にゃんこ先生@がんカテーテルセンター

腫瘍内科医、放射線科医、IVR専門医、ポケモンGO 再発進行した様々ながんへのカテー…

にゃんこ先生@がんカテーテルセンター

腫瘍内科医、放射線科医、IVR専門医、ポケモンGO 再発進行した様々ながんへのカテーテル治療をしている腫瘍内科医 アメブロから移籍しました。https://ameblo.jp/cancercatheter/ 皆さんが、がんと上手くお付き合いしていくお手伝いができれば嬉しいです。

最近の記事

当科のカテの得意な癌腫と臓器

当科に来られる患者さんは、やはり標準治療で相当に困ってらっしゃるので 得意不得意関係なく、治療にチャレンジすることも多いのですが、 特に成績のよい癌腫と臓器を書いておきます。 (あくまで、後半戦での成績です) まず、大腸癌。 特に肝転移の成績は、何度も学会発表していますが、類を見ないほどの奏効率と生存期間だと思います。 大腸癌に関しては、縦隔や肺、一部腹膜など、多種の臓器も経験しましたが、 うちの選択する動注との相性が最も良いがん種だと思っており、 毎年成績を報告していま

    • 親鶏、喰うしかない!

      連休中はだらだら過ごしました。 緩和の患者さんもいるので、病院に回診に向かい、 その帰り道、自分にご褒美を・・・・ 昔からの知り合いは、僕の酒豪ぶりを知ってると思います。 昨年体調を崩してからだいぶ控えていますが、 まあ、連休くらいと、いうことで、 自宅に帰る動注、いや道中 どこにいこうか、僕の中では2択でした。 ひとつは、梅田の地下街。 第1〜4ビルの地下で、おっちゃんたちに紛れて。 大阪府外の健全な方は決して行ってはいけない かなりdeepな空間ですが、 やなこと全て

      • 医療従事者が患者の場合

        自分の勤務先の職員が体調不良の際に、 気楽に相談されることは多いが、 他施設の医療従事者が患者として来る場合は、通常の先生ならちょっと かまえると思う。 自分も、多分、全体の患者数から考えると、医療従事者、特に看護師さんが患者さんとしてくるケースが多い気がする。 他施設のドクターにもカテしたこともある。 そんな中で、今、僕がカテをしている中で、 奇跡の著効を示してくれている九州地方の患者さんの話。 なお、僕は、たった1例の著効例をみつけて 他の人にも効くだろうと同じ治

        • ありがとうございました。

          今週はカテも多く、緩和患者さんも診ており、また緊急入院もあったりで 本日もかなり疲れました。 ただ、本日初診で受診されたご夫婦には色々と勉強させていただきました。 奥様が患者さんで、旦那さんがご家族の治療に熱心な、何度もみてきた ひとつのご家族ご夫婦の光景でしたが、 今日驚いたのは、旦那さんの勉強量が半端なかったです。 一般的に、ご家族のためにと医療情報を収集する方は多く、 セカオピ等で質問される内容も僕が聞いたこともないような すっごく新しいことや、すっごく怪しいこ

          放射線学会総会で受賞しました

          みなとみらいに来ています。 第83回日本医学放射線学会総会に参加しています。 かれこれ、もう10年以上、自分の研究をこの学会(もちろん他の複数の学会でも)で毎年発表させていただいていますが、恐らく腫瘍内科医で放射線科の総会で発表しているのは全国でも僕だけでしょう(笑) 結果的には、自分は、がん患者さんの治療に携わる 腫瘍内科医の立場が最もやりたい仕事であり あっていると思いますが、 若い頃、学生だった時、当時の浜松医大の放射線科の医局の若い先生方に 「うちの医局に入った

          放射線学会総会で受賞しました

          ハラスメント

          パワハラ、ハラスメントは最低のことだと思います。 他人にウソをつくことは最低だと思います。 自分も、パワハラや、ハラスメント、いわゆるいじめで 仕事を退職された方をあちこちで見ています。 自分が壊れる前に、ハラスメントを受けたことを 言える機関に言いましょう。 そして、もし自分が壊れてしまったら 休みましょう。 病院にいきましょう。 診断書をもらって、しっかりと休むことも ハラスメントを受けた人間の権利だと 心療内科の先生に伺いました。 苦労されている方も多いと思いま

          人のものまね治療が自分に当てはまらない

          9年ほど前からアメブロでブログを書いていた。 当時は、精力的に記事をたくさん産生した。 それだけ、がん患者さんに伝えたいこと、誤ってることを訂正したいことが 臨床をしていると多かったからだ。 その結果、アメブロの読者はかなりの数になった。 そこで、結構、読者が大きく二分されたと思う。 1つは、僕の主張をよく理解してくれる群。 簡単に言えば、再発がんでは完治は難しいけど ちゃんとエビデンスを大切に標準治療をし、 時にエビデンスがなくてもうちのようにしっかりとした病院で がん

          人のものまね治療が自分に当てはまらない

          肺がん

          いろんながんがある中、治療の進歩はがんの種類で差があります。 これは、冷静に考えればその通りなんですが 患者数が多いがんほど、治療法が迅速に、多く、開発されます。 臨床試験や治験といった、製薬会社やその他の医療業者が関係します。 だから営利は絶対に必要になります。 年間1万人の病気と、年間数十人の病気。 企業が投資する方は当然前者になります。 また、医療サイドからみても、やはり年に一人いるかどうかの希少がんよりも、より患者数の多い病気のほうが、治療経験値があがり 治

          がん患者さんとのコミュニケーション

          今週は、リピーターの患者さん以外に初回のカテの患者さんもお二人おられます。 初回のカテは特に大事で 1)がんに向かう血管の探索(事前に外来で造影CTから3Dで血管を作りある程度めぼしい血管をみつくろってます) 2)見つけた血管が本当にがんに関与しているかの確認   これはIVR-CTの真骨頂で、血管造影機械しかもたない施設だとできない検査   実際にカテを目的の血管に入れて   そこから造影剤を流し   狙っているところがちゃんと染まりあがるか   逆に、抗がん剤やビー

          がん患者さんとのコミュニケーション

          クリニックでカテをすることの、恐ろしさ

          おはようございます。 昨日は、かなり攻めた塞栓術をしたのですが、患者さんの容体も許容範囲で良かった。外来前に少しだけ。 僕のところでカテをしている患者さんたちとよく話をするのですが、 やはり、カテをしているクリニックも気になったようです。 でも最終的に、ここを選んで良かった、とみなさんが言ってくれます。 それは、理由を列挙すればキリがないのですが まず、カテーテル治療は、原発性肝がん以外では標準治療ではありません。 そして、先進治療でもありません。 うちでは、徳洲会グ

          クリニックでカテをすることの、恐ろしさ

          手術(カテ)の上手い、下手

          最近、同じグループの若い外科の先生が サブスペとしてIVRを勉強したいと、週2で 吹田にカテを手伝いにきてくれている。 もう50超えると、若い医者と話す機会も激減して 特に自分は部下を持たないフリーランスなので 彼との話は、自分にとっても楽しいし勉強になる。 内科医に教えるのと違って、外科の先生に教えるのは初めてだが かれの能力が優れているのか、外科医だからか とにかく飲み込みが速い。 そんな中、僕が彼にいくつか教える中で特に重点を置いているのが 無駄にカテを動かさない

          アメーバブログからの移籍

          先日、初診で来られた患者さんが、僕が以前から8年近く書いていたアメブロを全く知らなかった。珍しいです、ほとんどの方が、ブログ見て来院されるので。 Noteにブログを移した理由はいろいろありますが、 単純に、古い既成概念と断ち切りたかった、単純に患者さんたちに情報発信したかった、邪魔な存在があった、などありました。 こちらのほうがスマートに書けます(書けてる気がします)。 アメブロはもう書いてないのですが、こちらに移籍していることを知らない患者さんも多いので、もう一度だけ

          がんの大きさ

          時々、患者さんに、今治療している病気のサイズを聞かれる。 パソコン画面で簡単に計測できるけど、 がんって丸くないし、サイズのmmの誤差はしょっちゅうある。 皆さんはあまり知ってないと思うけど、 CTで写ってる画像、あれは、その断面の1枚を見ているのではなく、 難しい話ですが、5mm厚のデータです。 5mmの平面の中にあるデータをまとめたものです。 だから、本当の意味では真の断面ではありません。 特に、腫瘍が小さいと、たとえば1cmの肺転移。 この1cmのうちで、ど真ん中の

          Quality of Survival とは

          QOL(Quality of Life)は患者さんたちにもずいぶん浸透されたと思います。 昔は、がん患者さんは、病気によって、抗がん剤によって、苦しむものだというものが一般常識で、ゆえに、がんになったら 絶望 が待ってたわけです。 今は、QOL、つまり生活の質を重視したがん治療が当たり前となっています。 生活の質とは がんによる症状(癌性症状)の緩和 抗がん剤による副作用の低減(制吐剤などの支持薬の開発) 日常生活の維持(抗がん剤をしながらの労働) など、 がんだからとい

          肝転移に対するラジオ波焼灼術

          肝転移に対する究極の局所治療は、手術 見えている肝転移を直接取り除く行為は最強でしょう その他に 放射線治療系(粒子線治療や陽子線治療含む) ラジオ波焼灼術(以下RFA) 動注やTACEなどのカテーテル治療 があります。 皆さんはご存知ないかもしれませんが、多くの腫瘍内科医は 基本的に、切除ができない時点で 上記のような肝転移に対する局所治療を基本的に全て 否定します。 当然です。 皆さん、転移がどのように出現したか、考えてください。 ある日突然、肝臓の中に転移

          肝転移に対するラジオ波焼灼術

          腫瘍と炎症

          かなり急激に悪化しているスピード感の速い方で カテが奏功した場合に多いことですが 発汗 動注直後から大量の発汗が半日くらい続きます これは、僕はpositiveな変化と考えてます。 細かな推測される機序とか書くと長くなるので結論ありきですが 発汗した方で著効、多いですね。 なお、発汗しなくても著効してる方も多いので これでどうのこうのは考えてません。 かなり進行した患者さんを多くみてますので 患者さんの採血値は4桁も普通にいらっしゃいます。 炎症のCRPも