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コンプレックスを解消するために大学院にいってもいい!~自分に自信がない編~

INSEADのExecutive Master in Change(通称、EMC)は、 “Together, we transform”をテーマに、「個人、家族、組織、社会」といったあらゆるシステムレベルで起こる“Change”について、組織論と心理学を用いた組織心理学の観点から、ビジネスプロフェッショナルに新しい視座を提供するプログラムです。

EMCは、2023年現在、フランスのフォンテンブロー(ヨーロッパキャンパス)と、シンガポール(アジアキャンパス)の2カ所でそれぞれ教えられています。私が学んだのは、シンガポールのアジアキャンパスです。

これまでの記事では、EMCにはどのようなビジネスプロフェッショナルが学びに来ているのか精神科医のクラスメイトグローバルトップ企業エグゼクティブのクラスメイト、2人の実例を挙げてご紹介すると共に、「自分探しのために大学院に行ってもOK!」というお話をしました。

今回は、「自分のコンプレックスを解消しに大学院にいくのもOK!」というお話をしたいと思います。

私の場合、長年のコンプレックスは、①英語、②自分に自信がない、の2つでした。

今回は、②の「自分に自信がない」というコンプレックスについてです。(①の英語コンプレックス解消はこちら

周りからは、自信があって、何の悩みもないタイプに見えがちなのですが、私のなかでは、どこか自分に自信がなく、人から褒められても、それを素直に受け入れることができないところがありました。
 
この自信のなさを、2人のコーチをつけて2年間取り組んだことは、こちらの記事に書いたのですが、同時に、INSEAD・EMCも私がこの自信のないコンプレックスを解消に非常に役立ちました。

このコンプレックスを解消することができたのは、クラスメイトのおかげです。

自分に100%の自信が持てないことに悩んでいるということを、私はクラスメイトに打ち明けていました。それを聞いたクラスメイトは、「IBバンカーをしてきた人間がなんで自信がないんだ?信じられない!」「あなたは、クラスですごく良い内容の話をしているのに、あなたの話し方が自信がなさそうに話すからもったいない」「あなたは自分に自信が持てるようになれば、すごく成長すると思うよ」と色々な人が口々に言ってくれました。
プレゼン前に、You are easily give-up trying to make impact people. Don’t give your power away. (あなたは簡単に人に影響を与えるのを諦めてしまう。自分の力を手放しちゃだめ)と、励ましてくれたクラスメイトもいました。

約2年間の間、彼ら彼女らが言い続けてくれたこのような言葉が、私にじわりじわりと浸透し、「そうか、自信持ってもいいのかもな」と思えるように変えてくれたのです。むしろ、「自信をもたないといけないんだ!」と良い意味で背中を押してくれたということかもしれません。

クラスメイトの存在は、色々な場面で顕著に私に気づきを与えてくれました。例えば、自分が好きなことは、自分にとっては自然すぎて、なかなか気づかないものですが、そういうものに、クラスメイトは気づかせてくれました。例えば、私のクラスでの発言を通して、「あなたは“女性”とか、“日本人”に対してパッションあるよね」と言われて続けてきたのですが、私は最初「そんなの皆もそうでしょ?自分は日本人だし、女性だし、あたりまえでしょ?」と思っていました。しかし、そうではないことに気づきました。女性だからといって、皆が皆、女性のキャリアや生き方に興味があるわけではないんですね。そういうことにいちいち気づかせてくれたのがクラスメイトでした。

このように、大学院での、2年間の自分探しの旅、私のトランジションを見守ってくれたクラスメイトなので、私の変化にも気づいてくれました。「あなたは、ずっとパッションがない、パッションがないって嘆いていたのに、今のあなたは見つけたよね!」と言ってもらえたときは、「あー、私の変化に伴走してくれていたんだな。覚えていてくれたんだな」と、本当に嬉しかったです。
 
2年近く、このようなクラスメイトに囲まれて、私はだんだんと自分に自信を持てるようになりました。自分の価値を、自分で認められるようになったのです。これは、自分とは違う人たち、ダイバーシティー豊かなコミュニティに属したからこそ、得られた成果だと思います。同じような人(生まれ育った国が同じ、同じような教育を受けて、同じような職業に就いて、同じような価値観を持った人)に囲まれたなかでは、自分の良さというのは埋もれてしまって、分からなくなってしまうのかもしれません。似たような人たちが集まる環境では、「そんなのできて当たり前。たいしたことないね」と処理され、流されてしまうことが、多様性あふれる環境では、「そんなことできてすごいね!」に変わることがあるのです。
 
例えば、ある授業中、私がホワイトボードにあるホテルの売り上げ予想の数式を示したところ、クラスメイトが皆感心して「おーーー」と言ってくれたことがありました。投資銀行(IB)に勤めていた私にとっては、別にすごいことでもないし、私がIBにいれば、ただ流されるだけのところでしょう。でも、きっとこういうことだと思うんです。私たちはいい大人で、いつも自分がやっていることは”できて当たり前”になってしまっているから、自分のすごさを再認識できる機会がないのです。
 
自分のすごさを当たり前だとスルーされるばかりの日常から離れて、自分のすごさを認識させてくれる環境に飛び込んでみる。ウルトラC級の自分に自信をつける方法です。
 
大学の学部を選んだ10代の自分と、大人になって自分の意志で大学院を選ぶ今の自分は、全く違う存在だと思いませんか?

社会人大学院の意味ってこういうところにあると思うんです。40歳手前くらいで、ようやく自分というものが見えてきて、その自分に欠けているものを補いにいくのが社会人大学院なのでは?と。学部を選んだときの私たちって、そういう視点で大学という場を捉えていなかったですよね。とりあえず行くもの、何者かになるために行くところ。でも、私たちのように既に何者かにはなった大人は、違う意思を持って大学院進学を考えることができるのです。それがリスキリングでもいいし、コンプレックス解消でもいいと思うんです。
 
社会人大学院で人生リベンジ!とかではなく、自分をリスタートするための大学院進学。
 
大人になってから、またクラスメイトと出逢って、新しい友達ができる感覚。世界が広がって、充たされて。とっても楽しいですよ。

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