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ラボマネに聞く!第3回ケアまち未来会議あれこれ_vol.3稲田玲奈

第3回ケアまち未来会議は、ケアまち実験室のラボマネージャーが中心になって準備を進めています。
準備のプロセスや開催への思い、おすすめポイントなどをラボマネージャー一人ひとりにインタビューしました。


建築も教育も

稲田玲奈(ランドスケープアーキテクト/フジワラテッペイアーキテクツラボ所属)

香川県出身で、親がアニメグッズ関連の仕事だったので小さいころから色んなアニメのフィギュアに囲まれて育ちました。レッジョエミリアに興味を持ち、建築的な目線と教育的な目線を同時に学びたいと思うようになって、そんな学びが出来そうな神奈川県藤沢市の大学に行きました。
そこで恩師の石川初さんから、ランドスケープ的なまなざしで身の周りを観察すること、分析し語り変えることを教えてもらいました。
現在はフジワラテッペイアーキテクツラボでランドスケープデザイナーとして働いています。

ランドスケープ的なまなざしから

ランドスケープデザインは簡単に言うと風景をデザインする仕事です。その土地の地形や水の流れ、植栽や舗装などを設計することを通して、人と環境のかかわりの様子をデザインします。
もともとランドスケープデザインという分野が始まったのは、欧米で都市が拡大し、環境悪化が進んだ頃でした。敷地内を庭的にデザインするだけではなくてより広域の視点を持ち、「都市」や「自然」など地域や時代の要請に合わせ環境を良くすることを考える分野です。
だから局所的に居心地の良い場所をつくるだけではなくて、地域を俯瞰的に見て滞っているヒトやモノ、自然などの関係性を良くしていくとか、環境にとっても暮らす人にとってもより場が良くなっていくことを目指して設計しています。

最近プロジェクトでバイオジオフィルターという浄化機能のある水路を自分たちで作ったんですけど、そこより多くの生きものたちが棲みついて水をきれいにするには流れが良すぎてもダメで、勾配のない水路をつくって長く遠くに水を運べるようにしたんですよ。一手で水の流れや生きものの生活可能範囲が変わるんだっていう当たり前のことを当たり前に体感して、それだけですごく世界が違って見えましたね。安宅研太郎さんをお招きした座談会(座談会レポート)での質問で「ケアをどう体得しましたか?」って「体得」という言葉を使ったのも、ケアという捉えがたい概念を、頭での理解だけの話ではなくて身体にどう染み込ませていますか?という意味も込めていて。身体から理解して取り組みことが結構重要だなと思っています。

第3回ケアまち未来会議に寄せて

色んな地域のケアとまちづくりに興味がある人と会えるのがただただ楽しみです。
めちゃくちゃローカルなところにいる人ほど、ケアとまちづくりを一緒に語れる仲間って少ないんじゃないかと思います。
今回、全国各地からケアとまちづくりに興味がある人が集まってくるので、様々な地域の皆さんの声が聴ける場を準備中です。

毎日、どこで、どういうことが起きているのか。「何でもないリアル」を聞けるのがこの未来会議の重要なポイントだと思っているので、気軽に来ていただけたら嬉しいです。

https://caremachi20240210.peatix.com/

(執筆:鈴木唯加)

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