら感じます。(東市長は自分と同い年だから余計に)

他方で、全国の多くの自治体職員からは「保守的でチャレンジできない」という声を聞くことも多いのが正直なところです。この差を埋めるために現場から起こせるアクションは何か。別の機会に書いてみたいと思います。役所のカルチャーに関して思うところある方はぜひコメントください。

それでは、今日も1日頑張りましょう。

私のノートをお読みいただき、ありがとうございます!