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バレエ感想㊲新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」_クリスマス期間編

新国立劇場に毎日のように通うクリスマスシーズンがやってきました🎄
今年のくるみ割り人形はなんと17公演あり、私はある理由により12公演行く予定を立てていたので、年末年始はバレエに始まり、バレエに終わります。
初日のチケットは完売という人気っぷりで、一つのイベントが始まるかのようなワクワクした空気を感じました。小野絢子/福岡雄大ペア以外にも、木村優里/渡邊峻郁ペア、柴山紗帆/速水渉悟ペア、米沢唯/井澤駿ペアの4組を鑑賞し、全員とても素敵だったのですが、私が特に印象に残ったのはこちらの4名です。


木村優子さん

木村さんは11月のヤングガラで初めて知ったのですが、その時は創作とドゥエンデという現代的な作品に出演されていたこともあり、シャープな踊りをする方だなという印象を持っていました。
今回木村さんはメイド役、雪の精や花のワルツに出演されていたのですが、とにかくずっとニコニコされていて、見ていて本当に幸せな気持ちになりました。
イーグリング版のくるみは振付が複雑だからなのか、どのダンサーを見ていても余裕が無さそうと思うことが多いのですが、木村さんだけは常に笑顔でニコニコしており、見ているこちらを幸せな気持ちにしてくれます。
日々辛いサラリーマン生活を送っているので、バレエを見ている時間くらいは夢の時間に浸りたいものです。木村さんのように笑顔で踊ってくれているダンサーを見ていると、こちらも嬉しくなります。
どんな役でもニコニコの笑顔で観客に幸せをくれる素敵な木村優子さんのクララも見てみたいと思いました。きっと素晴らしい舞台になると思います。

上中佑樹さん

World Ballet Dayで面白いシャツを着て、めっちゃクルクル回ってる人がいるなぁと思ったのが上中さんに注目したきっかけなのですが、今回のくるみでトレパックを踊っているのを見て驚きました。ジャンプの高さもですが、とにかく余裕があって、変な焦りを観客に全く感じさせないのです。豪快で迫力あるトレパックを見て、もちろん客席は大盛り上がりで、もっと色々な役を踊っている上中さんを見たくなりました。
なぜこれだけ観客を引き込む魅力と実力がある上中さんが、アーティスト(群舞)扱いなのか、理解に苦しみます。観客として、この人員配置には驚きを禁じ得ません。これだけ魅せてくれる素晴らしい上中さんの踊りをもっと見たいですし、彼のような実力者が沢山踊ってこそ、日本バレエ界の競争力は強くなっていくのだと思います。

森本晃介さん

花のワルツの最後列にとてもノーブルな立ち姿の綺麗な男性がいるなと見惚れてしまいました。以前ドゥエンデでお見かけした時も、変な力みがなくて伸び伸びと踊るダンサーだなと思っていましたが、長い手足を伸びやかに使って踊っており、とても優雅で綺麗だと思いました。
最近のキャスティングを見ると、新国立劇場バレエ団は次期王子候補の育成に力を入れているように思います。おそらく候補は研修所出身の中島瑞生さん、渡邊拓郎さん、仲村啓さんあたりかなと思います。もちろんその3名もとても素敵なのですが、森本晃介さんのノーブルな雰囲気というものはなかなか得難いものだと思いますし、1人の観客としてこれだけ綺麗な男の子はなかなかいないと思うのでぜひ王子役を見てみたいです。研修所出身ではないですが、この若さで高貴なオーラが出せる森本さんもぜひ王子育成候補に入れてほしいと思いました。
若さゆえか今は若干の粗さがあるようにも感じますが、もっと鍛錬を積めば確実に今後日本を代表する王子ダンサーになると思います。間違いなく将来が楽しみなダンサーの1人だと舞台を見て思いました。

佐野和輝さん

イーグリング版の1幕の中でもクリスマスパーティのシーンは子役の演技がメインなので、ハッキリ言って退屈です。しかし今回舞台を見ていたところ、老人役の佐野和輝さんの踊りがとても綺麗で思わず見入ってしまいました。
マネージュに迫力があって、音とよく合っていて、踊り自体も素敵でしたが、踊った後も子供をあやしていて、お面や髭をつけていてもとても感じの良さそうな雰囲気が伝わってきました。こんな上手な方がいたのだと知り、とても嬉しかったです。
佐野さんの踊りは上手なだけでなく、見ていて本当に楽しそうで、ご本人も踊るのが大好きなんだろうなと感じました。観客を楽しい気持ちにしてくれる佐野さんの踊りをもっと見てみたいものです。そしてなぜこれだけ上手な方がファースト・アーティスト止まりなんだ…。どう考えてもソリスト級だと思うのですが…。新国立劇場の人事制度は本当によく分からないです。

2024年が皆様にとって良い年になりますように❤️


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