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読書の記録

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読書感想文を書く気になった本について。
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記事一覧

菊地成孔・大谷能生『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究』用プレイリスト(…

いわゆる(?)菊地&大谷本のなかでも大著の部類にあたる『M/D』(2008、エスクアイア マガジ…

KOI
6か月前
6

[読書の記録]内田樹・岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』(2013.04.27読了)

思想家の内田樹とオタクの岡田斗司夫の対談である。 タイトルは固いが、わりととりとめのない…

KOI
6か月前
8

[後編] 人文書を読むよろこびの回復:東浩紀『訂正可能性の哲学』(2023.09.01読了)

感想文の前編↓ 人工知能民主主義の摘要 『訂正可能性の哲学』の第2部では、東が人工知能民…

KOI
7か月前
15

[前編] 家族をリベラルに取り戻すことについて:東浩紀『訂正可能性の哲学』(2023.09…

わたしは著者の東浩紀の長年の読者である。東のデビュー時、わたしは小学生だったため、『存在…

KOI
7か月前
10

[読書の記録] 小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っているーアングラ経済の…

 著者は文化人類学者で、タンザニアでのフィールドワークを通じて、「マチンガ」と呼ばれる路…

KOI
9か月前
16

[読書の記録] Dan Charnas "Dilla Time: The Life and Afterlife of J Dilla, the Hip…

 著者のダン・チャナスはニューヨーク大学ティッシュ芸術校で教鞭をとる音楽史の研究者だ。特…

KOI
10か月前
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[読書の記録]松葉類『飢えた者たちのデモクラシー』(2023.04.15読了)

 3月に出版された松葉類の『飢えた者たちのデモクラシー レヴィナス政治哲学のために』は、20世紀のフランスで活躍した哲学者エマニュエル・レヴィナスの政治哲学を検討した書物である。  20世紀に、主にフランスを舞台として活動した哲学者たちが担い手となったポストモダニズムと呼ばれる思想の潮流があった。わたしの理解では、レヴィナスも思想史上このグループに含めて語られることがある。レヴィナスを含め、ポストモダニズムの哲学者たちが概ね共通して主張していたのは、「同一性」ではなく「差異

[読書の記録]松尾潔『松尾潔のメロウな日々』(2014年9月23日読了)

鈴木雅之、久保田利伸、EXILE、平井堅、宇多田、JUJU、CHEMISTRY他 いま日本でR&Bな歌謡曲を…

KOI
1年前
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[読書の記録] Jonathan Safran Foer "Extremely Loud and Incredibly Close"(2014.03…

この小説を原作とする映画が2011年に出ているのでそちらを知っている人も多いだろう。私が読ん…

KOI
1年前

[読書の記録]ロン・バーガー『子どもの誇りに灯をともす――誰もが探究して学びあうク…

今年3月に邦訳が刊行されたロン・バーガーの『子どもの誇りに灯をともす――誰もが探究して学…

KOI
1年前
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[読書の記録] 大澤真幸『恋愛の不可能性について』(2013.03.14読了)

大澤真幸aka林家ぺーさんの著作だが、今見るとタイトルからして黒歴史臭が。だが骨太な本であ…

KOI
1年前
6

[読書の記録] カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(2013.04.17読了)

修士時代の後輩が科学コミュニケーション系の書籍展示で使った本だとかで、たまたま譲り受けた…

KOI
1年前
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[読書の記録]麻生香太郎『誰がJ-POPを救えるか?』(2013.04.01読了)

改装を経て一段とオシャレに生まれ変わった渋谷タワレコの2階書籍コーナーで買った。(※この…

KOI
1年前
4

[読書の記録]円堂都司昭『ソーシャル化する音楽』(2013.06.23読了)

※本感想文は2013年に書かれています 文化系音楽ファンの間ではけっこう話題になっている円堂都司昭『ソーシャル化する音楽』を漸く読んだ。 帯のコピーには「次々と新しいムーヴメントが起こる音楽シーン」が「全方位レビュー」されている、とあり、その通りなかなか面白い本であった。 ゼロ年代、ソーシャルメディアの登場に伴ってポップミュージックの消費環境がドラスティックに変化し、同時にコンテンツも急速な最適化の歴史を辿ってきたのは誰もが知るところである。 ゼロ年代以降の音楽シーンを考