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共通言語を持つことからはじまる

コミュニケーションの相違ってどうして起こるの?

「上司が言っていることがよくわかりません」とか、「わからないことを質問すると自分で調べろとかいわれる」という相談が増えています。

なぜ、こういう相談が増えているのかというと原因は2つあると考えられる。

1つ目の理由は、部下が教えてくださいという姿勢でいるということ。

勉強会やセミナーでもそうなんですけど、教えてくださいモードで来られると全体のレベルが下がってしまう。

学校じゃないんだから、自分で仮設を立てたり、自分の仕事や働く環境とか考えて話を聞いて考えての質問はいいのですが、仮説思考のない人と話すことは時間がかかる事になります。

自分で考えてこう考えてみましたが、こういう見解では間違いないでしょうかとか、こういう仮設からこういう結果を予測してみましたというのとでは大きく変わります。

仮説思考が日本人には欠如している能力の1つともいえます。

takeをしてもらうよりも、徹底してgiveをしていくことが求められるのに、takeばかりを求められると仮説思考がないと判断をされてもおかしくありません。

思考停止になっている人が増えている理由は、ここにあるといえるでしょう。

2つ目の理由は共通言語をもっていないということです。

研修講師を始めた頃に、通信教育の講師の先生からいわれたことです。

「専門用語をそのまま使うと2流の講師。専門用語を噛み砕いて伝えるのが1流の講師。小学生でもわかるように専門用語をしっかりと噛み砕いてわかりやすく伝えるのが超一流の講師。」

その講師がいっていたことですが、池上彰さんレベルになれば一番いいんだけど、なかなかできない。

マネをしようとしてもボキャブラリーが少なかったり、言い回しがちょっと違うだけで大きく捉え方が変わってしまったりするという。

ジョン・キムさん、ライフネット生命の出口さんも同じ事をいっていました。

教養=知識(読書数や経験数)×共通言語のテキスト

そして、伝え方は料理のレシピと一緒であるということ。

伝え方については同じテーマであったとしても、どのように伝えるかということでまったく違う印象になってしまうこともあります。

どこからどのように伝えていくかによって、聞いている人たちに響くかどうか変わってくることになります。

コミュニケーションの手段として共通言語が必要

共通言語というのは、専門用語、業界用語、社内用語をまとめていう形になります。

また、世代間ギャップを埋めるために必要な言語の辞書のようなものです。

世代間ギャップはバブル期、氷河期、ゆとり教育世代、さとり世代で大きく変わるものですから、お互いに認識をするためには常日頃からコミュニケーションをとっておかないといけません。

日本人は本音と建前を使い分けることから、上司の前では本音が出づらいというのが常識です。

なぜそうなってしまうのかというと、上司が部下に対して腹を割って話そうとしていないからです。

どうしても、上司はヒラメですから、自分の上にいる上司しかみていません。

そういうことが見え隠れしてしまうと部下の本音を聞き出すことがありません。

バブル期以降、接待交際費が減る一方で、自腹で部下と飲みに行く上司も少なくなったのは事実です。

それとともに、転職をすることに対するハードルが下がっていくこともあり、忠誠心を誓う部下というよりも、仕事で実績を上げれば転職を選択する部下が増えているというのも事実です。

組織で何かをしようとした時、常に言い続ける必要がそこにはあります。

意志で動かすには本音で話をする環境が必要だったということになるからです。

いまだに白い巨塔のような権力者への忖度、絶対服従、イエスマンになりやすい日本人が多く、イノベーション人材とかいわれていますが、まったく育たない環境があるのは事実です。

組織は椅子取りゲームであり、その椅子を獲得できるチャンスがあるのであれば、ヒラメ上司が増えてしまっても仕方ないという環境を変化させない限り、イノベーションは起きないと言っても過言ではありません。

今までの常識、思い込み、先入観に対して違和感をもっておかないといけません。

共通言語を持っていないということを前提に話をしていく必要がこれからはあります。

伝え方が9割

共通言語の辞書がないと話が通じないことは前段でご理解頂けたと思います。

コミュニケーションの不一致というのは会社にとっても、上司にとっても、部下にとってもマイナスになってしまいます。

まさに三方一両損の状態になり、かなりのダメージを追うことになってしまいます。

弱いつながりを重視する現在の人間関係において、共通言語の辞書を持っておくことは非常に重要なのです。

そのため、ソーシャルネットで発信をしていくことやコメントへの返信であったり、お互いに共通言語を持っているかどうか探り合いをしながら、すすめていくことになるでしょう。

集中力、インプット力が必要になり、全体を見渡せる俯瞰の視野も必要になってくる時代です。

貴重な時間をうまく使ってコミュニケーションをとることが出来るようになるには、それなりの鍛錬が必要になります。

とある企業研修では、上司と部下のコミュニケーションを砂時計、ストップウォッチ、キッチンタイマーを使いながら、設定した時間内で問題解決をすることにしてみました。

上司もプレイングマネージャーとして現場に降りていることが多くあり、なかなか部下のホウレンソウに真剣、親身になってきくことができないというのが現状でした。

設定時間内で問題を解決しようとすると意外とポイントに絞って話をしなければならないのと、伝え方が難しいことに気づきはじめました。

普段、どれだけ時間を使って話をしているのかということに気付かされるキッカケになり、コミュニケーションも活発化することになりました。

どうやってわかりやすく端的に伝えるかということが身につくと、共通言語も身につくことになり、コミュニケーション活性化につながることになります。


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